今では聞き慣れた言葉になりつつある人工知能(AI)。日々進化し続けるAIは、この先、我々の生活にどのような影響を及ぼしていくのでしょうか。AIの最新事情について、AR三兄弟・川田十夢さんに訊きました。
【6月21日(金)J-WAVE『GOLD RUSH』(ナビゲーター:渡部 建)の「CURIOUSCOPE」】
http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20190621164126
■本当にAI技術を使っているのは4割だけ?
川田さんによると、AIが学会で定義されたのは1950年頃。50年代、60年代にAIが作られ始めた流れが第1次ブームで、80年代に第2次ブームがあり、現在は第3次ブームだと言います。川田さんはAIを「人間の知能を外部化したもの」と解説。
渡部:現在はどういうビジネス・業界で活躍しているんですか?
川田:AIもAR(拡張現実)もなんですけど、「AIを使った投資」とか、言葉だけがひとり歩きするんです。流行ってるので、そういう名前だと響きがいいじゃないですか。でも、この間イギリスの経済誌に出てたんですけど、本当にAI技術を使っているのは4割くらいしかないらしいです。
渡部:「AIを使った投資」のように銘打っていても、ということ?
川田:そうです。僕も技術者なので解析すると「これ、AIじゃないな」っていうのがたまにあるんです。でも6割くらいはちゃんとやっているなという印象ですね。
渡部:4割はインチキ?
川田:インチキとは言わないですけど、“人工知能”とは呼べないですね。
■「スシロー」のAIがすごい
第3次ブームにあたる現在のAIは、ディープラーニングという手法で学習していきます。ディープラーニングには、「教師あり」「教師なし」「強化学習」などの学習方法があります。「教師あり」はビッグデータなどに紐づく学習方法で、その一例として「スシロー」のAIを紹介しました。
川田:「スシロー」のAIがすごくて、みっつの場面で駆使しています。ひとつは、「スシロー」のアプリで予約のシステムがあるんですけど、店舗ごとに何分後に予約できるかのビッグデータを解析した時間の導きを、AIがやってるんです。
渡部:最高ですね。
川田:ふたつめは、季節ごとに人気のある寿司ネタが足りなくなることがあるんですが、それの代替となるメニューを人工知能が考えてるんです。
渡部:それ、聞いたことある!
川田:独自のメニューも作っていて、マグロと牛肉とアボカドを一緒にした、人工知能が考えたメニューがあるんですけど、めちゃくちゃうまいんです。
みっつめは、「今まではよくできた店長にしかできなかったこと」と川田さんは言います。
川田:たとえば、マグロのネタを回転寿司で回します。「どのぐらい回したら人は視覚的に飽きてしまうのか」っていうのが、ビッグデータを解析したら出てくるんです。「マグロは鮮度が大事だからすぐ取らなくなる」とか、「イクラはもうちょっと大丈夫」とか、それを計算して回すネタを選んだりします。
■人間の五感を補完するものとして機能していく
最近のAI事情について、「『人工知能は人間を超えるのか』みたいなところから、より現実的な使い方にフォーカスしてきている」と話す川田さん。現在は五感にまつわるAIに注目していると言います。
川田:たとえば、視覚に関するAIで「LINNÉ LENS(リンネレンズ)」というのがあります。生物学者になったかのような目を手に入れることができるんです。すでにアプリで出ているんですけど、いろんなものにスマホをかざすとあらゆる生物を判別できます。
渡部:おもしろい!
川田:今のところ、使えるのが動物園とか水族館なんですけど、それをどんどんかざして蓄積していくと、生物が体系化していくんです。だから、生物学者の経験をすぐに手に入れることができます。
味覚に関するAIも紹介しました。
川田:味覚センサーも出てきていて、味覚は苦味とか旨味とか五大要素があって、それを判別して、国別にどういうものがおいしいかっていうのを人工知能が強化学習して、次なるおいしいもののレシピを作るとか。人間の五感を補完するものとして機能していくんだろうなと思います。
渡部:我々の生活に身近な感じがしますね。
川田さんは、9月28日(土)と29日(日)に六本木ヒルズで開催される、テクノロジーと音楽のフェス「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2019」に出演します。テクノロジーを掛け合わせたコントにも挑戦するそうなので、ぜひチェックしてみてください!
