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倦怠感に頭痛…今年は「6月病」に注意! 気になる対策法は?

新生活が始まってからおよそ2ヶ月が経ちました。ゴールデンウィーク明けに心身の不調が現れる5月病は有名ですが、ここ数年は「6月病」という言葉が注目を集めています。6月病の実態と対策について、早稲田大学スポーツ科学学術院の准教授で精神科医の西多昌規さんに訊きました。

【6月19日(水)『STEP ONE』の「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ、増井なぎさ)】
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■キーワードは「湿度」と「低気圧」

6月病を説明する上で、「湿度」が重要なキーワードになります。

西多:5月はカラッと暑いですが、6月は湿度が高い。湿度が高いと、睡眠のときに汗が逃げにくくなります。睡眠は体温が下がることで寝やすくなるため、温度だけでなく湿度も非常に重要です。体から汗を逃がして体温を冷ますと、眠りやすくなります。
増井:ということは、(湿度があると)寝ている間に疲れが取れにくくなるということですか?
西多:そういうことです。

他の症状としては、倦怠感やダルさ、頭痛も。また、うつ病やパニック障害の人が体調を崩す傾向もあるそうです。そして、もうひとつのキーワードとして「低気圧」を挙げます。

西多:最近「気象病」という言葉があるくらい、低気圧と体の不調には関係があります。偏頭痛の人は、低気圧が来ることに敏感だったりします。動物も気圧が低い場所にいると、動きが落ちてしまうという結果もあります。


■6月病になりやすい人の特徴は?

西多さんによると、今年は特に6月病に注意が必要だそう。その理由とは何なのでしょうか。

西多:今年は5月に10連休がありました。その余波が来ているのではないかと思います。なかなか回復しきれていないようです。
サッシャ:10連休をまだ引きずったまま仕事をして6月に入り、調子が完全に戻っていないと?
西多:そういうこともあるのかなと思います。

6月病になりやすい人には、「基本的に考え方が完璧主義」という特徴があると西多さん。このような人が連休を引きずったまま働くと、不調に繋がる可能性があります。

西多:「連休明けでも、蒸し暑くても、具合が悪くても、ちゃんと働かなくてはいけない」と。それが続いているうちはいいですが、無理をすると体が悲鳴をあげてしまいます。
サッシャ:真面目な人ということですね。

さらに西多さんが付け加えたのは、6月には祝日がないということ。考え方が真面目な人は「休みが週末だけ」と思うと気が重くなってしまうこともあるため、休みが少ないことが心理的に影響している可能性も指摘しました。


■6月病の対策は…

そこで西多さんに、6月病にならないための対策を訊きました。湿度や気圧は人の力ではどうすることもできないため、「休みをとること」と「朝の陽を浴びること」とアドバイスしました。

西多:休みをとって、心理的なところから対策していくのが良いかなと思います。祝祭日ゼロ対策ということです。
サッシャ:有休消化をしようということですね。
西多:あとは、梅雨の時期は低気圧ですから日照時間が落ちてしまいます。晴れの日は熱中症にならない程度に、特に朝に明るいところに出ましょう。
サッシャ:朝の陽を浴びるということですね。
西多:うつを和らげるセロトニンという物質と、夜の睡眠の物質であるメラトニンは朝の光でパワーアップします。

他にも、梅雨で運動をする機会が減るところをジムでリフレッシュしたり、スポーツウェアなど吸湿性の高い衣類で快眠を促すことなども対策としてオススメしました。この時期、気分が落ち込みそうになったときは、ぜひ試してみてください。

【この記事の放送回をradikoで聴く(2019年6月25日23時59分まで)】
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/

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