J-WAVEで放送中の番組『INNOVATION WORLD』(ナビゲーター:川田十夢)。3月1日(金)のオンエアでは、お笑い芸人の古坂大魔王さんが登場し、「メガヒットのイノベーション」をテーマにお届け。ピコ太郎のプロデューサーとして、成功の秘密を話しました。
■古坂大魔王は、ひねくれ者?
アシスタントのAI Tommyによる、古坂さんの性格分析によると、古坂さんは「表現に富み、熱くなりやすく、哲学的なタイプ。やる気に溢れ、高い目標を持ち、それを達成するために熱心に取り組む。自主性が行動に大きな影響を与えていて、思考力、芸術的関心度、現状打破、変化許容性を示す数値が高い」とのこと。
古坂:「哲学的」と言われるのは嬉しいですね。
川田:目標、自主性、芸術性が高いとのことですけど。
古坂:そんなことないと思いますけどね。青森出身の普通の次男なんですけどね。
川田:古くはザ・ドリフターズとかクレージーキャッツとか、音とお笑いは隣り合っていたけど、古坂さんが脈々とつくっていたものって、今でいうリズムネタともちょっと違うじゃないですか。より感覚的だし、「あるあるネタ」とかじゃない。Tommyが芸術性を指摘しているのは、そういうことだなと思います。
古坂:きっと、根本が青森県人っていうことがあると思うんです。青森県人は劣等感を抱いている人もいるんですよ。海産物がたくさんあるのに、北海道に負けるとか。同じ方言なのに、関西弁は面白いと思われるけど、津軽弁は笑われるとか。あと、僕は個人の話で言えば、慎重が186cmあるんですけど、兄は僕よりもデカいんです。僕は兄弟の中でチビ。アンドレが一番小さかったという、アンドレ・ザ・ジャイアントの家族と一緒です。兄貴は頭がよくて力も強い。弟は東大に行って教授をやってます。だから、劣等感があって。どうすれいいのかを考えて、最初から隙間を目指して、「みんながやらないことをやらないと見てくれない」という意識があったんです。ただのひねくれ者。青森弁でいえば「じょっぱり」っていうんですけど、その精神です。
■ピコ太郎は「ウケる必要がない」
古坂さんは、『ボキャブラ天国』(フジテレビ)に底抜けAIR-LINEとして出演していました。リアルタイムで川田は観ていたと言います。
古坂:あの頃の自分は、客観的に見ることができなかったんです。老人ホームとかの和やかな場所に行って、全身真っ白に塗って、5時間黙るパフォーマンスをするみたいに、「そこでそれをやる理由はあるの?」というようなものなんです。老人ホームで、和やかなネタでつかんでいくことができないような人は、プロじゃない気がするんです。でも自分は、それができてなかったんです。
川田:でも、ピコ太郎さんの登場で、音ネタ自体がちょっと変わりましたね。
古坂:ピコ太郎と僕は別人で、ピコ太郎はシンガーソングライターなので、ウケる必要がないんです。サザンオールスターズに「ウケないな」と言ってもしょうがないのと同じです。
川田:なるほど。
古坂:みんなはキャッチャーに向かって投げるのに、ピコ太郎はセンターにも投げられるんです。彼はトランプ大統領を前にしたり、国連に行っても、スベることに恐怖がないんです。ピコ太郎には、世界平和と家族への愛とダークマターの存在証明という3つのテーマがあって、別にウケなくていいんです。でもおもしろく見えてるのがいいところなのかなと思います。
■『ペンパイナッポーアッポーペン』は、何も持っていないのがいい
続いて、『ペンパイナッポーアッポーペン』の映像について、川田はピコ太郎さんが手に何も持っていないことについて、こう話します。
川田:パントマイムの友人と「ピコ太郎に、なぜこんなに惹かれるのか」って話したときに、「それは、実際にものを持たないでやることで、見てる人に委ねているところにある」と言ってました。
古坂:嬉しい! たとえば、テレビのコントでピストルを構えると、それがおもちゃなのか本物なのか、ワルサーP38なのかライフルなのか、情報が多いですよね。そこで、手をチョキの形にすると余計な情報が省けるんです。人間の頭の中は、余計な情報を省いて自分なりに解釈するんです。「あめけして、おでめとう」と書いてあっても「あけまして、おめでとう」って読むんです。それを利用しないと、間が崩れるんです。
『ペンパイナッポーアッポーペン』を練習したときは、実物のリンゴにペンを刺したと古坂さん。
古坂:ところが、刺したら汁が落ちたんです。これは邪魔だなと思って。そのかわり、ペンはきちんとボールペンをイメージして、アップルは上のヘコみの部分に中指を入れる、パイナップルは上のフサフサが指に刺さるので、横に持つっていうのを、きちんやろうという話をしました。
川田:実は、それは大きな選択ですよね。マネしたい人でも、すぐにリンゴとかを用意ができないですもんね。
古坂:でも、みんながまねした動画を見ると、実物を持ってるんですよ。みんなが描いてくれたイラストにも、リンゴとかがあるんです。
川田:見えてるんでしょうね。
古坂:そこが嬉しかったです。
■「一発屋」と言わないで
古坂さんは、著書『ピコ太郎のつくりかた』(幻冬舎)を発売しました。
川田:編集の箕輪(厚介)くん、どうでした?