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:毎週金曜 16時30分-20時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/
【6月21日(金)J-WAVE『GOLD RUSH』(ナビゲーター:渡部 建)の「CURIOUSCOPE」】
http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20190621164126
■本当にAI技術を使っているのは4割だけ?
川田さんによると、AIが学会で定義されたのは1950年頃。50年代、60年代にAIが作られ始めた流れが第1次ブームで、80年代に第2次ブームがあり、現在は第3次ブームだと言います。川田さんはAIを「人間の知能を外部化したもの」と解説。
渡部:現在はどういうビジネス・業界で活躍しているんですか?
川田:AIもAR(拡張現実)もなんですけど、「AIを使った投資」とか、言葉だけがひとり歩きするんです。流行ってるので、そういう名前だと響きがいいじゃないですか。でも、この間イギリスの経済誌に出てたんですけど、本当にAI技術を使っているのは4割くらいしかないらしいです。
渡部:「AIを使った投資」のように銘打っていても、ということ?
川田:そうです。僕も技術者なので解析すると「これ、AIじゃないな」っていうのがたまにあるんです。でも6割くらいはちゃんとやっているなという印象ですね。
渡部:4割はインチキ?
川田:インチキとは言わないですけど、“人工知能”とは呼べないですね。
■「スシロー」のAIがすごい
第3次ブームにあたる現在のAIは、ディープラーニングという手法で学習していきます。ディープラーニングには、「教師あり」「教師なし」「強化学習」などの学習方法があります。「教師あり」はビッグデータなどに紐づく学習方法で、その一例として「スシロー」のAIを紹介しました。
川田:「スシロー」のAIがすごくて、みっつの場面で駆使しています。ひとつは、「スシロー」のアプリで予約のシステムがあるんですけど、店舗ごとに何分後に予約できるかのビッグデータを解析した時間の導きを、AIがやってるんです。
渡部:最高ですね。
川田:ふたつめは、季節ごとに人気のある寿司ネタが足りなくなることがあるんですが、それの代替となるメニューを人工知能が考えてるんです。
渡部:それ、聞いたことある!
川田:独自のメニューも作っていて、マグロと牛肉とアボカドを一緒にした、人工知能が考えたメニューがあるんですけど、めちゃくちゃうまいんです。
みっつめは、「今まではよくできた店長にしかできなかったこと」と川田さんは言います。
川田:たとえば、マグロのネタを回転寿司で回します。「どのぐらい回したら人は視覚的に飽きてしまうのか」っていうのが、ビッグデータを解析したら出てくるんです。「マグロは鮮度が大事だからすぐ取らなくなる」とか、「イクラはもうちょっと大丈夫」とか、それを計算して回すネタを選んだりします。
■人間の五感を補完するものとして機能していく
最近のAI事情について、「『人工知能は人間を超えるのか』みたいなところから、より現実的な使い方にフォーカスしてきている」と話す川田さん。現在は五感にまつわるAIに注目していると言います。
川田:たとえば、視覚に関するAIで「LINNÉ LENS(リンネレンズ)」というのがあります。生物学者になったかのような目を手に入れることができるんです。すでにアプリで出ているんですけど、いろんなものにスマホをかざすとあらゆる生物を判別できます。
渡部:おもしろい!
川田:今のところ、使えるのが動物園とか水族館なんですけど、それをどんどんかざして蓄積していくと、生物が体系化していくんです。だから、生物学者の経験をすぐに手に入れることができます。
味覚に関するAIも紹介しました。
川田:味覚センサーも出てきていて、味覚は苦味とか旨味とか五大要素があって、それを判別して、国別にどういうものがおいしいかっていうのを人工知能が強化学習して、次なるおいしいもののレシピを作るとか。人間の五感を補完するものとして機能していくんだろうなと思います。
渡部:我々の生活に身近な感じがしますね。
川田さんは、9月28日(土)と29日(日)に六本木ヒルズで開催される、テクノロジーと音楽のフェス「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2019」に出演します。テクノロジーを掛け合わせたコントにも挑戦するそうなので、ぜひチェックしてみてください!
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:毎週金曜 16時30分-20時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/