いま注目のGhost like girlfriend、新作はIKKO「どんだけ~」からインスパイアされて!?

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。1月17日(木)のオンエアは、いきものがかりの水野良樹とのコンビでお届けしました。

日替わりナビゲーターがお送りするコーナー「DAILY SESSIONS」。この日は、水野による不定期対談企画第17弾として、Ghost like girlfriendの岡林健勝さんと対談しました。


■弾き語りから一転のソロプロジェクト

岡林さんは現在24歳。水野よりひとまわり年下ですが、「非常に落ち着いていて理性的な方」と話しました。Ghost like girlfriendは、そんな岡林さんによるソロプロジェクトです。

水野:ご自身の名前で活動していたこともあるんですか?
岡林:はい。4年ほど活動していたので、そっちのほうが長いくらいです。
水野:型を作ったのはなぜ?
岡林:4年間ずっとライブ活動をライブハウスとかでやりながら、自分の曲を届けていました。一方で、自分の曲にすごく自信はあるけど、「それをライブで届けきれてないんじゃないか」とか、自分の実力不足だったり容姿だったりが、曲を邪魔している感覚があったんです。そこで、“仕切り直し”というか、名前も顔もいったん捨てて、Ghost like girlfriendで活動し始めました。弾き語りでやっていた最後の1年は、曲を聴いてほしいし、届けたいという気持ちが特に強くて……。
水野:弾き語りでやってたんですか。
岡林:ずっとギター1本で。
水野:今のサウンドと全然違うじゃないですか。
岡林:そうですね。そういうこともあったので、ライブとなると自分の頭の中で鳴っている音とか、こうしたいという表現がけっこう難しかったので、それもあって仕切り直しをしました。
水野:Ghost like girlfriendのほうが、自由度が高まるというか、単体の演奏の限界にこだわらなくてもできるということですか?
岡林:そうです。なんでもありだし、バンドではないので、いずれいろいろな人を呼んだりもできるようになったらいいなと思いながら、ひとりでやらせていただいています。


■名前を変えたら、なんでもできる

水野:変な質問ですけど、ご自身をどういうふうに思ってますか? “ソングライター”、“パフォーマー”、“シンガー”、もしくは総合的なものなのでしょうか。
岡林:どれも好きなんですけど、クリエイター気質というか、歌うとかライブをするよりも、最も重要視しているのは曲を作ることなんです。アレンジとかも、1割から2割とか、ゼロから引き出せないときはだるいんですけど、それが開けてきたときが楽しかったりします。曲を作って聴いてもらうまでにいろいろなピークがあるので、そういった意味でも一番楽しめてるのかなと思います。
水野:アルバムを聴いて感じたのは、どこかに出発点があるというよりも、たとえば、曲先とか詞先とか、どこが起点なのかが、いい意味でわからない。総合的に見えてないとできない曲なんじゃないかと思います。曲を作っているときにまず何が浮かんでるのでしょうか。
岡林:出発点は必ずといっていいほどメロディーから入ります。メロディーからアレンジが浮かんで、それを聴いて「言いたかったことの中で、これが一番あてはまるかな」と思う曲にあてがっていく作り方が主流になりました。
水野:名前をGhost like girlfriendに変えてから変わったんですか。
岡林:そうです。Ghost like girlfriendの名前を使う1年ほど前から始めたばかりだったので、それがようやく体になじんできました。
水野:戦う球場が広くなった感じですね。
岡林:やりたいことがたくさんできました。「なんでもできるな」って。


■パンチのある曲を作りたくて…IKKOから刺激を受けた!?

