SKY-HIが聞く! 台湾のヒップホップ事情

J-WAVEで放送中の番組『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:玄理)のワンコーナー「IMASIA」。ラッパーのSKY-HIが、ラップミュージックを通じてアジアについてトークします。5月26日(日)のオンエアでは、ヒップホップやR&Bを中心とした音楽情報サイト『bmr』の編集長・丸屋九兵衛さんを迎え、台湾のヒップホップシーンを紹介しました。


■台湾は知られざるヒップホップ大国

SKY-HIが「『台湾』『ヒップホップ』とネットで検索すると、丸屋さんの記事が出てくる」と言うほど台湾のヒップホップ事情に詳しい丸屋さん。そもそも台湾のヒップホップシーンに興味を持ったきっかけはなんだったのでしょう。

丸屋:2007年かな? 台北のナイトマーケットに行ってみたら、そこら中にスリー・6・マフィアのポスターが貼りまくられていて、「なんじゃこりゃ!」と思いました。
SKY-HI:(笑)。
丸屋:スリー・6・マフィアはまだ来日してないのに、「その前に来台しちゃうの?」と思いました。そこから、台湾は知られざるヒップホップ大国なんじゃないかと思い掘っていきました。


■台湾と中国のラッパーが苛烈なヒップホップバトル?

台湾のヒップホップシーンが盛り上がっている例として、街のお弁当屋のおじさんが、とある人気ヒップホップグループのメンバーがソロでリリースしたミックステープをフリーダウンロードして流していることを挙げました。

SKY-HI:アンテナの高いオシャレやユースカルチャーに強い一定の層じゃなくて、国民的に浸透してるということなんですね。中国も韓国もヒップホップが大きなものになってますけど、そんな中でも「特に台湾はすごい」と感じますか?
丸屋:韓国は言語圏として別なんですが、映画は長らく香港だったけど中華圏の音楽産業の中心地ってずっと台湾だったんです。その中でヒップホップがこれだけ人気を得てきたのは大きかったんじゃないかと思います。
SKY-HI:台湾と中国のヒップホップシーンの相互影響はあるんですか?
丸屋:もちろん今では良い影響はあるけど、昔はウルトラビーフ合戦があったんです。
SKY-HI:そうなんですか?

きっかけは、中国と台湾のバスケットボールのチームが対戦した際、中国の選手が台湾の選手にかなり意図的に見える顔面への反則行為を行い乱闘へ発展。それを受けて台南のラッパー・ドワギーが抗議の曲を発表。すると中国側のラッパーがそれに反撃。するとまたそれに台湾のラッパーたちが反撃……という連鎖が起きたそう。

SKY-HI:すごい。国をあげてのビーフ!
丸屋:あれは海峡を挟んでえらいことになりました。
SKY-HI:台湾とか香港とか中国とかって、近いし歴史的にも関わりが密接だからこそ、一緒くたに語るのはものすごく乱暴。風土も文化も違うし、住んでる人たちもそこを一緒にされると「ちょっと」ってみなさんおっしゃいますもんね。

一方で、台湾のラッパー・MCホットドッグが中国でとても高い認知度を誇っている、という現象が起こったりもしているそうです。中国ではMCホットドッグのアルバムは発売されていないはずなのにみんなが知っていて、中国での公演も見事に成功すると言います。

さらに、中国のヒップホップ番組に台湾のラッパーたちがゲストに登場するなど、お互い反発しあいながらも友好的な面もあるという状況のようです。

オンエアでは、今の台湾のヒップホップシーンを象徴するナンバーとして、Barry Chenの『Mercedes Dreaming』をお届けしました。

『ACROSS THE SKY』内の「IMASIA」は、毎週日曜10時40分からオンエア。ぜひお聴きください。

【番組情報】
番組名:『ACROSS THE SKY』
放送日時:毎週日曜 9時-12時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/acrossthesky/

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