J-WAVEがいま注目するさまざまなトピックをお届けする日曜夜の番組『J-WAVE SELECTION』。毎月第3日曜は、震災復興プログラム『Hitachi Systems HEART TO HEART』(ナビゲーター:重松 清)をお届けしています。9月16日(日)のオンエアでは、福島県双葉郡富岡町出身のミュージシャン、渡辺俊美さんがゲストに登場。「街を元気にする人とアイデア」を一緒に考えました。
■音楽は「恩返しです」
渡辺さんは、2011年にサンボマスターの山口 隆さんらと結成したバンド・猪苗代湖ズによる復興チャリティーソング『I love you & I need you ふくしま』のリリースにはじまり、現在もさまざまな復興活動支援を継続されています。活動の原動力を訊くと、「簡単にいうと恩返しです。ただそれだけです」と渡辺さん。
■大きく考えず、小さく丁寧にやっていく
今回、重松は福島県いわき市のNPO法人「TATAKIAGE Japan」の理事・小野寺孝晃さんを取材しました。地域プレイヤーの発掘と育成を通じて、地元や地域を楽しい街へとかえるピッチイベント「浜魂」を毎月開催する小野寺さんは、行政や地元の大学、民間の企業と連携した街づくりを実践しています。
そんな小野寺さんに、街を元気にする方法を伺いました。
小野寺:昔から、いわきは閉鎖的で新しい事業をやることは非常に難しいと聞いていました。今でもそう感じるところはあるものの、僕らは「独自に新しいことをやることで、街も楽しくなる」との考えに共感する人たちと、新しいコミュニティを作っているところです。それによって、昔からのネガティブな問題を払拭していきたいと考えています。オールいわきで何か大きなことをしようと考える人も多いけど、僕は丁寧にひとつひとつやっていったほうがいいと思っています。大きく見てしまうと何も進まないので、小さく見て、ここで一生懸命にやろうとしてる人を見つけて、そこに対して僕たちができることをやっていく。結局、おもしろい街って、誰かが何かをやってるんです。その人を見つけ出して、僕たちがおせっかいをすることが遠回りではなく、街づくりにつながっていくと信じてやっています。
話を聞いた重松は……。
重松:震災後に「日本がまとまるんだ」という発想って多かったと思うんですけど、小野寺さんは「大きく見てしまうと何も進まない。むしろ小さく丁寧にやっていくんだ」という発想。
渡辺 :素晴らしい考えですね。震災で避難した家族がいる実家の双葉郡、相双、浜通り、福島県、東北、日本、地球と大きなことを考えてしまうと、地球の問題ではあるけど、実際に自分が考えたことは家族なんです。まずは自分の大切にしている人を大切にすることからはじまり、そこからいろいろやっています。小さいことからはじめて丁寧にやらないと、波紋が広がらないと思って活動をしています。
■支援している人を支援して
次に重松は、いわきを盛り上げる人を応援するボランティア団体「いわき応援チームEN-えん-」の代表・坂本雅彦さんを取材しました。震災後、ふるさと・いわきの役に立ちたいとボランティア活動をスタートした坂本さん。現在は「いわき万本桜プロジェクト」の草刈り隊長を務め、震災から7年が経った福島の現状を伝える「Fスタディツアー」のガイドなど、さまざまなボランティアをおこなっています。
自身の活動について、「いわきで頑張って活動されている方のサポートになればいいな」と話す坂本さん。
坂本:自分たちではできないことをやろうとする人たちのサポートを通じて、自分たちも一緒にそれを作り上げる仲間になっている感覚を持つこと。そうやって関わることで地元が好きになったりするので、それが将来のためになるんじゃないかなと思います。震災を機に行われるいろいろな活動に刺激されて、「いわきでもこんな活動をしたいんだ」と集まる雰囲気ができているような気がします。
重松:街を元気にするために、一番必要なことって何だと思いますか。
坂本:自分の街を好きになること。それがいろんな力になっていくんじゃないかと思います。
坂本さんと面識があるという渡辺さんは、サポートすることについて以下のように話します。
渡辺:震災後に地方に行った人から「どうやったら支援できますか。お金ですか、物ですか?」って質問されるんです。でも、そうじゃなくて「支援している人を支援してください」って言っています。支援している人に「なにやってるんだ」とバカにしないで、応援してくださいって。それによってつながりができますよと伝えています。
■「福島とか自分のふるさとが嫌いだった」けど…
渡辺さんは、震災後に地元に対する思いに変化があったと教えてくれました。
渡辺:猪苗代湖ズの結成は、震災の前年2010年で、福島での「風とロック芋煮会」の活動がはじまったのは、2009年でした。それまでは正直、福島とか自分のふるさとが嫌いでした。嫌いで東京に出てきたって感じですね。でも、震災が起きてみんな困っていて。離れれば自分のふるさとのよさとかを客観的に見れるようになったんですよね。1回嫌いになったから好きになったこともすごくあって、今は地元が大好きなんですよね。ほっとけないです。
震災を機にふるさとを思う気持ちが、きっと被災地を元気にするひとつの力になるはずです。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『Hitachi Systems HEART TO HEART』
