通信速度が100倍!? 次世代通信「5G」がもたらす生活の変化とは?

J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。1月10日(木)のオンエアでは、今年の注目キーワード「5G」について、『日経エレクトロニクス』編集長・加藤雅浩さんにお訊きました。


■通信速度が現在の20倍から100倍に

スマホを使用していると必ず目にする「3G」「4G」という文字。ついに2019年には「5G」が登場します。「5G」では通信速度が上がるだけでなく、生活そのものが大きく変化する可能性があります。

約5年前に世界中の携帯電話会社とスマホメーカーが集まって、2020年頃の社会に必要な通信システムを作り始めました。それが5Gです。5Gとは、第5世代の携帯電話システムを意味します。2月末に開催されるスペインの通信関連のイベントでは、5Gが使えるスマートフォンが発表され、秋には日本でも限定的にサービスがスタートする予定です。

加藤さんに、現在の4Gと5Gを比較していただきました。

加藤:通信速度が20倍から100倍、高速になります。DVD1枚のデータなら最短2秒でダウンロードできます。通学、通勤の間に映画1本をダウンロードできるので、好きな楽しみ方ができます。また、通信の遅れがほとんどないので、オンラインゲームがスムーズに動かすことも可能です。さらに、同じエリアで10倍の人が繋がるようになります。渋谷の交差点など、混んでいる場所で繋がらないということがなく、快適に使い続けることができます。


■5Gの登場で多重衝突の回避や買い忘れもなくなる?

5Gでは、通信速度が速くなるだけでなく、身近な暮らしにも変化がもたらされます。

加藤:5Gがこれまでの携帯電話システムと違うのは、スマホやタブレット端末だけでなく、車などの交通機関、ロボットなどの機械、スタジアムなどのインフラで使うことを想定して作られていることです。スマホがなくても5Gのサービスを使って楽しいことができる世界がやってきます。

オンエアでは、車を例に紹介してもらいました。

加藤:5Gがあると、車同士が会話をするようになります。人間のようにおしゃべりするのではなく、車同士が教えあうようになり、前を走っているトラックが荷物を落とした場合に、5Gを使って「荷物を落としたよ」という情報が後ろの車に送られます。すると後ろの車は緊急回避装置が働き、急ハンドルで避けることができます。さらに後ろの車にも送られ、余裕をもってハンドル操作して逃げる、さらに後ろの車はあらかじめ車線を変更する。これまで多重衝突が起きていたものを回避することができる可能性があります。ここで、タイムラグがない5Gの性質が活きてきます。

ほかにも、買い物を例に紹介してもらいました。

加藤:冷蔵庫にセンサーがつき、中身がスマホに送られます。たとえば、お店で卵を手に取ったときに店のカメラが認識し、その人のスマホに入っている冷蔵庫の情報と合わせて「賞味期限が10日ある卵が10個ありますが、買いますか?」とアドバイスしてくれます。そうすると無駄な買い物を避けられます。また、「冷蔵庫に足りないものがこの棚にあります」とナビゲーションしてくれるので、ウロウロして探すこともなくなります。その他にも、その人がアレルギーを持っている食材にアラートを出してくれるなど、自分が欲しいものを欲しい分だけ、買い物ができるようになります。

常時接続するとなるとパケットが気になるところですが、先行しているアメリカを見る限りでは現状の料金とあまり変わらないと加藤さんは予想しました。さらに、買い物の例のようにお店のサービスに通信料金が組み込まれることも考えられるそうです。

5Gの登場により、想像できないような端末やサービスがでてくることも予想されます。そこまでいかなくても、事故を回避する、買い忘れや無駄な買い物が減る、多アングルによるスポーツ観戦など、毎日の暮らしで「できたら嬉しい」ということができるようになるそうです。早ければ秋には体験できるという5G、大注目ですね!

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【番組情報】
番組名:「STEP ONE」
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/

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