3キャリアの新サービス「+メッセージ」、メリットとデメリットは? ITジャーナリストが解説

J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。5月10日(木)のオンエアでは、5月9日(水)から携帯電話大手3社が始めた話題の新サービス「+メッセージ」の狙いと舞台裏に迫りました。

■「+メッセージ」って?

NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社がスタートさせた、電話番号だけで送受信できる新たなメッセージサービス「+メッセージ」。先月行われた3社共同の発表以来、話題になりつつも「今までのショートメールと何が違うの?」「LINEに対抗したサービスじゃないの?」など、さまざまな声が上がっています。

今回はそのサービスの実態や各社の思惑について、ITジャーナリスト・三上 洋さんにお話を伺いました。

「+メッセージ」は、「これまでのショートメールを豪華にしたもの」と三上さん。今までのショートメールは70文字という制限付きでしたが、「+メッセージ」は2730文字まで送信可能です。さらに、画像や動画などの容量の大きなものも送ることができます。

三上:LINEのようにスタンプやグループでのメッセージができ、既読機能も付きます。スマホのメッセージサービスの基本機能を、一気に入れた感じです。
サッシャ:これはドコモ、au、ソフトバンクの大手3社が手を組んで、アプリを共同開発したということになると思うんですけど、なんでこれを作ったんですかね? 「別にLINEでいいじゃん」って話もあると思うんですけど。
三上:「SMS」(ショートメッセージサービス)というサービスは、携帯電話がスタートしたときからずっとあるので、「もっとリッチにしましょう」「文字数や写真をもっと送れるようにしましょう」ということが世界規格として、2016年頃から決められはじめました。

どうせ作るなら3社で足並みをそろえようと、スタートしたそうです。

本来は「RCS」(リッチコミュニケーションサービス)という、世界で使える統一規格に合わせて作ったはずなのですが、現在はまだ日本国内でしか繋がりません。そして、大手3社以外の格安SIMを使っている人も使うことができない上、今のところAndroidのみでiPhoneは使えません。

さらに、さっそくトラブルも起きています。ソフトバンクを使っている人が「+メッセージ」を使うために更新すると、これまでのメールが消えてしまう人やフォルダー分けがめちゃくちゃになってしまう人が続出。そのため、ソフトバンクは9日(水)の夜から一時的に公開停止のトラブルに見舞われました。ちなみに、ドコモとauは問題なかったようです。

まだスタートしたばかりで使用制限はありますが、今後は世界でも使えるようになり、iPhoneや格安SIMにも対応する計画だと言います。

■企業にメリットあり?

「+メッセージ」が世界中で使えるようになると、ビジネスでとても役に立つと、三上さんは言います。

三上:たとえば、私の場合はメールアドレスじゃなくて、いきなり電話がかかってきて取材依頼がくる。そうすると「SMS」での連絡って、けっこうあるんです。なので、「SMS」を仕事上で使っている人は、これで長文も写真も送れるのでとても便利になります。

LINEと比べていいところは、電話番号さえわかればいいので、友だち登録をする必要がないところ。これは企業にとってメリットがあると、三上さんは以下のように解説します。

三上:今まではLINEで企業が宣伝をする場合、企業のLINEアカウントと「友だち」にならなきゃいけなかった。でも、企業の電話番号を携帯電話の形で公開できれば、そこに直接送ってすぐに連絡が取れるので、これはいいかもしれない。

今後どのような展開になるのか、「+メッセージ」に注目ですね。

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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/stepone/

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