J-WAVEで放送中の番組『THE WISE FOOL SHOW』(ナビゲーター:グ・スーヨン/PALU)。CMディレクター・映画監督のグ・スーヨンとシンガー・PALUのコンビが真剣に、おバカに、世の中のあれやこれやに迫る30分番組です。12月21日(金)のオンエアでは「毒親」をテーマに、虐待、無視、過剰なコントロールなど、子どもに害をあたえる親がなぜ生まれるのかについて掘り下げました。
■そもそも「毒親」って?
「毒親」は、1989年にアメリカの心理カウンセラーで作家のスーザン・フォワードさんが作った言葉「Toxic Parents」を直訳したもの。スーザンさんによると「子どもの人生を支配し、子どもに害悪を及ぼす親」を意味します。日本では、スーザンさんの著書『毒になる親 一生苦しむ子供』(講談社)が発売されています。また、日本では2008年ごろから本や漫画などで「毒親モノ」というジャンルが確立されてきました。
グ・スーヨンは、「毒親モノ」として、親からの虐待を生き延びたサバイバーたちが書いた、訣別と希望と勇気の手紙をまとめた『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』(dZERO)を取り上げました。
【関連記事】杏も「ショッキングな本」と紹介した、『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』
PALU:この本はどうでした?
グ・スーヨン:ひどかったよ。
PALU:いろいろな毒親のケースが載っているんですよね。
グ・スーヨン:「毒親」ってうまく名付けたなって思うけど、親は大なり小なり毒親なのよ。どこからが、ここで言う“毒親”なのかの明確な線引きはない。子どもがどう思うかだから。でも、いじめと同じで、いじめているほうが悪いから、親が悪いと子どもが感じたり、何らかの危害があったり、影響があったりする場合は、「完璧に親が悪い」という決まりを作るべきだと思う。それしか決めようがない。
PALU:昔は、虐待は体への暴力として言われていたけど、今は精神的な暴力というか、心にも傷を負うような虐待としてクローズアップされている気がします。
グ・スーヨン:子どもの年代にもよるよね。小学校くらいまでだと当然、自我もあるのに、子どもの自我と親が向き合ってない。反抗期みたいに、子どもが親に何らかの抵抗ができる年になってからのこともあるし。でも、親が悪いとしか言いようがない、子どもがそういうふうに思うなら。
毒親として最も訴えが多いタイプは「コントロールし過ぎる親」「過干渉」「統制型」です。他にも「無視をする親」「ネグレクト」「虐待する親」「激しい暴力」「暴言」「性的虐待」などがあります。
グ・スーヨン:子どもが子どもを育てているから。まず、子どもを産んで育てるという自覚を親に持ってほしい。人をひとり育てていくって、本当に大変なことなんですよ。俺のまわりには、子どもを産んだら急に立派な人間になったつもりになる親があまりに多い。「おまえ、ろくなヤツじゃないじゃん」ってやつでも、偉そうに子どもに説教をしたり、何かを教えたりするわけよ。「おまえに教えられたらダメだろ」って言うくらいの代表が僕なんですけど……。
PALU:(笑)。
■子どもができると親は偉そうにしてしまう
スーザンさんの著書によると、「気づかれにくい毒親になる10のタイプ」があるといいます。
・親は絶対であると主張する親
・義務を果たさない親
・自己中心的な親
・いなくなってしまう親
・過剰に口出しする親
・子どもと競おうとする親
・そのときによって言うことが変わる親
・できたことで評価する親
・傷つける親
・共犯者としての親(どちらかが毒親で、それをただ見ているだけの親)
グ・スーヨン:人間なんだからいいところも悪いところもあるじゃない。親だってそう。それを全部否定することもできないし、肯定することもできないので、折り合いが一番大事だと思う。日本の法律では「20歳になったら大人です」と言われて、大人になったけど、いまだかつて「立派な大人です」とは誰も言ってくれてないのよ。言われたことないよね?
