元日本代表・前園真聖が「サッカー 世界の戦術の今」を解説!

J-WAVEで放送中の『ATHLETE HIGH』(ナビゲーター:武井 壮)。1月21日(月)のオンエアでは、元サッカー日本代表、現サッカー解説者の前園真聖さんをゲストにお迎えし、「サッカー 世界の戦術の今」をテーマに語り合いました。


■なぜ外国人監督を呼ぶの?

外国人監督が当たり前になっていますが、前園さんは「日本人がいいと思っていた」と話します。

前園:今回、西野 朗さんがいい結果を出したことで、日本人監督もいいというムードになって、それはすごくよかったと思います。僕は以前から日本人監督がいいと言っていました。世界の強豪国はだいたい自国の監督を起用しているんです。外国人監督の場合でも、英語で選手と直接コミュニケーションを取れます。でも日本の場合は、間に通訳を入れなければならないため、戦術に入る前にそれがひとつ問題だったんです。
武井:よくサッカーファンが「日本の戦術は遅れてるから、世界の最先端の戦術をやらなきゃ勝てないんだよ」みたいなことを言うわけ。「だからこの監督を呼べ」って言うんだけど、でもその監督を呼んだらさ、その監督でやってたチームは先にその戦術をやってるんだから、けっきょく後追いになるわけじゃん。
前園:そうですね。
武井:だったら、日本独自の戦法を生み出すとかしないと、後発的に真似をしてもうまくいくわけないじゃん。これはどうなってるの?
前園:日本としては、世界での経験や実績がある監督を呼ぶことで、海外のよさを日本のチームに落とし込みたいんです。でも、日本人の細かい性格とか文化を知っている日本人の監督がいいと僕は思っています。

■戦術の主流は優勝チームが作る?

では、戦術はどのようにして生まれるのでしょうか。

武井:たとえば、各リーグのどこかのチームが生み出したものが世界の主流になっていくのか、どこかの国の監督が代表に向けて作ったものが主流になっていくのか。それとも「リーガ・エスパニョーラ(ラ・リーガ)ではこういうサッカーがすごい!」みたいな感じなのか。何が起源で、サッカーの戦術が生まれているの?
前園:基本的には、監督が持つ戦術のスタイルを、チームに落とし込んで、チームとして作りあげていきます。南アフリカで開催された「2010 FIFAワールドカップ」で優勝したのはスペインだったんですよ。このときは、ボールを繋ぐ、ボールを失わない「ポゼッションサッカー」が世界を獲ったから、これが主流になったんです。

優勝に導いた戦術に対抗するため、新たな戦術が生み出されていきます。ポゼッションサッカーは4年間続きましたが、2014年のブラジル大会でスペインが敗退。現在は、ボールを奪ったらすぐに攻撃する「ショートカウンター」に変わってきたそうです。


■森保 一はどんな監督?

「監督には、大きく分けると2パターンある」と前園さん。ひとつは自分の戦術に選手を当てはめるパターン。もうひとつは選手の能力を引き出すために戦術を決めるパターン。西野さんは後者で、「おそらく現監督・森保 一監督も同じところがある」と言います。

前園:選手のよさを考えながら当てはめていく。そういう意味では、今の選手たちに合っている戦術とかシステムなのかなと思います。でもすごく難しいのは、アジアカップと世界ではまた違うんですよ。
武井:相手によるってこと? どうしたらいいの?
前園: 11人からキーパーを除いて、フォワードをひとり残したとしても、フィールドを9人が、ずっとうしろに下がって、引いて守るっていう戦い方をする国はないです。でも、アジアはほとんどそう。
武井:アジアは引いて守るんだ。
前園:それは、力関係で日本が上だからです。引いて守ってカウンターっていうこと。だから日本は、世界との戦術を変えないといけないんです。

森保監督は「とにかくゴールを目指して無駄な横パスを減らし、ボールを持ったら縦へ」という戦術をとっていると前園さん。「真ん中はスペースがあまりないけどサイドはスペースがある。このサイドを起点に攻撃するのがポイント」と解説しました。

番組では他にも、歴代日本代表の中で「この選手はすごい!」と前園さんが絶賛する長谷部誠選手について語りました。サッカーをもっと楽しむため、ぜひradikoで聴いてみてください。

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【番組情報】
番組名:『ATHLETE HIGH』
放送日時:毎週月曜 26時30分-27時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/athlete/

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