7月15日は海の日。岸壁幼魚採集家でフィッシュヒーラーの鈴木香里武さんを招いて、水族館に行きたくなるような、不思議な魚たちの生態について訊きました。
【7月11日(木)J-WAVE『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「ZOJIRUSHI MORNING INSIGHT」】
http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20190711083218(2019年7月18日28時59分まで)
■フィッシュヒーラーって、どんな仕事?
鈴木さんの名前、“香里武(かりぶ)”は本名で、両親がカリブ海に新婚旅行に行ったことにちなんで名付けられたそうです。まずは、気になる“フィッシュヒーラー”というお仕事について伺いました。
鈴木:名乗ってるのはたぶん世界で僕しかいないんですけど、「水族館は癒やしの空間だ」と言われるじゃないですか。それは何でだろうと、科学的に検証してみたいと思いました。魚好きと言っておきながら、大学と大学院では心理学を勉強していたんです。心理学の目線から、魚のどの要素が癒やしなのか。魚はカラーセラピーの色の要素や、「1/fゆらぎ」という要素も持っています。いろいろな癒やし要素を兼ね備えた存在だと思うんです。それを研究した人が誰もいなかったので、今まさに研究途上という感じです。
鈴木さんの著書『海でギリギリ生き残ったらこうなりました。 進化のふしぎがいっぱい!海のいきもの図鑑』も大人気です。魚に興味を抱いたきっかけは両親なのだそうです。
鈴木:両親は暇さえあれば幼少期の僕を海に連れて行ってくれて、漁港で僕を寝かせて、両親は網を持って魚を捕りに行っていたという(笑)。そんな環境で育ったんです。家に水槽もあって、魚のいない生活をしたことがないです。
別所:現在は水族館など、魚の見せ方に関するプロデュースも行っているそうですが?
鈴木:研究テーマのフィッシュヒーリングの観点から、どういう見せ方をすればより見え方が「きれい、可愛い」と感じるのか、お客さんの心に寄り添った展示を考えています。たとえば、館内音楽をプロデュースしたりしていて、ブースごとコンセプトを決めて別の作曲家さんにテーマソングをお願いしました。視覚だけでなく耳からの情報からも魚の魅力を引き立たせたいなと思って、五感に訴える魚の展示を考えています。
別所:もうひとつ「岸壁幼魚採集家」という気になる肩書きがありますね。
鈴木:両親がやっていた、漁港で網を持って上から海面を見て幼魚を採集・観察する活動です。実は幼魚は岸壁にものすごくいるんですけど、みんな身を守るために擬態しているんです。海藻そっくりに擬態していたり、枯れ葉そっくりになって浮かんでたり、様々な方法で見つからないようにしてるので普通は素通りしてしまうんです。でも、一度擬態がわかると漁港がパラダイスと化すんです。「足元にこんなに魚がいるのか」と。
■不思議な生態の魚ランキング
鈴木さんが、不思議な生態の魚トップ3位を紹介しました。
3位:タツノオトシゴ
鈴木:お父さんが子育てをするのは、魚の世界では一般的な話。タツノオトシゴもイクメンです。タツノオトシゴは、お父さんのお腹に子育て用の袋が有袋類のようにあって、そこにお母さんが卵を産み付けて孵化するまでお父さんが守ります。なので、赤ちゃんが生まれる瞬間はお父さんから産まれてくるんです。
2位:ウミガメ
鈴木:魚ではないですけど、ウミガメの性別は何で決まるか知っていますか? 実は、孵化するときの温度なんです。孵化するときの周りの砂が29度よりも高いとメスに、29度より低いとオスになるという決まりがあります。不思議ですよね。親ガメは29度くらいのバランスの場所を探してそこに卵を産むというすごい能力を持っているんです。最近は地球温暖化の影響で、世界中でメスばかり生まれる現象が起きているみたいで、意外と知らないところでそんな影響が出ているんです。
1位:カクレクマノミ
鈴木:映画でも有名になりましたが、成長とともに性別が変わるという、性転換をする生き物です。これも魚の世界ではたくさんある話なんですけど。最初は「無性」というどちらにもなれる状態で産まれます。群れで生活しているのですが、群れの中で一番体が大きな子がお母さんに、2番目に大きな子がお父さんになります。群れの中で最大の2匹がペアになって、他は予備軍のようなカタチになります。何らかの理由でお母さんがいなくなると、2番目に大きかったお父さんがお母さんに性転換します。予備軍の中で一番大きい子がお父さんになります。
最後に鈴木さんは「日本は島国なので、身近なところでびっくりするような生態に触れ合える素晴らしい環境。身近なところにある未知、これが海・魚の魅力です」と語りました。
鈴木さんの紹介した魚は水族館でも見ることができます。この機会に水族館に足を運んでみてはいかがでしょうか。
【この記事の放送回をradikoで聴く(2019年7月18日28時59分まで)】
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【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr
【7月11日(木)J-WAVE『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「ZOJIRUSHI MORNING INSIGHT」】
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■フィッシュヒーラーって、どんな仕事?
