J-WAVEでオンエア中の『~JK RADIO~ TOKYO UNITED』(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「THE HIDDEN STORY」。8月10日(金)のオンエアでは、Nicki Minajのニューアルバム『Queen』のジャケットに記された「Queen」という文字の制作チームメンバーであるYuta Kawaguchiさんに注目しました。
■会社員時代にコツコツ制作、努力が実を結んだ!
グラフィックデザイナー、アートディレクターのYutaさんは、美術大学を卒業後、デザイン制作会社に入社。実は、この会社員時代にJ-WAVEのウェブサイト制作にも携わっていました。その頃から作品をSNSで投稿し始めたそうです。
Yuta:社会人なってからも、自分の趣味嗜好100パーセント丸出しのグラフィックデザインは続けていて、その会社員時代に多少無理をしてでもそういう活動をしていたことが、今につながっていると思うんです。制作系だと、どうしても時間がめちゃくちゃになって、何度も徹夜していて、自由な時間を作りにくいなと思っていたんですけど、「それでもとりあえずやっとこう」と思って、1日1個は何かしら作るようにしてました。ブログサービスの「Tumblr」にひたすら無言で投稿し続けていたら、だんだん海外の人から「Like」とか「Repost」という通知が来るようになりました。その頃からInstagramとかでも作品をメインに投稿するようにシフトしていって。外国人の、特に音楽系とかファッション界隈の人たちから、ラブコールじゃないですけど、連絡がちらほら来るようになり始めました。
大きな一歩となったのは、パリのブランドからの依頼でした。
Yuta:「YOUTH OF PARIS」というパリのブランドのデザイナーからインスタでDMがきて「今度、自分のブランドのグラフィックを頼む人を探してて、お前が一番適任だと思うから連絡した」って。それで予算もがっつりあるお仕事だったので、ちゃんとしたお仕事として受けられるものを振ってくれたのは、このブランドをやっているAlex Lopezという人が初めてでした。彼は影響力があって、それこそ向こうのラッパーとかに服をあげたりできる環境にいる人。簡単に言えば、楽屋にサクサク入れるような人のひとりみたいな感じですね。たとえば、このブランドだったらPlayboi Cartiというアーティストがライブとかでも着てくれてます。それで、自然と音楽系の仕事が徐々に来るようになってっていう感じですね。
■コピー用紙の束がなくなるほど…「Q」の文字を書きまくる
「YOUTH OF PARIS」は、Playboi Cartiがライブで着用したほか、先日「FUJI ROCK FESTIVAL '18」でも来日したPost Maloneがライブで着用したTシャツや、ラッパー・Fetty Wapの公式 Tシャツなどを手がけました。そして、今回のNicki Minajの仕事につながりました。
Yuta:「YOUTH OF PARIS」のデザインを見て、Kanye Westとかのアートディレクションをやっている人が僕をインスタでフォローしてくれて。その人から「最近あげてるタイポグラフィ(文字のデザイン)を使いたいから、仕事をお願いしたい」という連絡がきて、2~3案件やりました。その3つ目をやってる最中に「別の大きいのがあるんだけど、どう?」って言われて、「どんな仕事?」って訊いたら「Nicki Minajだ」って言われて。
Nicki Minajの作品へのタイポグラフィは、お蔵入りの危機もあったとか。
Yuta:Minajの「M」だったり、Queenの「Q」をめっちゃ書いて、コピー用紙の束、A4くらいのを買ってきて、1枚に「M」とか「Q」だけで30個とか、コピー用紙の束を半日で使い終わるくらい書いたりしていたんです。文字のデザインをするときは、わりと手で何となくラフを書いてから、それを最終的にはイラストレーターとかに持っていって、きれいに整えてデジタルにします。データにして、イラレでトレースしなおして、全部同じようなモジュールで構成して、アルファベットをどう並べてもいい感じで見られるようにしていく作業が、とてつもなく時間がかかるので、それはけっこうしんどかったです。最終的には「Queen」になったんですけど、それも途中でNickiが「写真だけでいいかも」って言い出しちゃったらしくて、「そういうことになってるっぽい」という話を聞いて、「え~? こんなに書いたのに……」って。それで、僕は仕事がなくなったと思ってたんですよ。
一度はなくなったと思った仕事。しかし、6月8日(金)の朝、ベッドから起きてYutaさんは再び驚くことになります。
Yuta:朝起きて、パッと携帯を見たんですよ。そうしたら、ものすごくいっぱい通知が来てました。昨日何かを上げたわけでもないし、過去の何かがバズったのかなと思ってたら、Nickiのクリエイティブまわりをやっている人たちが、これについて投稿してて、僕の名前とかもクレジットされてました。それでみんな僕のページに飛んで来て、「いいね」とかフォローしてくれていて、そこで初めて「あ、使われたんだ」って明確に気づきました。「文字あるじゃん」って思って。
■Yuta「しんにょう、めっちゃかっけー」
最後に、デザインのアイディアがどこから出て来たのかを訊きました。
Yuta:最初のルーツになってるのは、習字的な部分。あと、僕はグラフィティがすごく好きで、ちっちゃい頃にロンドンで何となく見ていた記憶もありますし、中学・高校のときはめっちゃ見てました。グラフィティのなかでも、「タギング」っていう、文字だけの、ペンでシャシャシャッて書いてる表現方法が好きで、それがルーツにあるのかなと思うんです。小学生の頃に習字を習い始めて、「しんにょう、めっちゃかっけー」と思ってました(笑)。「しんにょう」とか「さんずい」とか、すごくかっこいいなって。そういう気持ちが心のどこかに残っていて、ビジュアルとして出てきているのかなと思います。
Yutaさんの作品は公式サイトや、Instagramなどで見ることができます。ぜひチェックしてみてください!
