J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』のワンコーナー「SONAR'S ROOM」。毎週木曜日はmiletが影響を受けたカルチャーや音楽について語る。9月5日(木)は「この曲のこのフレーズが好き」をテーマに選曲した。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年9月12日28時59分まで)
■「進めよ」って言われているような気がして...
・Regina Spektor『Eet』
milet:ピアノのイントロが流れると胸がキュッとなります。私はこの曲を中学生の頃にいちばん聴いていたので、その頃を思い出します。この曲はRegina Spektorの歌い方も飾らず、すごく人間くさくて、優しいけど、ときどき乱暴な感じがする。だから、曲の世界に入り込んで現実逃避していました。聴きながらツラいことやイヤなことを忘れたりしたけど、いま聴くと当時のことを思い出す。ときどき作ってた、当時の空想の友だちとかを思い出します。いま久々に思い出したな、そういうこと。ピアノのコードひとつで当時の痛みとか匂いとかを思い出せるんですよね。この曲は私にとってそんな曲で、みなさんにもそういう曲があるかもしれないですね。
・The Verve『Bitter Sweet Symphony』
1997年に発売されたアルバム『Urban Hymns』の収録曲。「いま聴いても、とんでもなくカッコいい」とmiletはうっとり。
milet:私的ワンポイントはサビの歌詞ですね。すごくわかるんですよね。「自分は変われる、変われない」って頭がごちゃごちゃになる感じ。それがすごく共感できるポイントです。だけど、歌の全体像はスッキリしてるじゃないですか。重暗いわけでもないから気持ちは暗くならない。何かが変化するときとか、自分を変えなきゃいけないとき、悩みが大きいときほど頭がぐちゃぐちゃになるんですよね。すごく小さい問題や悩みなのに、考え始めたら「なんで自分はここで生きているんだろう」「この世界はなぜ存在しているんだろう」「この世界は実は存在しないんじゃないか」ってくらい広く考えちゃったりする。でもそうやって押しつぶされそうなくらい考えたときって、変わる直前だと思うんです。私がこの曲を聴いて思うことは、誰でも悩むし苦しいということ。それをメッセージにすると重苦しくなってしまうけど、この曲は高いストリングスで軽快にストレートにぶつけてくれるから、元気になる。いまでもこの曲を聴くと「進めよ」って言われているような気がして、シャキッとするいいスイッチになります。
・Bill Evans Trio『Waltz for Debby』
ジャズ・ピアニストのBill Evansが、兄の娘の3歳の誕生日のために書いた曲だ。
milet:やさしい旋律ですよね。女の子のために書かれた曲ということもあり、どこかやわらかくて、ピアノの音も女性らしい表情が伝わってくるような曲で美しいです。私は小学生の頃にクラシックが好きで、フルートをずっと吹いていたんですけど、この曲がきっかけでジャズにも興味を持ち始めました。クラシックの中ではNiccolo Paganini『Cantabile』っていう曲が好きなんですけど、『Cantabile』のやわらかさと美しさが『Waltz for Debby』に似ているところがあると思ったんですよね。この曲で初めて知ったジャズ特有の自由さと遊び。Bill Evansがずっとクラシックをしていたということもあり、抵抗なくジャズの世界に入れました。この曲の好きなところは、はじめは3拍子だけど、2コーラス目以降4拍子に変わるところが好き。そういう自由さがジャズならでは。
・くるり『犬とベイビー』
milet:ポイントはなんといっても岸田 繁さんのシャウトですよね。どうやったらこんな声が出るんだろう? 今はけっこうまろやかな声で歌われるじゃないですか。どっしりしてるけど、ときどき荒々しい感じ。そのギャップですよね。そのギャップに私は数年間ノンストップでやられているんですよ。この曲のもうひとつ好きなところは、すごくピンポイントなんですけど、2番のはじまり。くるりのことを話し始めると時間が足りない(笑)。
miletが紹介した4曲を、radikoでぜひチェックしてみてほしい。
J-WAVE『SONAR MUSIC』のワンコーナー「SONAR'S ROOM」では、月曜から木曜まで日替わりのアーティストが、今の自分たちの音楽に影響を与えたカルチャーについて語っている。放送は月曜~木曜の22時30分頃から。お楽しみに!
