J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「ZOJIRUSHI MORNING INSIGHT」。4月24日(水)のオンエアでは、フューチャリストで起業家の小川和也さんを迎え、最新著書や、新しい時代の変化や幸せの定義について語りました。
■企業から個人へ主体が戻る時代
毎週日曜21時からJ-WAVEで放送中の『TOPPAN FUTURISM』のナビゲーターとしてもお馴染みの小川さん。北海道大学では客員教授として、人工知能の研究にも携わっています。
まずは時代の変化について、直近のニュースにもなった経団連・中西宏明さんの発言「終身雇用を経済界は守れない」という言葉から解説してもらいました。
小川:この言葉は、若い人は言われなくてもわかっていると思うんです。これは企業から個人への大政奉還だと思ってまして、今までは個人が組織とか社会に身を委ねているケースが多かったですが、これが自分で自分をプロデュースする“個人”に主体を戻したということで、僕は前向きに捉えています。
別所:長い間、高度成長期、終身雇用の時代だったわけで、なかなか制度や仕組みを変えるのは難しいでしょうね。
小川:変化とともに変えていく柔軟性が必要なんだと思いますね。
現在最も進化のスピードが速い分野について訊くと、小川さんは通信技術を挙げました。
小川:ほとんどのことがスマホで済んでしまう。平成における象徴的な変化だったと思います。1980年代までは通信とは通話の世界だったわけですが、これが次の5G通信になると遠隔医療や自動運転など、次の技術が一気に進化することが期待できます。
別所:逆に進化が鈍化しているものは?
小川:貨幣ですよね。貝や穀物の代替として硬貨の起源は紀元前なんですよ。今キャッシュレス化を推進していますけど、まだお金やお札を使っていることを滑稽に感じることがあります。いずれはなくなると思います。紙幣はコレクションとかアートになるんじゃないでしょうか。
■完璧さは人工知能に任せて…“人間”に求められるもの
後半は、小川さんが先日出版した新著『未来のためのあたたかい思考法』について訊きました。この本では、急速なテクノロジーの進化のなかでの生き方のヒントを示しています。まずタイトルに「あたたかい」という言葉を盛り込んだ理由を伺いました。
小川:テクノロジー社会になって便利じゃないですか。そうすると「あたたかさ」がないがしろになることは、反省もふくめ思っていまして。「あたたかさ」には、いろいろな意味があると思います。「人間らしさ」「やさしさ」「思いやり」など。だた僕は「生臭さ」がこれから求められるのではないかと思っていて、人工知能は完璧さを追求し、そこは(人工知能)任せて、これからはバグ=人間の生臭さとか不出来なところを楽しむ贅沢な時代になっていくのかなと思います。
小川さんは現代社会の息苦しさ、失敗が許されないことが、現代の課題だといいます。その部分をテクノロジーが補うことで、「これからはバグを楽しみながら人間の幸せを追求していく時代になっていく」と予想していました。さらに17世紀のアダム・スミスの記述から、幸せのヒントと現代との共通点を見出したといいます。
小川:根底にあるのは、心を平静に保つことが幸せにつながるということなんです。新しい技術は我々の胸をときめかせてくれますが、一喜一憂しやすいです。振り回されやすいので、心を平静に保つことが大事だし、それは当時と今を比較しても変わらない我々の基本姿勢だと思います。
そしてこれからの「令和」の時代については、「技術の進化で生活や仕事が一変する時代」と予想。車は自動化し、タクシーが空を飛ぶなど、ドラえもんのような未来が来ます。胸はときめきますが、そんなときこそ自分たちは本当に幸せなのか、立ち返って考える必要があるといいます。
小川:今までは幸せを一つの価値観の定義にしがちだったと思うんです、これからは一人ひとりの幸せの定義があるべきだと僕は思っていて、全部別でいいのかなと思います。「こうあるべきだ」というのは古いと思います。
別所:それを排除しない、受け入れるコミュニティでなければいけないですよね。
令和をよい時代にするためには、一人ひとりが立ち止まって考える必要があると言えそうです。
【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr
■企業から個人へ主体が戻る時代
毎週日曜21時からJ-WAVEで放送中の『TOPPAN FUTURISM』のナビゲーターとしてもお馴染みの小川さん。北海道大学では客員教授として、人工知能の研究にも携わっています。
まずは時代の変化について、直近のニュースにもなった経団連・中西宏明さんの発言「終身雇用を経済界は守れない」という言葉から解説してもらいました。
小川:この言葉は、若い人は言われなくてもわかっていると思うんです。これは企業から個人への大政奉還だと思ってまして、今までは個人が組織とか社会に身を委ねているケースが多かったですが、これが自分で自分をプロデュースする“個人”に主体を戻したということで、僕は前向きに捉えています。
別所:長い間、高度成長期、終身雇用の時代だったわけで、なかなか制度や仕組みを変えるのは難しいでしょうね。
小川:変化とともに変えていく柔軟性が必要なんだと思いますね。
現在最も進化のスピードが速い分野について訊くと、小川さんは通信技術を挙げました。
小川:ほとんどのことがスマホで済んでしまう。平成における象徴的な変化だったと思います。1980年代までは通信とは通話の世界だったわけですが、これが次の5G通信になると遠隔医療や自動運転など、次の技術が一気に進化することが期待できます。
別所:逆に進化が鈍化しているものは?
小川:貨幣ですよね。貝や穀物の代替として硬貨の起源は紀元前なんですよ。今キャッシュレス化を推進していますけど、まだお金やお札を使っていることを滑稽に感じることがあります。いずれはなくなると思います。紙幣はコレクションとかアートになるんじゃないでしょうか。
■完璧さは人工知能に任せて…“人間”に求められるもの
後半は、小川さんが先日出版した新著『未来のためのあたたかい思考法』について訊きました。この本では、急速なテクノロジーの進化のなかでの生き方のヒントを示しています。まずタイトルに「あたたかい」という言葉を盛り込んだ理由を伺いました。
小川:テクノロジー社会になって便利じゃないですか。そうすると「あたたかさ」がないがしろになることは、反省もふくめ思っていまして。「あたたかさ」には、いろいろな意味があると思います。「人間らしさ」「やさしさ」「思いやり」など。だた僕は「生臭さ」がこれから求められるのではないかと思っていて、人工知能は完璧さを追求し、そこは(人工知能)任せて、これからはバグ=人間の生臭さとか不出来なところを楽しむ贅沢な時代になっていくのかなと思います。
小川さんは現代社会の息苦しさ、失敗が許されないことが、現代の課題だといいます。その部分をテクノロジーが補うことで、「これからはバグを楽しみながら人間の幸せを追求していく時代になっていく」と予想していました。さらに17世紀のアダム・スミスの記述から、幸せのヒントと現代との共通点を見出したといいます。
小川:根底にあるのは、心を平静に保つことが幸せにつながるということなんです。新しい技術は我々の胸をときめかせてくれますが、一喜一憂しやすいです。振り回されやすいので、心を平静に保つことが大事だし、それは当時と今を比較しても変わらない我々の基本姿勢だと思います。
そしてこれからの「令和」の時代については、「技術の進化で生活や仕事が一変する時代」と予想。車は自動化し、タクシーが空を飛ぶなど、ドラえもんのような未来が来ます。胸はときめきますが、そんなときこそ自分たちは本当に幸せなのか、立ち返って考える必要があるといいます。
小川:今までは幸せを一つの価値観の定義にしがちだったと思うんです、これからは一人ひとりの幸せの定義があるべきだと僕は思っていて、全部別でいいのかなと思います。「こうあるべきだ」というのは古いと思います。
別所:それを排除しない、受け入れるコミュニティでなければいけないですよね。
令和をよい時代にするためには、一人ひとりが立ち止まって考える必要があると言えそうです。
【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr