J-WAVEの新番組『CHINTAI COLORS OF WONDER』(ナビゲーター:堀口ミイナ)。カラフルな東京の今をキャッチするこの番組。4月14日(日)のオンエアでは、進化する高架下の活用法に注目しました。
今、高架下が進化しています。2016年には中目黒高架下がオープン。高架橋をひとつの屋根と捉え、連続する軒先で、時間、空間、想いの共有を自然発生することを目的に開発されました。個性豊かなショップなど、ギャラリーのように彩られた一角は、街全体を巻き込んだムーブメントになっています。そのほかにも、イベントパーク、保育施設、地域のクリエイターのハブとなる施設など、さまざまな形で利用が広がっています。
■大田区に「梅森プラットフォーム」オープン
高架下の歴史が始まったのは1910年。JR東日本・有楽町駅から新橋駅をつなぐ高架線が完成しました。ガード下に飲食店を構える概念は、当時存在していなかったそうです。そこに「お食事処 いわさき」の初代店主が24時間営業のおでん屋さんを開業したことで、ガード下飲食店の歴史が始まりました。
まずは、高架下文化の始まりの地、有楽町のガード下にある居酒屋「新日の基」を訪れました。サラリーマンや地元の方のほか、海外からのお客さんも多いそうです。店内は電車の音なども聞こえますが、お客さんには「うるさい方が気にせず話すことができてよい」と好評です。
4月に京急線・大森町駅から梅屋敷駅間の高架下にオープンした「梅森プラットフォーム」。地元大田区のクリエイターの想像力と町工場の技術力が出会う、新たな活動拠点となろうとしています。オシャレなカフェやパン屋、コワーキングできるインキュベーション施設、町工場の技術が発揮できる工房などが合わさった構成になっています。大田区といえば、ものづくりのイメージが盛んなエリアですが、京急電鉄の担当者にお話を訊きました。
担当者:ブルックリンみたいな感じになると面白いと思っています。クラフトビールのブルックリンブルワリーがあったり、アーティストがブルックリンに流れていたり。そういう郊外型のカルチャースポットになっていくイメージです。町工場の職人の技術を残すことだけではなく、もっと面白くしていこうとを考えることで大田区全体のものづくりが多様化して、街づくりに繋がったらいいなと思います。
入居テナントのひとつで、新しいビジネスをサポートするインキュベーション施設「KOCA」の担当者は「昔と違って、生き方や暮らし方が変わってきている」と話します。
担当者:都心のど真ん中にいて高いコストを払って生活するよりも、ちょっと離れたところで満員電車に揺られずに、自分でものづくりをして売る。といったように暮らし方が変わってきています。
掘口:都心で大きな会社で働くよりも、地元で豊かな生活を送るという憧れにシフトしてきているのを感じます。どっちがいいかはわからないですけど。
担当者:人それぞれですよね。その選択肢があるのが豊かな社会だと思います。
■現在は第三の波
東京の高架下事情について、建築史、都市開発研究家の小林一郎さんに訊きました。小林さんによると、前述の「お食事処 いわさき」は戦前の新聞記者のたまり場だったそうです。
小林:有楽町の駅前に新聞社が集まっていたんです。戦後は「日の基」が初めての宿泊施設となりました。そのほか、英会話スクールや赤提灯の店ができたのが戦後第一次の波です。
堀口:なるほど。
小林:第二の波は高度経済成長。「消費は美徳」と言われた頃です。「物は長く使うよりも新しいものを買え」と言われていました。その頃には、高架下にスーパーマーケットもできました。現在は第三の波です。
堀口:今、新たな利用がされているのはなぜですか?
