J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。クリス・ペプラーが音楽を聴く隠れ家=「オトアジト」に毎週ゲストを迎え、大人な音楽談義を繰り広げるという番組だ。
10月19日(土)のオンエアでは、脚本家・演出家・俳優と幅広く活躍する松尾スズキが登場。少年時代の音楽体験や、自身が主宰する劇団「大人計画」について語った。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年10月26日28時59分まで)
■映画のサントラをよく聴く子どもだった
福岡県北九州市出身の松尾。少年時代はどちらかというと内向的だったという。高校時代に憧れたミュージシャンはYellow Magic Orchestra。「音楽だけじゃなくて色んなカルチャーを取り入れているところに憧れを持っていた」と語る。初めて買ったレコードは、サイモン&ガーファンクルの『El Condor Pasa(If I Could)』。しかし、これは見栄を張って買ったそうだ。
松尾:サントラをよく聴く子どもで、友だちから借りたサントラの大全集みたいな、3枚組ぐらいのLPにいろんな古いサントラが入ったやつで。それを借りて家で聴いてたんです。当時、映画って映画館で観るか、テレビで観るしかないじゃないですか。だから、観てない映画がいっぱいあって、サントラを聴いてどういう映画なのか想像する、みたいなことしかできないわけですよ。
本当は、同じサイモン&ガーファンクルの曲でも、『El Condor Pasa(If I Could)』ではなく、映画『卒業』に使われている『ミセス・ロビンソン』が欲しかったそうだ。
松尾:大人の匂いがしすぎて、なんかいけないような気がして(笑)。
クリス:『ミセス・ロビンソン』は、浮気の歌ですもんね。
松尾:そうですよね(笑)。親にそういうものに興味があるって思われたくなかったんでしょうね。それで『El Condor Pasa(If I Could)』に逃げたというか(笑)。
サントラの曲を聴いてまだ観ぬ映画の内容に思いを巡らせるという行為について松尾は、「本当の映画とは違うものが頭の中にできてるんだろうなと思います(笑)」と語る。そんな松尾にクリスは、「サントラを聴いて思い描いてた映画で、のちに観て全然内容が違ってたものはありますか?」と質問した。
松尾:『風と共に去りぬ』かな。もっとコンパクトで盛り上がる映画だと思ってたのに、ずいぶん長いなっていう(笑)。
クリス:「クライマックスがこんなんでいいのかよ?」みたいな部分がちょっとありますよね(笑)。
松尾:「何にもなくなっちゃった」みたいなね。もっと盛り上がるのかなって思ったけど。でも、観るとやっぱり達成感があるんですけどね。あれだけの長さの映画を観るっていうのは。
■「大人計画」の初期メンバーは応募しただけで合格
松尾は、福岡から就職するために東京に出てきた。東京には、「刺激に満ちていて、憧れていたものがすべてあった」とまで感じたそうだ。特に、美術課程の大学に通っていた松尾にとって、「東急ハンズ」の品揃えは感動的だった。
松尾:「こんなに画材ってあるんだ」って思いました。「ここに最初から住んでる人たちには太刀打ちできないな」っていう絶望感も感じましたけど。
クリス:でも、九州の人たちって、バイタリティがものすごい強いじゃないですか?
松尾:そうですね。でも「ちょっと出てくるのが遅すぎたかな」っていう気はありますね(笑)。
結局、松尾は会社を辞め、しばらくの間イラストの仕事をしながら過ごした。大学時代に演劇をやっていたこともあり、様々な芝居を観て周っていたのだが、そのなかで「学生の頃に自分がやっていたことでも通用すると思った」ことから、「ひとつ勝負に出てみようか」と劇団「大人計画」を立ち上げることになった。松尾が25歳くらいの頃の話だ。
クリス:最初のメンバーはどのように集まったんですか?
松尾:学生演劇をやってたときに一緒にやってた人が、先に上京して別の劇団に入ってたんですけど、その人を「新しい劇団を作らないか?」と誘いました。それで、雑誌の『ぴあ』とかの情報欄とかに広告を出して集めたんですよね。
クリス:あのとき、『ぴあ』の影響力は絶大でしたもんね。
松尾:そうですね。3人くらいだったんですけど、「来た!」と思って。全員合格でした(笑)。
クリス:全員合格で? 無試験で?
松尾:はい(笑)。
ちなみに、松尾は「ガーッと前に来る感じ」の役者が苦手で、秘めたるものはありがなら、そこまで前に出ないけど笑わせてくれる演技が好みだという。「劇団東京乾電池」の俳優を例に挙げ、「みんな好きでした」と語った。
そんな松尾が監督・脚本・主演を務めた映画「108~海馬五郎の復讐と冒険~」が、10月25日(金)に公開される。ぜひチェックしてみてほしい。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年10月26日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『SAPPORO BEER OTOAJITO』
放送日時:毎週土曜 18時−18時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/
10月19日(土)のオンエアでは、脚本家・演出家・俳優と幅広く活躍する松尾スズキが登場。少年時代の音楽体験や、自身が主宰する劇団「大人計画」について語った。
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■映画のサントラをよく聴く子どもだった
福岡県北九州市出身の松尾。少年時代はどちらかというと内向的だったという。高校時代に憧れたミュージシャンはYellow Magic Orchestra。「音楽だけじゃなくて色んなカルチャーを取り入れているところに憧れを持っていた」と語る。初めて買ったレコードは、サイモン&ガーファンクルの『El Condor Pasa(If I Could)』。しかし、これは見栄を張って買ったそうだ。
松尾:サントラをよく聴く子どもで、友だちから借りたサントラの大全集みたいな、3枚組ぐらいのLPにいろんな古いサントラが入ったやつで。それを借りて家で聴いてたんです。当時、映画って映画館で観るか、テレビで観るしかないじゃないですか。だから、観てない映画がいっぱいあって、サントラを聴いてどういう映画なのか想像する、みたいなことしかできないわけですよ。
本当は、同じサイモン&ガーファンクルの曲でも、『El Condor Pasa(If I Could)』ではなく、映画『卒業』に使われている『ミセス・ロビンソン』が欲しかったそうだ。
松尾:大人の匂いがしすぎて、なんかいけないような気がして(笑)。
クリス:『ミセス・ロビンソン』は、浮気の歌ですもんね。
松尾:そうですよね(笑)。親にそういうものに興味があるって思われたくなかったんでしょうね。それで『El Condor Pasa(If I Could)』に逃げたというか(笑)。
サントラの曲を聴いてまだ観ぬ映画の内容に思いを巡らせるという行為について松尾は、「本当の映画とは違うものが頭の中にできてるんだろうなと思います(笑)」と語る。そんな松尾にクリスは、「サントラを聴いて思い描いてた映画で、のちに観て全然内容が違ってたものはありますか?」と質問した。
松尾:『風と共に去りぬ』かな。もっとコンパクトで盛り上がる映画だと思ってたのに、ずいぶん長いなっていう(笑)。
クリス:「クライマックスがこんなんでいいのかよ?」みたいな部分がちょっとありますよね(笑)。
松尾:「何にもなくなっちゃった」みたいなね。もっと盛り上がるのかなって思ったけど。でも、観るとやっぱり達成感があるんですけどね。あれだけの長さの映画を観るっていうのは。
■「大人計画」の初期メンバーは応募しただけで合格
松尾は、福岡から就職するために東京に出てきた。東京には、「刺激に満ちていて、憧れていたものがすべてあった」とまで感じたそうだ。特に、美術課程の大学に通っていた松尾にとって、「東急ハンズ」の品揃えは感動的だった。
松尾:「こんなに画材ってあるんだ」って思いました。「ここに最初から住んでる人たちには太刀打ちできないな」っていう絶望感も感じましたけど。
クリス:でも、九州の人たちって、バイタリティがものすごい強いじゃないですか?
松尾:そうですね。でも「ちょっと出てくるのが遅すぎたかな」っていう気はありますね(笑)。
結局、松尾は会社を辞め、しばらくの間イラストの仕事をしながら過ごした。大学時代に演劇をやっていたこともあり、様々な芝居を観て周っていたのだが、そのなかで「学生の頃に自分がやっていたことでも通用すると思った」ことから、「ひとつ勝負に出てみようか」と劇団「大人計画」を立ち上げることになった。松尾が25歳くらいの頃の話だ。
クリス:最初のメンバーはどのように集まったんですか?
松尾:学生演劇をやってたときに一緒にやってた人が、先に上京して別の劇団に入ってたんですけど、その人を「新しい劇団を作らないか?」と誘いました。それで、雑誌の『ぴあ』とかの情報欄とかに広告を出して集めたんですよね。
クリス:あのとき、『ぴあ』の影響力は絶大でしたもんね。
松尾:そうですね。3人くらいだったんですけど、「来た!」と思って。全員合格でした(笑)。
クリス:全員合格で? 無試験で?
松尾:はい(笑)。
ちなみに、松尾は「ガーッと前に来る感じ」の役者が苦手で、秘めたるものはありがなら、そこまで前に出ないけど笑わせてくれる演技が好みだという。「劇団東京乾電池」の俳優を例に挙げ、「みんな好きでした」と語った。
そんな松尾が監督・脚本・主演を務めた映画「108~海馬五郎の復讐と冒険~」が、10月25日(金)に公開される。ぜひチェックしてみてほしい。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年10月26日28時59分まで)
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【番組情報】
番組名:『SAPPORO BEER OTOAJITO』
放送日時:毎週土曜 18時−18時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/