番組では、Ghost like girlfriendのミニアルバム『WINDNESS』の中から、水野のセレクトで『shut it up』をオンエア。

水野:この曲はどうやって作ったんですか?
岡林:今まで出してきたアルバム3枚の中で唯一、詞から入りました。
水野:そんな気がする(笑)。3文字続きとか、字数の制限がすごくある気がします。
岡林:昨年の夏に作ったんですけど、夜にテレビを観ていたら、IKKOさんが街ロケでコメントを求められていて、全てを「どんだけ〜」の要領で、4文字で答えられるかを検証していたんです。ちょうどそのときにアルバムの制作にとりかかっていて、パンチのある楽曲がほしいと思いながらも、なかなかアイデアが浮かばなかったところにそれがあったので、これを音楽に落とし込んだらどうなるんだろうと思ったんです。
水野:(笑)。
岡林:まずは2文字に挑戦しようと思いました。思い浮かぶ言葉が“行け”とか、“見ろ”とかの命令形の言葉がたくさんあったので、書き続けていって、一番気に入ったのが、“行け”というワードでした。“行く”という言葉から、言葉が並んで歩いているようなイメージが浮かんだので、そこからテンポ感が決まったりしました。
水野:面白いですね! しかも、そのアイデアにとどまらず、そこから展開していくじゃないですか。それはどの辺までイメージして作り始めたんですか?
岡林:その時期に“パンチのある楽曲”ってなんだろうと考えていて、広い音楽なのかなと思ったので、CHAGE and ASKAさんとQUEENの曲を聴き漁って……。
水野:“大げさのお手本”みたいな人ですね(笑)。
岡林:言葉を貫いていってリズムだけというのが、QUEEN『We Will Rock You』と全く同じ構成だと思ったので、途中から爆発しようと。歌詞が前半出来上がってきて、この先どうしようかなと思ったときに、そのアイデアが浮かんだので、一旦更地にするぐらいの爆発力を。
水野:途中でビックリしたよ。「そういくのか!」って(笑)。これは、ひとりのクリエイターが作らないと、なかなかこうはいかないんじゃないかと。複数でやると、むしろまとまっていくというか、調整していく方向になるんですけど、ひとりのソングライターが物語をたどっていると、どこにでもいけると思えばいけるから。すごく面白かった。“作るオタク”というか、作ることの構造を理屈で頭の中でも考えつつ、いろいろなアイデアを出していらっしゃるんだと思います。
岡林:うれしいです。
水野:技術だけになりがちだけど、岡林さんが作ったものはそうじゃない気がしていて、それがすごい。そこにハマっちゃうんじゃなくて、技術量がそのまま作品に影響していくけど、そこに人間性みたいなものというか、岡林さんしか出せないものがあるからなのかな。理屈っぽく聴こえないところが面白かったです。作品としてすごく刺激を受けました。
岡林:ありがたいです。自分の人生の上で音楽をやっていくという気持ちが、けっこう強かったりするので、流行のものというよりは、自分が死ぬ間際とかに振り返って、日記のように見たいというわがままもあったりします。だから、かわるがわるになっていけばという思いはあります。
水野:日記として恥ずかしくなる瞬間はないですか? 直視できる?
岡林:これを言うと自信がありすぎると思われるかもしれないんですけど、日本中とか世界中に届くという前提で作っているので、どうせその何年か先に見つかるのであれば、今やっても大丈夫だろうという感覚なので、恥はないです。
水野:いいですね!


■どこをどう切り取っても楽しめる曲

最後に、対談企画恒例の「あなたにとってグッドミュージックとは何ですか?」という質問を岡林さんにしました。

岡林:歌詞だったり、メロディだったり、アレンジだったりと、3つの要素が集まって曲ができてると思うんですけど、どれをどう切り取っても単体で楽しめるのが“グッドミュージック”なんじゃないかな。歌詞だけ読んでも楽しいし、メロディーだけを聴いても楽しい。アレンジも、こういうことがあったという発見があったりとか、全部に血が通いすぎてるというのがグッドミュージックなのかなと思うので、自分もそういうものを作れるようにというのを心がけています。
水野:その言葉を、全く裏切らないアルバムですね。

Ghost like girlfriendの初のワンマンライブが、3月7日(木)に渋谷・WWWで開催されます。ぜひチェックしてみてください。

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【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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