小林:阪神・淡路大震災をきっかけに、耐震補強をするため一度お店に退いてもらったんです。借地は2、30年のスパンなんですけど、今は切り替えの時期で、皆さんが「磨くと宝の山だ」ということに気付き、新しい企画が次々と提案されているというところです。
最後に小林さんはこれからの高架下事情について、「過ごし方、暮らし方が最近のトレンドなので、ライフスタイルを提案したものが出てくると思います」と話しました。
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【番組情報】
番組名:『CHINTAI COLORS OF WONDER』
放送日時:日曜 12時-12時54時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/colorswonder/
今、高架下が進化しています。2016年には中目黒高架下がオープン。高架橋をひとつの屋根と捉え、連続する軒先で、時間、空間、想いの共有を自然発生することを目的に開発されました。個性豊かなショップなど、ギャラリーのように彩られた一角は、街全体を巻き込んだムーブメントになっています。そのほかにも、イベントパーク、保育施設、地域のクリエイターのハブとなる施設など、さまざまな形で利用が広がっています。
■大田区に「梅森プラットフォーム」オープン
高架下の歴史が始まったのは1910年。JR東日本・有楽町駅から新橋駅をつなぐ高架線が完成しました。ガード下に飲食店を構える概念は、当時存在していなかったそうです。そこに「お食事処 いわさき」の初代店主が24時間営業のおでん屋さんを開業したことで、ガード下飲食店の歴史が始まりました。
まずは、高架下文化の始まりの地、有楽町のガード下にある居酒屋「新日の基」を訪れました。サラリーマンや地元の方のほか、海外からのお客さんも多いそうです。店内は電車の音なども聞こえますが、お客さんには「うるさい方が気にせず話すことができてよい」と好評です。
4月に京急線・大森町駅から梅屋敷駅間の高架下にオープンした「梅森プラットフォーム」。地元大田区のクリエイターの想像力と町工場の技術力が出会う、新たな活動拠点となろうとしています。オシャレなカフェやパン屋、コワーキングできるインキュベーション施設、町工場の技術が発揮できる工房などが合わさった構成になっています。大田区といえば、ものづくりのイメージが盛んなエリアですが、京急電鉄の担当者にお話を訊きました。
担当者:ブルックリンみたいな感じになると面白いと思っています。クラフトビールのブルックリンブルワリーがあったり、アーティストがブルックリンに流れていたり。そういう郊外型のカルチャースポットになっていくイメージです。町工場の職人の技術を残すことだけではなく、もっと面白くしていこうとを考えることで大田区全体のものづくりが多様化して、街づくりに繋がったらいいなと思います。
入居テナントのひとつで、新しいビジネスをサポートするインキュベーション施設「KOCA」の担当者は「昔と違って、生き方や暮らし方が変わってきている」と話します。
担当者:都心のど真ん中にいて高いコストを払って生活するよりも、ちょっと離れたところで満員電車に揺られずに、自分でものづくりをして売る。といったように暮らし方が変わってきています。
掘口:都心で大きな会社で働くよりも、地元で豊かな生活を送るという憧れにシフトしてきているのを感じます。どっちがいいかはわからないですけど。
担当者:人それぞれですよね。その選択肢があるのが豊かな社会だと思います。
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■現在は第三の波
東京の高架下事情について、建築史、都市開発研究家の小林一郎さんに訊きました。小林さんによると、前述の「お食事処 いわさき」は戦前の新聞記者のたまり場だったそうです。
小林:有楽町の駅前に新聞社が集まっていたんです。戦後は「日の基」が初めての宿泊施設となりました。そのほか、英会話スクールや赤提灯の店ができたのが戦後第一次の波です。
堀口:なるほど。
小林:第二の波は高度経済成長。「消費は美徳」と言われた頃です。「物は長く使うよりも新しいものを買え」と言われていました。その頃には、高架下にスーパーマーケットもできました。現在は第三の波です。
堀口:今、新たな利用がされているのはなぜですか?
小林:阪神・淡路大震災をきっかけに、耐震補強をするため一度お店に退いてもらったんです。借地は2、30年のスパンなんですけど、今は切り替えの時期で、皆さんが「磨くと宝の山だ」ということに気付き、新しい企画が次々と提案されているというところです。
最後に小林さんはこれからの高架下事情について、「過ごし方、暮らし方が最近のトレンドなので、ライフスタイルを提案したものが出てくると思います」と話しました。
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【番組情報】
番組名:『CHINTAI COLORS OF WONDER』
放送日時:日曜 12時-12時54時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/colorswonder/