J-WAVEで放送中の番組『BKBK(ブクブク)』(ナビゲーター:大倉眞一郎、原カントくん)。本や映画に詳しい大倉眞一郎と、複数のメディアに携わる編集者・プロデューサーの原カントくんが、大人が興味を惹かれるモノについて縦横無尽に語り合う。10月15日(火)のオンエアでは、『NETFLIX コンテンツ帝国の野望―GAFAを超える最強IT企業―』の感想を語った。
■Netflixは合法的な山賊集団
カント君は、話題の作品を次々に生み出すアメリカの大企業Netflixの全貌を綴った1冊 『NETFLIX コンテンツ帝国の野望―GAFAを超える最強IT企業―』(新潮社)を紹介。まずは知られざる創業秘話について説明した。
原:GAFAって言葉知ってます? 簡単に言うと、世界のルールを変える、ビジネスのルールを決めている4つの企業「Google」「Apple」「Facebook」「Amazon」のことです。これが最近はFANGって呼ばれているらしいんです。FはFacebook、AはAmazonやApple、NにNetflixが食い込んできて、GがGoogleです。この本を読んでから、Netflixを観るのが怖くなってくる。Netflixは、数字と徹底的な競争に裏打ちされた、合法的な山賊集団みたいだということがわかりました。
大倉:コンテンツ制作会社でもあるんですよね?
原:元々はマーク・ランドルフさんとリード・ヘイスティングスさんの2人で始めた、DVDレンタルサービスの会社なんですよ。ランドルフさんは陽気で人望も高い。ヘイスティングさんはぶっきらぼうだけど頭が超切れる、かつ冷徹。最初はランドルフさんに人望があるから成長するんです。途中でヘイスティングさんが資金調達をうまく成功して、そこからヘイスティングさんが実権を握るようになりました。彼は現CEOです。
大倉:ランドルフさんは追い出されちゃったの?
原:この本では取材を受けてますが、今はアーリーリタイアされてます。
■Netflixが世界的な企業へと成長した理由は?
原:今までは家族的な企業でしたが、ヘイスティングさんがトップに立ってからものすごい競争主義になってきて、あるときから横で働いてた人がクビになっていくんです。従業員を一気に4割クビにしたり、残った人もライバル企業を潰す戦闘集団として効率重視ということで、もっとも相手が嫌がることに手を打っていきます。最大のライバル、ブロックバスター(ビデオ・DVDレンタルチェーン)に、相手の資金が足りないときにキャンペーンを打ち出したりします。(この本の中で)株主との対立を誘発するような仕組みが書かれてるんですよ。映画への愛やヒューマニズムなどは全くありません。
大倉:ある意味、アメリカという超資本主義の中では合理的と言えば合理的だよね。でもさ、そういう企業文化の中でいいものはできてるの?
原:それはまだ正解が出ていません。だけど、Netflixは今、全世界に1億5000万人の会員がいるんです。仮に1000円とるとしたら、年間で1兆8000万円が入ってきます。Netflixは、コンテンツの投資額として大体1.6兆円を『全裸監督』や『ストレンジャー・シングス 未知の世界』に投資してるということで、コンテンツに愛があるかは別として、大変な資金を投入してるのは間違いありません。Netflixの周りにいる人はどんどん潰れていって、その次にやばいのが映画館、その次に飲み込まれそうなのが映画会社ですね。ゆくゆくはNetflix所属のタレントも出てくるかもしれません。
大倉:その可能性は十分ありますね。
■将来的にAIが映画を作る時代が来る?
原:Netflixってエンタメ企業だと思うじゃないですか。実はGAFAと同じようなIT企業で、すべてがデータ分析されている。僕らの視聴履歴とかすべてです。
大倉:「おまえらの面白がるところはここだろ」って全部わかっちゃうってこと?
原:僕がある作品を何時何分で一時停止したか、どこで一時停止したかってデータも全部解析されています。それがレコメンドシステムのアルゴリズムにすべて組み込まれていて、すべての行動履歴を知られている。もしかしたらAIが映画を作る時代がくるかもしれないです。すべてが数字で裏付けられる恐ろしい企業だなと。
大倉:その可能性は十分あるね。
J-WAVE『BKBK』は、本、旅、映画、音楽など、大人たちが興味を惹かれるものについて大倉眞一郎と原カントくんが語り合う。放送は火曜の26時30分から。次回もお楽しみに!