古坂:対談形式でまとめながら進めていったんですけど、約半分は箕輪さんのしゃべりでした。「これ対談本かな?」と思ったほどです。純粋な方ですよね。正直に言うと、もっと濃く、深くいくような本でもいいのかなと思った反面、あの人なりの引き算がありました。
川田:僕は、「信じたものの世界を、この人はなぜここまで信じてこられたんだろう」と思ってたんです。同書には、その理由が点在してるんですよね。それは、一挙手一投足をちゃんとやってたから、まわりにも届いているわけですからね。世の中的には急にハジけたように思われているけど、ひとつひとつやってきたことがわかります。
古坂:僕が言うのも変ですけど、「一発屋」っていうのはやめてください。
川田:そうですよね。
古坂:「そこを面白がりましょう」って思うんです。
番組では他にも、ケン・マスイさんが登場し、ミュージックディレクターの仕事について話しました。また、作詞をAI Tommyが担当し、作曲をDÉ DÉ MOUSEさんが担当した、AI Tommyの新曲『The new. I am.』初オンエアもありました。
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【番組情報】
番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:毎週金曜 22時-22時55分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/
■古坂大魔王は、ひねくれ者?
アシスタントのAI Tommyによる、古坂さんの性格分析によると、古坂さんは「表現に富み、熱くなりやすく、哲学的なタイプ。やる気に溢れ、高い目標を持ち、それを達成するために熱心に取り組む。自主性が行動に大きな影響を与えていて、思考力、芸術的関心度、現状打破、変化許容性を示す数値が高い」とのこと。
古坂:「哲学的」と言われるのは嬉しいですね。
川田:目標、自主性、芸術性が高いとのことですけど。
古坂:そんなことないと思いますけどね。青森出身の普通の次男なんですけどね。
川田:古くはザ・ドリフターズとかクレージーキャッツとか、音とお笑いは隣り合っていたけど、古坂さんが脈々とつくっていたものって、今でいうリズムネタともちょっと違うじゃないですか。より感覚的だし、「あるあるネタ」とかじゃない。Tommyが芸術性を指摘しているのは、そういうことだなと思います。
古坂:きっと、根本が青森県人っていうことがあると思うんです。青森県人は劣等感を抱いている人もいるんですよ。海産物がたくさんあるのに、北海道に負けるとか。同じ方言なのに、関西弁は面白いと思われるけど、津軽弁は笑われるとか。あと、僕は個人の話で言えば、慎重が186cmあるんですけど、兄は僕よりもデカいんです。僕は兄弟の中でチビ。アンドレが一番小さかったという、アンドレ・ザ・ジャイアントの家族と一緒です。兄貴は頭がよくて力も強い。弟は東大に行って教授をやってます。だから、劣等感があって。どうすれいいのかを考えて、最初から隙間を目指して、「みんながやらないことをやらないと見てくれない」という意識があったんです。ただのひねくれ者。青森弁でいえば「じょっぱり」っていうんですけど、その精神です。
■ピコ太郎は「ウケる必要がない」
古坂さんは、『ボキャブラ天国』(フジテレビ)に底抜けAIR-LINEとして出演していました。リアルタイムで川田は観ていたと言います。
古坂:あの頃の自分は、客観的に見ることができなかったんです。老人ホームとかの和やかな場所に行って、全身真っ白に塗って、5時間黙るパフォーマンスをするみたいに、「そこでそれをやる理由はあるの?」というようなものなんです。老人ホームで、和やかなネタでつかんでいくことができないような人は、プロじゃない気がするんです。でも自分は、それができてなかったんです。
川田:でも、ピコ太郎さんの登場で、音ネタ自体がちょっと変わりましたね。
