J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』のワンコーナー「SONAR'S ROOM」。毎週木曜日はmiletが影響を受けたカルチャーや音楽について語る。8月29日(木)は初の生放送でお届け。「憧れのボーカリスト」をテーマに選曲した。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
■4人のボーカリストのすごさ
・James Blake『F.O.R.E.V.E.R.』
milet:彼は天才です。自分の声をギターやピアノみたいに曲を織りなすひとつの要素みたいな扱い方をしています。普通の曲みたいに声が主役で全面に出ているというよりも、その曲の歯車のひとつになっているような感じ。私が思うに、彼は自分のことをすごく分析して知っている人だと思いました。James Blakeは作曲を自分自身のセラピーとして行っていたこともあり、曲は分析された彼がたくさん詰まっている。でもインタビューでは、自分の書く歌詞にあまり自信がないそうなんです。だから感情的な部分は言葉よりもボーカルや歌に込めているようです。James Blakeは、ボーカルだけ熱演しないようにするっていう。つかこうへいさんの「熱演と呼ばれる役者の芸のなさ」という言葉があって、熱演して浮いたらいけないんだよねっていう。勉強になります。James Blakeはボーカリストとしてもアーティストとしても、音の作り方や操り方を尊敬しています。
・Florence + The Machine『Cosmic Love』
milet:ボーカル・Florenceを中心としたバンドで、Florenceはイギリス人の女性シンガーです。新しくも聴こえるし、懐かしくも聴こえる音。カントリー感、インディ、ソウルなど、1曲にいろいろな音楽のよさが詰め込まれているのが、このバンドの楽しいところです。混ざりきったジャンル感に負けずに轟くのがFlorenceのボーカルなんです。飾らないけど全てをさらけ出しているようなネイキッドな歌声。彼女の声は体の内側から自然に伸びやかに発生する声に聴こえます。ライブでFlorenceが立っているだけで圧倒されそうになります。歌うときは、身軽に飛んでは寝て回っていて、初めてライブ映像を観たときはビックリしました。彼女がときどき天使や妖精に見える瞬間があるんですよね。声が体を持った何かに見えるというか。一度もなりたいと思ったことがないほど遠くて美しい存在。
・andymori『ベンガルトラとウィスキー』
miletが生のandymoriを観たのは、2014年に日本武道館で行われた解散ライブ。「あんなに泣いたライブはない」と言う。
milet:ずっと前に親友が夏の終わりに夜の代々木公園でandymori『投げKISSをあげるよ』を歌っていたのを聴いて、興味を持ちました。小山田壮平さんの声を聴くと脳みそがジンジンするようなシャウトだけど優しい。私が真っ暗な茨の道のなかにいたとして、他の人が歌う「大丈夫だよ」って言葉は安全なところにいる人が手招きしながら言ってくれるような感じだけど、小山田さんの場合は私の頭のなかに住んでいて一心同体になってくれてると思うときがあるんですよね。そんなボーカリストはなかなかいない。
・Julie London『Blue Moon』
milet:アメリカで活躍したジャズシンガー。といっても、ポップスの要素もあるからすんなりと耳に入ってくる感じですよね。この曲は艶っぽい、でもいたずらで少しアンニュイなJulieの声が、シンプルなバックに映えますよね。「憧れのボーカリスト」というテーマで話して、いろいろな曲を振り返って聴いていたんですけど、久々にJulieを聴いて「うっ!!」ってなりました。昔と聴こえ方が違うのは、私が大人になったからかな。Julieは歌によって手の届かないセクシーな人に思えたり、チャキチャキなカントリーガールに思えたり、歌声からキャラクターがコロコロ変わって生まれるのがすごいと思います。この曲はJulieの息づかいが素敵でドキドキします。吐息で歌えっていう。私が勝手に作ったんだけど、ちょっと名言っぽいでしょ(笑)。たどり着きたいところはここだと思ったんです。Julieみたいにセクシーになりたいって思ったわけじゃなくて、変わらない芯がありながら、いろんな音楽になれる柔軟さや余裕がほしいなって。それってきっと、これから長く歌い続けるためにも、いろんな音楽に自分自身がなっていくためにも必要なことだと思ったんですよね。
miletが憧れるボーカリストたちを、radikoでぜひチェックしてみてほしい。
J-WAVE『SONAR MUSIC』のワンコーナー「SONAR'S ROOM」では、月曜から木曜まで日替わりのアーティストが、今の自分たちの音楽に影響を与えたカルチャーについて語っている。放送は月曜~木曜の22時30分頃から。お楽しみに!