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年9月12日28時59分まで)
■「進めよ」って言われているような気がして...
・Regina Spektor『Eet』
milet:ピアノのイントロが流れると胸がキュッとなります。私はこの曲を中学生の頃にいちばん聴いていたので、その頃を思い出します。この曲はRegina Spektorの歌い方も飾らず、すごく人間くさくて、優しいけど、ときどき乱暴な感じがする。だから、曲の世界に入り込んで現実逃避していました。聴きながらツラいことやイヤなことを忘れたりしたけど、いま聴くと当時のことを思い出す。ときどき作ってた、当時の空想の友だちとかを思い出します。いま久々に思い出したな、そういうこと。ピアノのコードひとつで当時の痛みとか匂いとかを思い出せるんですよね。この曲は私にとってそんな曲で、みなさんにもそういう曲があるかもしれないですね。
・The Verve『Bitter Sweet Symphony』
1997年に発売されたアルバム『Urban Hymns』の収録曲。「いま聴いても、とんでもなくカッコいい」とmiletはうっとり。
milet:私的ワンポイントはサビの歌詞ですね。すごくわかるんですよね。「自分は変われる、変われない」って頭がごちゃごちゃになる感じ。それがすごく共感できるポイントです。だけど、歌の全体像はスッキリしてるじゃないですか。重暗いわけでもないから気持ちは暗くならない。何かが変化するときとか、自分を変えなきゃいけないとき、悩みが大きいときほど頭がぐちゃぐちゃになるんですよね。すごく小さい問題や悩みなのに、考え始めたら「なんで自分はここで生きているんだろう」「この世界はなぜ存在しているんだろう」「この世界は実は存在しないんじゃないか」ってくらい広く考えちゃったりする。でもそうやって押しつぶされそうなくらい考えたときって、変わる直前だと思うんです。私がこの曲を聴いて思うことは、誰でも悩むし苦しいということ。それをメッセージにすると重苦しくなってしまうけど、この曲は高いストリングスで軽快にストレートにぶつけてくれるから、元気になる。いまでもこの曲を聴くと「進めよ」って言われているような気がして、シャキッとするいいスイッチになります。
・Bill Evans Trio『Waltz for Debby』
ジャズ・ピアニストのBill Evansが、兄の娘の3歳の誕生日のために書いた曲だ。
milet:やさしい旋律ですよね。女の子のために書かれた曲ということもあり、どこかやわらかくて、ピアノの音も女性らしい表情が伝わってくるような曲で美しいです。私は小学生の頃にクラシックが好きで、フルートをずっと吹いていたんですけど、この曲がきっかけでジャズにも興味を持ち始めました。クラシックの中ではNiccolo Paganini『Cantabile』っていう曲が好きなんですけど、『Cantabile』のやわらかさと美しさが『Waltz for Debby』に似ているところがあると思ったんですよね。この曲で初めて知ったジャズ特有の自由さと遊び。Bill Evansがずっとクラシックをしていたということもあり、抵抗なくジャズの世界に入れました。この曲の好きなところは、はじめは3拍子だけど、2コーラス目以降4拍子に変わるところが好き。そういう自由さがジャズならでは。
・くるり『犬とベイビー』
milet:ポイントはなんといっても岸田 繁さんのシャウトですよね。どうやったらこんな声が出るんだろう? 今はけっこうまろやかな声で歌われるじゃないですか。どっしりしてるけど、ときどき荒々しい感じ。そのギャップですよね。そのギャップに私は数年間ノンストップでやられているんですよ。この曲のもうひとつ好きなところは、すごくピンポイントなんですけど、2番のはじまり。くるりのことを話し始めると時間が足りない(笑)。
miletが紹介した4曲を、radikoでぜひチェックしてみてほしい。
J-WAVE『SONAR MUSIC』のワンコーナー「SONAR'S ROOM」では、月曜から木曜まで日替わりのアーティストが、今の自分たちの音楽に影響を与えたカルチャーについて語っている。放送は月曜~木曜の22時30分頃から。お楽しみに!
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【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/