鈴木さんの名前、“香里武(かりぶ)”は本名で、両親がカリブ海に新婚旅行に行ったことにちなんで名付けられたそうです。まずは、気になる“フィッシュヒーラー”というお仕事について伺いました。
鈴木:名乗ってるのはたぶん世界で僕しかいないんですけど、「水族館は癒やしの空間だ」と言われるじゃないですか。それは何でだろうと、科学的に検証してみたいと思いました。魚好きと言っておきながら、大学と大学院では心理学を勉強していたんです。心理学の目線から、魚のどの要素が癒やしなのか。魚はカラーセラピーの色の要素や、「1/fゆらぎ」という要素も持っています。いろいろな癒やし要素を兼ね備えた存在だと思うんです。それを研究した人が誰もいなかったので、今まさに研究途上という感じです。
鈴木さんの著書『海でギリギリ生き残ったらこうなりました。 進化のふしぎがいっぱい!海のいきもの図鑑』も大人気です。魚に興味を抱いたきっかけは両親なのだそうです。
鈴木:両親は暇さえあれば幼少期の僕を海に連れて行ってくれて、漁港で僕を寝かせて、両親は網を持って魚を捕りに行っていたという(笑)。そんな環境で育ったんです。家に水槽もあって、魚のいない生活をしたことがないです。
別所:現在は水族館など、魚の見せ方に関するプロデュースも行っているそうですが?
鈴木:研究テーマのフィッシュヒーリングの観点から、どういう見せ方をすればより見え方が「きれい、可愛い」と感じるのか、お客さんの心に寄り添った展示を考えています。たとえば、館内音楽をプロデュースしたりしていて、ブースごとコンセプトを決めて別の作曲家さんにテーマソングをお願いしました。視覚だけでなく耳からの情報からも魚の魅力を引き立たせたいなと思って、五感に訴える魚の展示を考えています。
別所:もうひとつ「岸壁幼魚採集家」という気になる肩書きがありますね。
鈴木:両親がやっていた、漁港で網を持って上から海面を見て幼魚を採集・観察する活動です。実は幼魚は岸壁にものすごくいるんですけど、みんな身を守るために擬態しているんです。海藻そっくりに擬態していたり、枯れ葉そっくりになって浮かんでたり、様々な方法で見つからないようにしてるので普通は素通りしてしまうんです。でも、一度擬態がわかると漁港がパラダイスと化すんです。「足元にこんなに魚がいるのか」と。
■不思議な生態の魚ランキング
鈴木さんが、不思議な生態の魚トップ3位を紹介しました。
3位:タツノオトシゴ
鈴木:お父さんが子育てをするのは、魚の世界では一般的な話。タツノオトシゴもイクメンです。タツノオトシゴは、お父さんのお腹に子育て用の袋が有袋類のようにあって、そこにお母さんが卵を産み付けて孵化するまでお父さんが守ります。なので、赤ちゃんが生まれる瞬間はお父さんから産まれてくるんです。
2位:ウミガメ
鈴木:魚ではないですけど、ウミガメの性別は何で決まるか知っていますか? 実は、孵化するときの温度なんです。孵化するときの周りの砂が29度よりも高いとメスに、29度より低いとオスになるという決まりがあります。不思議ですよね。親ガメは29度くらいのバランスの場所を探してそこに卵を産むというすごい能力を持っているんです。最近は地球温暖化の影響で、世界中でメスばかり生まれる現象が起きているみたいで、意外と知らないところでそんな影響が出ているんです。
1位:カクレクマノミ
鈴木:映画でも有名になりましたが、成長とともに性別が変わるという、性転換をする生き物です。これも魚の世界ではたくさんある話なんですけど。最初は「無性」というどちらにもなれる状態で産まれます。群れで生活しているのですが、群れの中で一番体が大きな子がお母さんに、2番目に大きな子がお父さんになります。群れの中で最大の2匹がペアになって、他は予備軍のようなカタチになります。何らかの理由でお母さんがいなくなると、2番目に大きかったお父さんがお母さんに性転換します。予備軍の中で一番大きい子がお父さんになります。
最後に鈴木さんは「日本は島国なので、身近なところでびっくりするような生態に触れ合える素晴らしい環境。身近なところにある未知、これが海・魚の魅力です」と語りました。
鈴木さんの紹介した魚は水族館でも見ることができます。この機会に水族館に足を運んでみてはいかがでしょうか。
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番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr