「2018 FIFA ワールドカップ」で勝つためには…名波浩&福西崇史がトーク

J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE SELECTION』。5月27日(日)は、『J-WAVE SELECTION FOOTBALL MIDSEASON TALK』と題し、まもなく開幕となる『2018 FIFAワールドカップ ロシア』をテーマに、『FIFAワールドカップ』出場経験のある元日本代表、ジュビロ磐田の監督、名波 浩さんと、解説などでも活躍する福西崇史さんのスペシャルトークをお届けしました!


■新日本代表に、名波&福西は何を思う?

ワールドカップ開幕まで1カ月をきった5月18日、サッカー日本代表のメンバー27人が発表されました。5月30日(水)にガーナとのテストマッチを経て、その翌日、ロシア大会に向けた23人の最終登録メンバーが決定する予定です。

西野 朗さんが監督を務める新生日本代表を、名波さんと福西さんはどのように思っているのでしょうか?

名波:発表された27人のメンバーをみて、「経験値を相当取ったな」と思いました。それから、コンディションでいったら正直よくない選手もいると思うんだけど、西野さん的には、ワールドカップ初戦にピンポイントでケガが治ったりコンディションがよくなったりするであろう選手たちを選んだという感じだね。
福西:それは俺も一緒で、でも時間はないわけじゃない? そしたら西野さんが監督をするにあたり、最終登録メンバー決定までにテストマッチは一応ガーナ戦しかないわけでしょ。そうすると、選手たちを試すのが優先なのか、やりたいことを選手たちに落とし込むのが優先なのかっていうのは、どう思います?
名波:両方を追っていくしかないでしょ。時間ないなかでもやるべきことをやりきるっていうふうに西野監督は考えていると思うから、「ヤバい、あれ手を付けてないや」とかは、ないようにするタイプだと思うんだけどね。

名波さんは西野さんが名古屋グランパスエイトで監督を務めていた時代に、ある印象的なヒントをもらったと言います。

名波:(西野さんは)「勝っていても先にメンバーを代えたい」と。それはなぜですか? って訊いたら、「ピッチ外から中に刺激を与えるのは選手交代がいちばん手っ取り早いから、勝っていてもメンバーを代えて常に刺激のあるパフォーマンスをやってほしい」みたいなことを言っていて。
福西:なるほどね。相手に勢いがでたから選手を代えようとかリアクション的ではなくてね。
名波:そうそう。だいたい勝っているときに選手は代えないのが常套手段だけど、それは面白い考えだなと思ったけどね。

長年にわたりサッカー日本代表を務めた名波さんは「日韓共催の『2002 FIFAワールドカップ』に出場して、最後に日本代表引退を告げたかった」と当時の知られざるエピソードを明かしてくれました。

名波:実際だったら、2002年のワールドカップ日本対トルコ戦で負けたあと、ミックスゾーンのインタビューで「日本代表を引退します」って言いたかったの。だけどメンバーに入れず、もっと言うと直前のヨーロッパ遠征には日本代表のメンバーには入っていたんだけど、自分から「日本の『Jリーグヤマザキナビスコカップ』(現『JリーグYBCルヴァンカップ』)で試合をやったほうがゲーム感覚を養えるので、その試合の映像を取り寄せて(ワールドカップメンバーに入れるかは)監督が判断してくれ」って言って、俺はヨーロッパ遠征を辞退したの。
福西:へえ。じゃあ、ヨーロッパ遠征の日本代表を辞退しなかったら、もしかしたらメンバーに選ばれていたとかあったのかな?
名波:自分がイタリアでプレーをしていたこともあるし、もちろんワールドカップの経験もあったから(メンバーに選ばれる)可能性はあったかもしれないけど、「故障したヒザの状態じゃ国際試合はダメだな」って。最終的には『Jリーグヤマザキナビスコカップ』でプレーはしたけど、ちょっと自分のなかでは納得できなかったから、ワールドカップの日本代表に外れて当たり前だと思ったしね。実際、ケガで日本代表を外れたなんて自分でも思ってないし、力がなくて外れたと思うしね。

『2018 FIFAワールドカップ ロシア』のグループリーグで、日本代表はコロンビア、セネガル、ポーランドと戦います。6月19日が初戦です。

名波:コロンビア、セネガル、ポーランドってそれぞれストライカーがすごくて、コロンビアはラダメル・ファルカオ、セネガルはサディオ・マネ、ポーランドはロベルト・レヴァンドフスキがいて、このエースストライカーを止めることがまず重要だなと。なぜなら(ワールドカップ)は短期決戦だし、もちろん90分しかないゲームのなかで、彼らエースストライカーが(役割として)仕事をするとチーム自体がノってしまう。もちろん他の選手のケアも必要だけど、彼らをより注視してないと日本代表はズタズタになる可能性もあるから。
福西:でも、(エースストライカーを日本代表は)止められないでしょ。
名波:いや、それはわからないでしょ。
福西:1人では止められないから、2人、3人で守る意識は必要なのかなって。
名波:ちょっと日本代表の宇佐美(貴史)と話す機会があって、宇佐美いわく、ヨーロッパのディフェンスはスピードとパワーで飛び込んでくるけど、Jリーグは相手を遅らせる守備を1対1のときにしてくる。どっちが簡単に抜けるかっていうとヨーロッパの方が抜きやすいけど、アプローチの圧力って意味ではさすがにヨーロッパはすごいし、ボールを取られたら前に早いサッカーが主流だから、ショートカウンターの餌食になりやすい。だけど、ボールをロストしたくないから守りのキープに入っちゃうこともありますね、みたないことは言ってたけどね。
福西:そうだね。それは戦っている選手しかわからないから。
名波:そう考えると、コロンビア、セネガル、ポーランドのストライカーたちを遅らせて止めるのか、誰か屈強な選手に当てながらカバーリングをしていくような守備にするのか。こういう守備の戦術も、見ると楽しくなってきますけどね。

二人のサッカー談義は白熱、話が尽きることはありませんでした。いよいよ6月14日(木)に開幕する『2018 FIFAワールドカップ ロシア』。サッカー日本代表は私たちに、どのような活躍を見せてくれるのか。いまから楽しみですね!

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【番組情報】
番組名:『J-WAVE SELECTION FOOTBALL MIDSEASON TALK』
放送日時: 5月27日(日)22時-23時
オフィシャルサイト: http://www.j-wave.co.jp/original/jwaveplus/

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