「きのこ帝国」佐藤千亜妃がソロデビュー! 砂原良徳に学んだ打ち込みの極意は…

J-WAVEで放送中の番組『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。7月22日(日)のオンエアでは、「きのこ帝国」のボーカル・ギター担当で、ソロデビューも果たした佐藤千亜妃さんを迎えて、ソロ活動をすることになった経緯や、新作について伺いました。


■バンド活動との棲み分けは?

佐藤さんのソロデビュー作品『SickSickSickSick』は、7月25日(水)のリリース。なぜ、ソロデビューをすることになったのでしょうか。

佐藤:昨年、いろいろな経験をして。CHARAさんと二人で歌ったり、小田和正さんのライブを観たりして、「歌のパワーはすごい」「バンドというフィールド以外でも歌を磨いていきたい」と思ったんです。
クリス:バンド活動と、ソロ活動ではどういう棲み分けをしてますか?
佐藤:昨年からCDはできてたんですけど、レーベルの人と話して「バンドとの棲み分けを分かりやすくするんだったら、最初は打ち込みやエレクトロでサウンドを作るといいんじゃないの」と。それは自分でもやりたいことでもあったので。
クリス:なるほど。
佐藤:デモ音源は自宅で打ち込みで作っているから、そこの延長線上でやれるというのもあって、今のところは、きのこ帝国はバンドサウンド、ソロはエレクトロサウンド、という区分けになっています。




■砂原良徳との共同プロデュース

ソロの場合は弾き語りをするというよりも、歌に専念することを考えているそうです。『SickSickSickSick』という特徴的なタイトルは、どのようにして生まれたのでしょうか。

クリス:「Sick」は”病気”っていう意味もあるけど、”最高”っていう意味もありますね。
佐藤:表題曲の歌詞は、一人の自由奔放な女の子を男の子が好きな気持ちで見ているといった内容なので、恋煩いの意味も込めています。恋煩いと、「ヤバイ音だぞ」という「Sick」、いろいろな意味があります。
クリス:最近はアメリカの人が「Sick!」といったら「すごい!」っていう意味ですから。それで、今回は「まりん」こと砂原良徳さんが共同プロデュースで参加していて、こちらも異色のコラボですね。
佐藤:私はトラックメイカーとして好きだったので、いの一番にオファーさせていただきました。
クリス:普段からエレクトロ系は聞いたりしますか?
佐藤:学生時代は、エイフェックス・ツインとか聴いてましたね。邦楽ではar(アル)というインディーズのアルバムをよく聞いてました。
クリス:それは、ギターを弾く前ですか?
佐藤:ポストロックとか、いろいろな音響系のものが流行していた時代に、同時にエレクトロニカというジャンルも流行していて、平行して聞いてました。
クリス:制作は砂原さんの家で?
佐藤:最初は砂原さんの個人スタジオでディスカッションして曲選びとかをして、その後、データのやりとりというか、音だけでやりとりしてました。
クリス:以前、DATSがこの番組に遊びに来た時に、砂原さんが彼らのサウンドをプロデュースをしたら、砂原さんの機材を通すだけで音が変わる、低音が締まる、機材がすごいみたいなことを言ってました。
佐藤:けっこう変わります。音楽のレンジがすごく広くなるんです。今回、ミックスを別の人にやってもらった曲もあるんですけど、最終的にマスタリングは砂原さんにお願いしました。マスタリングにしても音がガラッと変わるので、音の棲み分けがはっきりしたり、レンジが広がったりしました。もともと、ある程度ラフミックスみたいなのを砂原さんに作ってもらってたのを、別のエンジニアにミックスしてもらったこともあって、そのときは「これは、何の機材を使ったらこんな音になるんだろう。これは真似できない」となっちゃって、そのままいこうとなったりとか、そういうことがあったぐらい機材は、「何を使ってるの」とプロのエンジニアが言うぐらい、何かが違うみたいでした。実際にスピーカーで耳で聴いてても違ってました。
クリス:打ち込みのプロというか、電気グルーヴからずっとやってらっしゃる砂原さんとしては、機材だけでもすごいでしょうからね。
佐藤:本人としては、機材をたくさん持つことにはこだわってなくて、かなり減らしたって言ってたんです。確かに砂原さんが仕事するスタジオに行ってみても少なかった。だから少数精鋭で機材を残したみたいで、それですら聞いた人にやっぱり違うって言わせる力があるんで、耳もすごくいいんだと思います。
クリス:みんな試していって消去したんでしょうね。
佐藤:そうだと思います。 クリス:砂原さんと一緒に仕事して学んだ点は?
佐藤:とにかくソフトを教えてもらいました。普通の人があまり使わないソフトで、「おもちゃのサンプリングとかがいっぱい入ってて、これを使うと面白いサウンドになる」と。あとは、エンジニアの作業は時間との戦いだから、パソコンからのレスポンスが1.2秒違うだけで、合計で3時間かかったところが1時間に……という世界なので、「このソフトはすごい」ってのいうのを教えてもらったりとか。打ち込みの極意を教えてもらいました。

音楽の話がつきない二人でした。9月には「きのこ帝国」のワンマンライブ『きのこ帝国 10th Anniversary Final』も開催されます。こちらも要チェック!

この記事の放送回をradikoで聴く
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『SAISON CARD TOKIO HOT 100』
放送日時:日曜 13時-16時54分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tokiohot100/

関連記事