いきものがかり・吉岡聖恵が考える「いい音楽」 水野良樹も思わずうなる!

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。木曜日は、いきものがかりの水野良樹とお届けしています。10月25日(木)の「DAILY SESSIONS」のコーナーでは、水野と吉岡聖恵との対談後編の模様をお届けしました。

【対談前半】吉岡聖恵は「いきものがかり放牧宣言」のあと、どう過ごしていたか? 歌への思いを語る


■タイトルが『うたいろ』に決まるまで

吉岡さんは、10月24日(水)にソロカバーアルバム『うたいろ』をリリースしました。

水野:このタイトルは、どういうところから?
吉岡:私が決めたの。いきものがかりだと、リーダーが「タイトルは何にしようかな」って言いながら、全部の曲のタイトルとメンバーの名前を嬉しそうに筆書きみたいに書いて、「『いきものがかり』って変わったバンドの名前だよな」って満足げにしてるじゃない(笑)。それを思い出して「そうか、今回はひとりだからそろそろ決めないと。なんていうタイトルにしよう」って思ったの。最初は『うたいろ』じゃなくて『うたばたけ』っていうのを想像してたよ。
水野:面白いね~。あなたは農家の娘だからね。
吉岡:詞と曲という種から花や実を自分で育てて、できたものをお渡しするという意味とか、「俳優畑」「音楽畑」っていう言葉があるけど、私って歌好きの女性だから、シンプルに「歌畑」じゃないかなって思ったの。でも「ちょっと待って、ダサい、やめよう」って思って(笑)。そこから「花や実など、いろいろなエッセンスが詰まってる、いろいろ……『うたいろ』!」ってなりました。最初はローマ字で表記する案もあったけど、スタッフと相談していくうちに「ひらがなのほうが、やわらかいし、かわいい」ということになりました。タイトルには意味があります。ひとつめは「いろいろな色をもった曲をカバーしている」。ふたつめは「いろいろな時代の曲をカバーしている」。『World In Union』は約100年前のクラシックがモチーフになっているから、米津玄師さんまで考えると、100年くらいの幅があることになるんです。みっつめは「歌のもっている色に染まれたらいいな」、よっつめは「歌がもっているいい色を自分が少しでも表現できればいいな」、いつつめは「その色を、聴いてくださる方々に感じていただけたらいいな」。
水野:今、吉岡さんは自分で書いたものを読んでましたけど、吉岡さんがすごいのは、プロモーション用のネタ帳を用意してるところですね(笑)。
吉岡:バラしちゃダメだよ~! 私、考えたの。ラジオのコメントを言うときも取材のときも、いつもリーダーがいっぱいしゃべってくれるじゃん。趣旨も進行もしてくれるから、私がボーっとしていて「どうですか吉岡さん」って訊かれても、何とかなるんです。でも今回は、仕切りもしゃべりも、全部自分でやらなきゃいけないから、「これはまずい」と思ってまとめてみた。
水野:真面目!