放送日時:毎月第3日曜 22時-22時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/special/hearttoheart/
■音楽は「恩返しです」
渡辺さんは、2011年にサンボマスターの山口 隆さんらと結成したバンド・猪苗代湖ズによる復興チャリティーソング『I love you & I need you ふくしま』のリリースにはじまり、現在もさまざまな復興活動支援を継続されています。活動の原動力を訊くと、「簡単にいうと恩返しです。ただそれだけです」と渡辺さん。
■大きく考えず、小さく丁寧にやっていく
今回、重松は福島県いわき市のNPO法人「TATAKIAGE Japan」の理事・小野寺孝晃さんを取材しました。地域プレイヤーの発掘と育成を通じて、地元や地域を楽しい街へとかえるピッチイベント「浜魂」を毎月開催する小野寺さんは、行政や地元の大学、民間の企業と連携した街づくりを実践しています。
そんな小野寺さんに、街を元気にする方法を伺いました。
小野寺:昔から、いわきは閉鎖的で新しい事業をやることは非常に難しいと聞いていました。今でもそう感じるところはあるものの、僕らは「独自に新しいことをやることで、街も楽しくなる」との考えに共感する人たちと、新しいコミュニティを作っているところです。それによって、昔からのネガティブな問題を払拭していきたいと考えています。オールいわきで何か大きなことをしようと考える人も多いけど、僕は丁寧にひとつひとつやっていったほうがいいと思っています。大きく見てしまうと何も進まないので、小さく見て、ここで一生懸命にやろうとしてる人を見つけて、そこに対して僕たちができることをやっていく。結局、おもしろい街って、誰かが何かをやってるんです。その人を見つけ出して、僕たちがおせっかいをすることが遠回りではなく、街づくりにつながっていくと信じてやっています。
話を聞いた重松は……。
重松:震災後に「日本がまとまるんだ」という発想って多かったと思うんですけど、小野寺さんは「大きく見てしまうと何も進まない。むしろ小さく丁寧にやっていくんだ」という発想。
渡辺 :素晴らしい考えですね。震災で避難した家族がいる実家の双葉郡、相双、浜通り、福島県、東北、日本、地球と大きなことを考えてしまうと、地球の問題ではあるけど、実際に自分が考えたことは家族なんです。まずは自分の大切にしている人を大切にすることからはじまり、そこからいろいろやっています。小さいことからはじめて丁寧にやらないと、波紋が広がらないと思って活動をしています。
■支援している人を支援して
次に重松は、いわきを盛り上げる人を応援するボランティア団体「いわき応援チームEN-えん-」の代表・坂本雅彦さんを取材しました。震災後、ふるさと・いわきの役に立ちたいとボランティア活動をスタートした坂本さん。現在は「いわき万本桜プロジェクト」の草刈り隊長を務め、震災から7年が経った福島の現状を伝える「Fスタディツアー」のガイドなど、さまざまなボランティアをおこなっています。
自身の活動について、「いわきで頑張って活動されている方のサポートになればいいな」と話す坂本さん。
坂本:自分たちではできないことをやろうとする人たちのサポートを通じて、自分たちも一緒にそれを作り上げる仲間になっている感覚を持つこと。そうやって関わることで地元が好きになったりするので、それが将来のためになるんじゃないかなと思います。震災を機に行われるいろいろな活動に刺激されて、「いわきでもこんな活動をしたいんだ」と集まる雰囲気ができているような気がします。
重松:街を元気にするために、一番必要なことって何だと思いますか。
坂本:自分の街を好きになること。それがいろんな力になっていくんじゃないかと思います。
坂本さんと面識があるという渡辺さんは、サポートすることについて以下のように話します。
渡辺:震災後に地方に行った人から「どうやったら支援できますか。お金ですか、物ですか?」って質問されるんです。でも、そうじゃなくて「支援している人を支援してください」って言っています。支援している人に「なにやってるんだ」とバカにしないで、応援してくださいって。それによってつながりができますよと伝えています。
■「福島とか自分のふるさとが嫌いだった」けど…
渡辺さんは、震災後に地元に対する思いに変化があったと教えてくれました。
渡辺:猪苗代湖ズの結成は、震災の前年2010年で、福島での「風とロック芋煮会」の活動がはじまったのは、2009年でした。それまでは正直、福島とか自分のふるさとが嫌いでした。嫌いで東京に出てきたって感じですね。でも、震災が起きてみんな困っていて。離れれば自分のふるさとのよさとかを客観的に見れるようになったんですよね。1回嫌いになったから好きになったこともすごくあって、今は地元が大好きなんですよね。ほっとけないです。
震災を機にふるさとを思う気持ちが、きっと被災地を元気にするひとつの力になるはずです。
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【番組情報】
番組名:『Hitachi Systems HEART TO HEART』
放送日時:毎月第3日曜 22時-22時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/special/hearttoheart/