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【番組情報】
番組名:『BKBK』
放送日時:火曜 26時30分-27時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/bkbk/
■Netflixは合法的な山賊集団
カント君は、話題の作品を次々に生み出すアメリカの大企業Netflixの全貌を綴った1冊 『NETFLIX コンテンツ帝国の野望―GAFAを超える最強IT企業―』(新潮社)を紹介。まずは知られざる創業秘話について説明した。
原:GAFAって言葉知ってます? 簡単に言うと、世界のルールを変える、ビジネスのルールを決めている4つの企業「Google」「Apple」「Facebook」「Amazon」のことです。これが最近はFANGって呼ばれているらしいんです。FはFacebook、AはAmazonやApple、NにNetflixが食い込んできて、GがGoogleです。この本を読んでから、Netflixを観るのが怖くなってくる。Netflixは、数字と徹底的な競争に裏打ちされた、合法的な山賊集団みたいだということがわかりました。
大倉:コンテンツ制作会社でもあるんですよね?
原:元々はマーク・ランドルフさんとリード・ヘイスティングスさんの2人で始めた、DVDレンタルサービスの会社なんですよ。ランドルフさんは陽気で人望も高い。ヘイスティングさんはぶっきらぼうだけど頭が超切れる、かつ冷徹。最初はランドルフさんに人望があるから成長するんです。途中でヘイスティングさんが資金調達をうまく成功して、そこからヘイスティングさんが実権を握るようになりました。彼は現CEOです。
大倉:ランドルフさんは追い出されちゃったの?
原:この本では取材を受けてますが、今はアーリーリタイアされてます。
■Netflixが世界的な企業へと成長した理由は?
原:今までは家族的な企業でしたが、ヘイスティングさんがトップに立ってからものすごい競争主義になってきて、あるときから横で働いてた人がクビになっていくんです。従業員を一気に4割クビにしたり、残った人もライバル企業を潰す戦闘集団として効率重視ということで、もっとも相手が嫌がることに手を打っていきます。最大のライバル、ブロックバスター(ビデオ・DVDレンタルチェーン)に、相手の資金が足りないときにキャンペーンを打ち出したりします。(この本の中で)株主との対立を誘発するような仕組みが書かれてるんですよ。映画への愛やヒューマニズムなどは全くありません。
大倉:ある意味、アメリカという超資本主義の中では合理的と言えば合理的だよね。でもさ、そういう企業文化の中でいいものはできてるの?
原:それはまだ正解が出ていません。だけど、Netflixは今、全世界に1億5000万人の会員がいるんです。仮に1000円とるとしたら、年間で1兆8000万円が入ってきます。Netflixは、コンテンツの投資額として大体1.6兆円を『全裸監督』や『ストレンジャー・シングス 未知の世界』に投資してるということで、コンテンツに愛があるかは別として、大変な資金を投入してるのは間違いありません。Netflixの周りにいる人はどんどん潰れていって、その次にやばいのが映画館、その次に飲み込まれそうなのが映画会社ですね。ゆくゆくはNetflix所属のタレントも出てくるかもしれません。
大倉:その可能性は十分ありますね。
■将来的にAIが映画を作る時代が来る?
原:Netflixってエンタメ企業だと思うじゃないですか。実はGAFAと同じようなIT企業で、すべてがデータ分析されている。僕らの視聴履歴とかすべてです。
大倉:「おまえらの面白がるところはここだろ」って全部わかっちゃうってこと?
原:僕がある作品を何時何分で一時停止したか、どこで一時停止したかってデータも全部解析されています。それがレコメンドシステムのアルゴリズムにすべて組み込まれていて、すべての行動履歴を知られている。もしかしたらAIが映画を作る時代がくるかもしれないです。すべてが数字で裏付けられる恐ろしい企業だなと。
大倉:その可能性は十分あるね。
J-WAVE『BKBK』は、本、旅、映画、音楽など、大人たちが興味を惹かれるものについて大倉眞一郎と原カントくんが語り合う。放送は火曜の26時30分から。次回もお楽しみに!
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【番組情報】
番組名:『BKBK』
放送日時:火曜 26時30分-27時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/bkbk/