■ジャケット写真に「気の抜けた」ものを選んだ理由

水野:名盤といわれている音楽のジャケットはたくさんあるじゃないですか。ジャケットに対する吉岡さんのイメージは? 実はいきものがかりのときも、3人で「こんなジャケットが好き」っていう話をしてなかったんじゃないかと思うんです。
吉岡:毎回、自然に決まってるもんね。
水野:ジャケ買いとかする?
吉岡:するときはするけど、今回やりたかったのはポップな、部屋に置いてかわいいもの。それでいて、ストレートなものがいいと思ったの。それで、いろいろな大きさの水玉を散りばめた綺麗なジャケットにしました。
水野:表情も、普段のいきものがかりのイメージと違うというか、髪を結んでるところも、僕らは普段の生活で見てるけど、いきものがかりでは珍しいよね。
吉岡:ジャケットの表情って、ある意味、窓口みたいなものになると思ったの。本当はもっとキメキメなものもあったんです。
水野:そうなんだ!
吉岡:手を胸のところに当てるのがいいんじゃないか、って思ってたんだけど、最後の最後で、ぽわんとした、「おいでやす」、「メンソーレ」みたいな、「気さくに聴いてって」っていう、ちょっと気の抜けたテイクを選んでみた。
水野:僕が10代から見てるっていうのもあるけど、より女性的な感じがするね。アルバムとしては男性アーティストの曲が多いんだけど、全体として聴くと、当たり前のことだけど「女性シンガーなんだな」というか、吉岡の歌声の統一感みたいなのがあると思いました。
吉岡:いきものがかりの中にいると、自分は“語り手”で、その曲がある時点で舞台が用意されていて、“いきものがかり然”としてるし、いきものがかりのヴォーカリストとして何年もやってきてるから、そこにいれば芯ができるっていう意識があったんです。でも今回ソロで活動するにあたって、“吉岡聖恵”というひとりの歌い手としてやるんだったら、もっと芯を極めないといけないと思って、ちょっと不安だったの。でも、好きな曲をいろいろと選曲したら、曲が本当にバラエティに富んで、逆にキャラクターがいろんなところに触れたというか、自由になったというか……。
水野:曲が自由なぶん、その真ん中が吉岡の声だから、“吉岡”という軸がみえたのかもね。バラエティに富んだからこそ、聴いてるほうからすると「吉岡の声が真ん中にくるんだな」というのをすごく思いました。
吉岡:嬉しいです!
水野:自分のグループのヴォーカリストを褒めるのは、すごく恥ずかしいけど、“真ん中にくる”っていうのは、すごく褒めてもいいのかなって思う。それって、なかなかできないじゃん。曲の魅力にスッと入れるというか、それはすごく大事なことなのかなって思います。


■前向きに力を抜いて歌う

番組では『うたいろ』の収録曲から、水野の希望で『500マイル』(元歌:ピーター・ポール&マリー/故・忌野清志郎さんが日本語詞をつけた曲)をお届けしました。

水野:シンプルな曲で歌いやすいように思えるけど、だからこそ歌い手の力量が試される。スタンダードって、みんなそうだよね。そういう意味では、吉岡さんも緊張したんじゃない?
吉岡:『500マイル』の、いろいろなカバーを聴いてきて、故郷を離れて出ていく寂しい曲というイメージがあったけど、今回は逆に、希望に向かって出ていくような、新しくて明るい『500マイル』を作ってみたらどうだろうという感じで歌って、アレンジも淡々としている中で、前向きに力を抜きながら歌うっていうのが意外とポイントだった。
水野:新しい楽しさや新しい難しさに、きちんと出会ってるっていう感じがしました。
吉岡:そうですね。いろいろな楽しさにたくさん出会いました。
水野:これからはどうですか?
吉岡:楽しいことをいっぱいしたいです!
水野:その感じが出てるのがメンバーとしても嬉しいし、そういうのを交換していけたら、僕らにとってもいいんじゃないかなって、すごく思いました。


■いい音楽は「いい感じがする」

最後は、水野の対談企画で恒例の質問「あなたにとって“グッドミュージック”とは?」について、吉岡さんに訊きました。

吉岡:聴いたときに、“いい感じ”がすること。歌が下手とか、うまいとかって人は言うけど、いい感じがするか、しないかだと思うんですよ。私は最近それをすごく思ってて、たとえば芸人さんが歌って「超いいな」と思って買ったりするんだけど、それってやっぱり“いい感じ”なんだよね。“いい空気”みたいな。
水野:メンバーだから手前味噌になっちゃうけど、意外といいところをついたね。素晴らしいと思います。
吉岡:やっぱり、いい感じがする音楽がいい感じだと思うんだよね。
水野:言葉は簡単だけど、真理をついている気がしますね。同意するとこがある。

対談が終わり、水野は改めて吉岡の魅力について語りました。

水野:カバーを選んだことによって、彼女の歌の色が出たと思います。それは、テクニックとか歌い方の特徴とか、見えやすい部分ではなくて、スタンダードに向き合うと素の部分が出てきてしまうので、彼女の歌の本質が問われてしまいます。そこで、みなさんに楽しんでもらえるかが大事で、彼女は、ただまっすぐに歌うことでそれが通る。それが彼女の強みだと思います。そういう意味で、彼女の魅力が出たアルバムになったんじゃないかと思います。

吉岡さんが『うたいろ』に込めた思いが伝わる、貴重な対談となりました。

【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

関連記事