古坂:ピコ太郎と僕は別人で、ピコ太郎はシンガーソングライターなので、ウケる必要がないんです。サザンオールスターズに「ウケないな」と言ってもしょうがないのと同じです。
川田:なるほど。
古坂:みんなはキャッチャーに向かって投げるのに、ピコ太郎はセンターにも投げられるんです。彼はトランプ大統領を前にしたり、国連に行っても、スベることに恐怖がないんです。ピコ太郎には、世界平和と家族への愛とダークマターの存在証明という3つのテーマがあって、別にウケなくていいんです。でもおもしろく見えてるのがいいところなのかなと思います。
■『ペンパイナッポーアッポーペン』は、何も持っていないのがいい
続いて、『ペンパイナッポーアッポーペン』の映像について、川田はピコ太郎さんが手に何も持っていないことについて、こう話します。
川田:パントマイムの友人と「ピコ太郎に、なぜこんなに惹かれるのか」って話したときに、「それは、実際にものを持たないでやることで、見てる人に委ねているところにある」と言ってました。
古坂:嬉しい! たとえば、テレビのコントでピストルを構えると、それがおもちゃなのか本物なのか、ワルサーP38なのかライフルなのか、情報が多いですよね。そこで、手をチョキの形にすると余計な情報が省けるんです。人間の頭の中は、余計な情報を省いて自分なりに解釈するんです。「あめけして、おでめとう」と書いてあっても「あけまして、おめでとう」って読むんです。それを利用しないと、間が崩れるんです。
『ペンパイナッポーアッポーペン』を練習したときは、実物のリンゴにペンを刺したと古坂さん。
古坂:ところが、刺したら汁が落ちたんです。これは邪魔だなと思って。そのかわり、ペンはきちんとボールペンをイメージして、アップルは上のヘコみの部分に中指を入れる、パイナップルは上のフサフサが指に刺さるので、横に持つっていうのを、きちんやろうという話をしました。
川田:実は、それは大きな選択ですよね。マネしたい人でも、すぐにリンゴとかを用意ができないですもんね。
古坂:でも、みんながまねした動画を見ると、実物を持ってるんですよ。みんなが描いてくれたイラストにも、リンゴとかがあるんです。
川田:見えてるんでしょうね。
古坂:そこが嬉しかったです。
■「一発屋」と言わないで
古坂さんは、著書『ピコ太郎のつくりかた』(幻冬舎)を発売しました。
川田:編集の箕輪(厚介)くん、どうでした?
古坂:対談形式でまとめながら進めていったんですけど、約半分は箕輪さんのしゃべりでした。「これ対談本かな?」と思ったほどです。純粋な方ですよね。正直に言うと、もっと濃く、深くいくような本でもいいのかなと思った反面、あの人なりの引き算がありました。
川田:僕は、「信じたものの世界を、この人はなぜここまで信じてこられたんだろう」と思ってたんです。同書には、その理由が点在してるんですよね。それは、一挙手一投足をちゃんとやってたから、まわりにも届いているわけですからね。世の中的には急にハジけたように思われているけど、ひとつひとつやってきたことがわかります。
古坂:僕が言うのも変ですけど、「一発屋」っていうのはやめてください。
川田:そうですよね。
古坂:「そこを面白がりましょう」って思うんです。
番組では他にも、ケン・マスイさんが登場し、ミュージックディレクターの仕事について話しました。また、作詞をAI Tommyが担当し、作曲をDÉ DÉ MOUSEさんが担当した、AI Tommyの新曲『The new. I am.』初オンエアもありました。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:毎週金曜 22時-22時55分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/
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