PALU:はい(笑)。
グ・スーヨン:そんな免許をもらったこともないのに、子どもができると偉そうにしてしまう。それはダメだよね。若い人は経験が大事だけど、子育てを経験したとしても、「経験したことは理解したことにはならない」とゲーテは言っているように、子どもをひとりやふたり育てたとしても、それは経験したことであって、理解していることではない。理解しようとする努力を子どもとやらないと、毒親みたいなことに必ずなるよね。何かの組織なり機構が毒親に踏み込んで、10歳以下をひとりで留守番させてはいけないとか法律を決めて、それができなければ子どもを取り上げるなどをやるべきだと思う。子ども警察、育児警察って言うのかな。
それ以外にも、グ・スーヨンは「自分の子どもを育てるからダメになる」という説を紹介し、親をシャッフルさせる案もあると話します。
PALU:子どもを自分の分身だと思って育ててしまう親もいますよね。
グ・スーヨン:お母さんは自分の細胞から出てきているから、子どもを自分だと思っている。同様に子どももお母さんのことを自分だと思っている。だから「自分の思ってることを、なぜ自分はわからない」となり、ケンカになってしまう。でも、「親と子どもは自分じゃないよ」って人なら、最初から遠慮や礼儀ができるから。
PALU:それいいね。そうしないと、なかなかわからないですよね。
■毒親から子どもを守る仕組みが必要
毒親の対処方法は「とにかく逃げること」だと、グ・スーヨンは語気を強めます。
グ・スーヨン:逃げた先にある第三者の組織なりルールなり罰則なりが必要になると思う。日本はその対応が遅い気がする。「そんなつもりじゃないのに」と冤罪はあると思うけど、それでも議論をすることが必要じゃないかな。結局、何が正しいとかないけど、話し合いをすることが大事で、その話し合いを家庭でしておいてってことですよ。
一方で、親は子どもにどう対応することがよいのでしょうか。
PALU:私は「どうやって育てようか」と考えながら子育てをすればいいと思った反面、自分の考えが偏っていたり、よい部分しか取らなかったりしたら、どうすればいいのかな。
グ・スーヨン:親は確実に子どもの目線に立って、同じことを一緒に考えていくことじゃないかな。子どもは親の所有物じゃないからね。「うちの子なのに」って、「おまえの子だから」だよ。
PALU:(笑)。
知らず知らずのうちに毒親になっていたり、毒親に被害を受けているかもしれません。まずは毒親に関する正しい情報を得ることが、毒親を減らす第一歩ではないでしょうか。
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【番組情報】
番組名:『THE WISE FOOL SHOW』
放送日時:毎週金曜 23時30分-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/wisefool/
■そもそも「毒親」って?
「毒親」は、1989年にアメリカの心理カウンセラーで作家のスーザン・フォワードさんが作った言葉「Toxic Parents」を直訳したもの。スーザンさんによると「子どもの人生を支配し、子どもに害悪を及ぼす親」を意味します。日本では、スーザンさんの著書『毒になる親 一生苦しむ子供』(講談社)が発売されています。また、日本では2008年ごろから本や漫画などで「毒親モノ」というジャンルが確立されてきました。
グ・スーヨンは、「毒親モノ」として、親からの虐待を生き延びたサバイバーたちが書いた、訣別と希望と勇気の手紙をまとめた『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』(dZERO)を取り上げました。
【関連記事】杏も「ショッキングな本」と紹介した、『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』
PALU:この本はどうでした?
グ・スーヨン:ひどかったよ。
PALU:いろいろな毒親のケースが載っているんですよね。
グ・スーヨン:「毒親」ってうまく名付けたなって思うけど、親は大なり小なり毒親なのよ。どこからが、ここで言う“毒親”なのかの明確な線引きはない。子どもがどう思うかだから。でも、いじめと同じで、いじめているほうが悪いから、親が悪いと子どもが感じたり、何らかの危害があったり、影響があったりする場合は、「完璧に親が悪い」という決まりを作るべきだと思う。それしか決めようがない。
PALU:昔は、虐待は体への暴力として言われていたけど、今は精神的な暴力というか、心にも傷を負うような虐待としてクローズアップされている気がします。
グ・スーヨン:子どもの年代にもよるよね。小学校くらいまでだと当然、自我もあるのに、子どもの自我と親が向き合ってない。反抗期みたいに、子どもが親に何らかの抵抗ができる年になってからのこともあるし。でも、親が悪いとしか言いようがない、子どもがそういうふうに思うなら。
毒親として最も訴えが多いタイプは「コントロールし過ぎる親」「過干渉」「統制型」です。他にも「無視をする親」「ネグレクト」「虐待する親」「激しい暴力」「暴言」「性的虐待」などがあります。
グ・スーヨン:子どもが子どもを育てているから。まず、子どもを産んで育てるという自覚を親に持ってほしい。人をひとり育てていくって、本当に大変なことなんですよ。俺のまわりには、子どもを産んだら急に立派な人間になったつもりになる親があまりに多い。「おまえ、ろくなヤツじゃないじゃん」ってやつでも、偉そうに子どもに説教をしたり、何かを教えたりするわけよ。「おまえに教えられたらダメだろ」って言うくらいの代表が僕なんですけど……。
PALU:(笑)。
■子どもができると親は偉そうにしてしまう
スーザンさんの著書によると、「気づかれにくい毒親になる10のタイプ」があるといいます。
・親は絶対であると主張する親
・義務を果たさない親
・自己中心的な親
・いなくなってしまう親
・過剰に口出しする親
・子どもと競おうとする親
・そのときによって言うことが変わる親
・できたことで評価する親
・傷つける親
・共犯者としての親(どちらかが毒親で、それをただ見ているだけの親)
グ・スーヨン:人間なんだからいいところも悪いところもあるじゃない。親だってそう。それを全部否定することもできないし、肯定することもできないので、折り合いが一番大事だと思う。日本の法律では「20歳になったら大人です」と言われて、大人になったけど、いまだかつて「立派な大人です」とは誰も言ってくれてないのよ。言われたことないよね?
PALU:はい(笑)。
グ・スーヨン:そんな免許をもらったこともないのに、子どもができると偉そうにしてしまう。それはダメだよね。若い人は経験が大事だけど、子育てを経験したとしても、「経験したことは理解したことにはならない」とゲーテは言っているように、子どもをひとりやふたり育てたとしても、それは経験したことであって、理解していることではない。理解しようとする努力を子どもとやらないと、毒親みたいなことに必ずなるよね。何かの組織なり機構が毒親に踏み込んで、10歳以下をひとりで留守番させてはいけないとか法律を決めて、それができなければ子どもを取り上げるなどをやるべきだと思う。子ども警察、育児警察って言うのかな。
それ以外にも、グ・スーヨンは「自分の子どもを育てるからダメになる」という説を紹介し、親をシャッフルさせる案もあると話します。
PALU:子どもを自分の分身だと思って育ててしまう親もいますよね。
グ・スーヨン:お母さんは自分の細胞から出てきているから、子どもを自分だと思っている。同様に子どももお母さんのことを自分だと思っている。だから「自分の思ってることを、なぜ自分はわからない」となり、ケンカになってしまう。でも、「親と子どもは自分じゃないよ」って人なら、最初から遠慮や礼儀ができるから。
PALU:それいいね。そうしないと、なかなかわからないですよね。
■毒親から子どもを守る仕組みが必要
毒親の対処方法は「とにかく逃げること」だと、グ・スーヨンは語気を強めます。
グ・スーヨン:逃げた先にある第三者の組織なりルールなり罰則なりが必要になると思う。日本はその対応が遅い気がする。「そんなつもりじゃないのに」と冤罪はあると思うけど、それでも議論をすることが必要じゃないかな。結局、何が正しいとかないけど、話し合いをすることが大事で、その話し合いを家庭でしておいてってことですよ。
一方で、親は子どもにどう対応することがよいのでしょうか。
PALU:私は「どうやって育てようか」と考えながら子育てをすればいいと思った反面、自分の考えが偏っていたり、よい部分しか取らなかったりしたら、どうすればいいのかな。
グ・スーヨン:親は確実に子どもの目線に立って、同じことを一緒に考えていくことじゃないかな。子どもは親の所有物じゃないからね。「うちの子なのに」って、「おまえの子だから」だよ。
PALU:(笑)。
知らず知らずのうちに毒親になっていたり、毒親に被害を受けているかもしれません。まずは毒親に関する正しい情報を得ることが、毒親を減らす第一歩ではないでしょうか。
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【番組情報】
番組名:『THE WISE FOOL SHOW』
放送日時:毎週金曜 23時30分-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/wisefool/