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PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/
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■4人のボーカリストのすごさ
・James Blake『F.O.R.E.V.E.R.』
milet:彼は天才です。自分の声をギターやピアノみたいに曲を織りなすひとつの要素みたいな扱い方をしています。普通の曲みたいに声が主役で全面に出ているというよりも、その曲の歯車のひとつになっているような感じ。私が思うに、彼は自分のことをすごく分析して知っている人だと思いました。James Blakeは作曲を自分自身のセラピーとして行っていたこともあり、曲は分析された彼がたくさん詰まっている。でもインタビューでは、自分の書く歌詞にあまり自信がないそうなんです。だから感情的な部分は言葉よりもボーカルや歌に込めているようです。James Blakeは、ボーカルだけ熱演しないようにするっていう。つかこうへいさんの「熱演と呼ばれる役者の芸のなさ」という言葉があって、熱演して浮いたらいけないんだよねっていう。勉強になります。James Blakeはボーカリストとしてもアーティストとしても、音の作り方や操り方を尊敬しています。
・Florence + The Machine『Cosmic Love』
milet:ボーカル・Florenceを中心としたバンドで、Florenceはイギリス人の女性シンガーです。新しくも聴こえるし、懐かしくも聴こえる音。カントリー感、インディ、ソウルなど、1曲にいろいろな音楽のよさが詰め込まれているのが、このバンドの楽しいところです。混ざりきったジャンル感に負けずに轟くのがFlorenceのボーカルなんです。飾らないけど全てをさらけ出しているようなネイキッドな歌声。彼女の声は体の内側から自然に伸びやかに発生する声に聴こえます。ライブでFlorenceが立っているだけで圧倒されそうになります。歌うときは、身軽に飛んでは寝て回っていて、初めてライブ映像を観たときはビックリしました。彼女がときどき天使や妖精に見える瞬間があるんですよね。声が体を持った何かに見えるというか。一度もなりたいと思ったことがないほど遠くて美しい存在。
・andymori『ベンガルトラとウィスキー』
miletが生のandymoriを観たのは、2014年に日本武道館で行われた解散ライブ。「あんなに泣いたライブはない」と言う。
milet:ずっと前に親友が夏の終わりに夜の代々木公園でandymori『投げKISSをあげるよ』を歌っていたのを聴いて、興味を持ちました。小山田壮平さんの声を聴くと脳みそがジンジンするようなシャウトだけど優しい。私が真っ暗な茨の道のなかにいたとして、他の人が歌う「大丈夫だよ」って言葉は安全なところにいる人が手招きしながら言ってくれるような感じだけど、小山田さんの場合は私の頭のなかに住んでいて一心同体になってくれてると思うときがあるんですよね。そんなボーカリストはなかなかいない。
・Julie London『Blue Moon』
milet:アメリカで活躍したジャズシンガー。といっても、ポップスの要素もあるからすんなりと耳に入ってくる感じですよね。この曲は艶っぽい、でもいたずらで少しアンニュイなJulieの声が、シンプルなバックに映えますよね。「憧れのボーカリスト」というテーマで話して、いろいろな曲を振り返って聴いていたんですけど、久々にJulieを聴いて「うっ!!」ってなりました。昔と聴こえ方が違うのは、私が大人になったからかな。Julieは歌によって手の届かないセクシーな人に思えたり、チャキチャキなカントリーガールに思えたり、歌声からキャラクターがコロコロ変わって生まれるのがすごいと思います。この曲はJulieの息づかいが素敵でドキドキします。吐息で歌えっていう。私が勝手に作ったんだけど、ちょっと名言っぽいでしょ(笑)。たどり着きたいところはここだと思ったんです。Julieみたいにセクシーになりたいって思ったわけじゃなくて、変わらない芯がありながら、いろんな音楽になれる柔軟さや余裕がほしいなって。それってきっと、これから長く歌い続けるためにも、いろんな音楽に自分自身がなっていくためにも必要なことだと思ったんですよね。
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milet(@milet_music )のSONAR'S ROOM 、スタジオライブはこちらから!#jwave #sonar813https://t.co/xuDJTdkAvL pic.twitter.com/xmjWOCoFi5
— SONAR MUSIC (@SONAR_MUSIC_813) August 30, 2019
J-WAVE『SONAR MUSIC』のワンコーナー「SONAR'S ROOM」では、月曜から木曜まで日替わりのアーティストが、今の自分たちの音楽に影響を与えたカルチャーについて語っている。放送は月曜~木曜の22時30分頃から。お楽しみに!
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【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/