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『~JK RADIO~TOKYO UNITED』
放送日時:毎週金曜 6時-11時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/
■会社員時代にコツコツ制作、努力が実を結んだ!
グラフィックデザイナー、アートディレクターのYutaさんは、美術大学を卒業後、デザイン制作会社に入社。実は、この会社員時代にJ-WAVEのウェブサイト制作にも携わっていました。その頃から作品をSNSで投稿し始めたそうです。
Yuta:社会人なってからも、自分の趣味嗜好100パーセント丸出しのグラフィックデザインは続けていて、その会社員時代に多少無理をしてでもそういう活動をしていたことが、今につながっていると思うんです。制作系だと、どうしても時間がめちゃくちゃになって、何度も徹夜していて、自由な時間を作りにくいなと思っていたんですけど、「それでもとりあえずやっとこう」と思って、1日1個は何かしら作るようにしてました。ブログサービスの「Tumblr」にひたすら無言で投稿し続けていたら、だんだん海外の人から「Like」とか「Repost」という通知が来るようになりました。その頃からInstagramとかでも作品をメインに投稿するようにシフトしていって。外国人の、特に音楽系とかファッション界隈の人たちから、ラブコールじゃないですけど、連絡がちらほら来るようになり始めました。
大きな一歩となったのは、パリのブランドからの依頼でした。
Yuta:「YOUTH OF PARIS」というパリのブランドのデザイナーからインスタでDMがきて「今度、自分のブランドのグラフィックを頼む人を探してて、お前が一番適任だと思うから連絡した」って。それで予算もがっつりあるお仕事だったので、ちゃんとしたお仕事として受けられるものを振ってくれたのは、このブランドをやっているAlex Lopezという人が初めてでした。彼は影響力があって、それこそ向こうのラッパーとかに服をあげたりできる環境にいる人。簡単に言えば、楽屋にサクサク入れるような人のひとりみたいな感じですね。たとえば、このブランドだったらPlayboi Cartiというアーティストがライブとかでも着てくれてます。それで、自然と音楽系の仕事が徐々に来るようになってっていう感じですね。
■コピー用紙の束がなくなるほど…「Q」の文字を書きまくる
「YOUTH OF PARIS」は、Playboi Cartiがライブで着用したほか、先日「FUJI ROCK FESTIVAL '18」でも来日したPost Maloneがライブで着用したTシャツや、ラッパー・Fetty Wapの公式 Tシャツなどを手がけました。そして、今回のNicki Minajの仕事につながりました。
Yuta:「YOUTH OF PARIS」のデザインを見て、Kanye Westとかのアートディレクションをやっている人が僕をインスタでフォローしてくれて。その人から「最近あげてるタイポグラフィ(文字のデザイン)を使いたいから、仕事をお願いしたい」という連絡がきて、2~3案件やりました。その3つ目をやってる最中に「別の大きいのがあるんだけど、どう?」って言われて、「どんな仕事?」って訊いたら「Nicki Minajだ」って言われて。
Nicki Minajの作品へのタイポグラフィは、お蔵入りの危機もあったとか。
Yuta:Minajの「M」だったり、Queenの「Q」をめっちゃ書いて、コピー用紙の束、A4くらいのを買ってきて、1枚に「M」とか「Q」だけで30個とか、コピー用紙の束を半日で使い終わるくらい書いたりしていたんです。文字のデザインをするときは、わりと手で何となくラフを書いてから、それを最終的にはイラストレーターとかに持っていって、きれいに整えてデジタルにします。データにして、イラレでトレースしなおして、全部同じようなモジュールで構成して、アルファベットをどう並べてもいい感じで見られるようにしていく作業が、とてつもなく時間がかかるので、それはけっこうしんどかったです。最終的には「Queen」になったんですけど、それも途中でNickiが「写真だけでいいかも」って言い出しちゃったらしくて、「そういうことになってるっぽい」という話を聞いて、「え~? こんなに書いたのに……」って。それで、僕は仕事がなくなったと思ってたんですよ。
一度はなくなったと思った仕事。しかし、6月8日(金)の朝、ベッドから起きてYutaさんは再び驚くことになります。
Yuta:朝起きて、パッと携帯を見たんですよ。そうしたら、ものすごくいっぱい通知が来てました。昨日何かを上げたわけでもないし、過去の何かがバズったのかなと思ってたら、Nickiのクリエイティブまわりをやっている人たちが、これについて投稿してて、僕の名前とかもクレジットされてました。それでみんな僕のページに飛んで来て、「いいね」とかフォローしてくれていて、そこで初めて「あ、使われたんだ」って明確に気づきました。「文字あるじゃん」って思って。
■Yuta「しんにょう、めっちゃかっけー」
最後に、デザインのアイディアがどこから出て来たのかを訊きました。
Yuta:最初のルーツになってるのは、習字的な部分。あと、僕はグラフィティがすごく好きで、ちっちゃい頃にロンドンで何となく見ていた記憶もありますし、中学・高校のときはめっちゃ見てました。グラフィティのなかでも、「タギング」っていう、文字だけの、ペンでシャシャシャッて書いてる表現方法が好きで、それがルーツにあるのかなと思うんです。小学生の頃に習字を習い始めて、「しんにょう、めっちゃかっけー」と思ってました(笑)。「しんにょう」とか「さんずい」とか、すごくかっこいいなって。そういう気持ちが心のどこかに残っていて、ビジュアルとして出てきているのかなと思います。
Yutaさんの作品は公式サイトや、Instagramなどで見ることができます。ぜひチェックしてみてください!
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番組名:『~JK RADIO~TOKYO UNITED』
放送日時:毎週金曜 6時-11時30分
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