J-WAVEで放送中の番組『UR LIFESTYLE COLLEGE』(ナビゲーター:吉岡里帆)。4月29日(日)のオンエアでは、映画監督・三池崇史さんをお迎えして、映画制作の裏側や、5月4日(金・祝)公開の最新監督作『ラプラスの魔女』について伺いました。
■「NO」とは言わない
三池さんの作品を観て「とってもハードコアなものもあれば、シリアスなものもあり、作品を選ばないスタンスがすごくカッコいい」と言う吉岡。
三池:自分の意思を、あまり自分の流れの中に持ち込みたくないっていうか。だいたい自分のことはわからないよね。理想っていうのがあって、そうなろうとしてるんだけど、実は向いてないかもしれない。その理想を捨てれば、その人しか持っていない出会いがあったりとか、流れってできてくると思う。しばらくは流されるようにっていう風にしたら、心地よくなってきて。
吉岡:流される極意って?
三池:なんでも受け入れるっていうか、「NO」って言わない。監督っていう仕事はだいたいNGを出す人なの。「このセリフが違う」とか「このセットは違う」とか。(私の場合は)「これでいいんだ」って。
吉岡:認めるんですね。
三池:大丈夫だけど「ここをこう変えるともっと面白いかもしれない」「OK、それでいい」。演技でも、ベテランの人ですごく不器用で下手な人って、いるじゃないですか。それも味だなって。それに対して「もっと芝居はこうやって」って言うのは、むなしいじゃないですか。それがその人の味なので全部OK。だから予算が少なくてもOK。「こんな予算で作ったらどんなものになるんだろう」って想像つかないのでOK。そうすると、出会ってくるんですよね。演じてる役者とも出会う、演じるべき役の人とも出会って、それもOKなので、その人がバイオレンスな人だったら、当然それを肯定するわけです。そうすると、どんどんバイオレンスな作品になって。やっぱり、主人公のキャラクターが映画の質を変えていくので、突然歌っちゃう人だったらミュージカルになっちゃうし、それを止めない(笑)。
吉岡:すごいですね。
三池:いろんな人がいるから楽しいですよ。
吉岡:どこまでも自由ですね。
三池:ジャンルっていう意識はあまりないですよ。
何でも受け入れる三池さんの自由な考えに感心する吉岡でした。
■東野圭吾ミステリー史上、最も異色の衝撃作
三池さんが監督した映画『ラプラスの魔女』は、作家・東野圭吾さん原作のミステリー作品です。
吉岡:この映画を撮られてどうでしたか?
三池:なんか難しかったですよね。自分の多くの作品は、困ったときには暴れて解決するみたいな(笑)。
吉岡:監督らしい言葉ですね(笑)。
三池:「うーん、どうしよう、もう、やっちゃえ!」みたいな、そういうキャラクターが多かったんだけど、初めて「なんだ、これは?」って深く考えて答えを出そうとする人たちだった。そもそもミステリーってそういうものなので、そういう点では不安はありましたよね。「お話ばっかりしてる」とかね。
吉岡:そうなんですよね。本編は、東野さんのミステリー史上、最も異色の衝撃作と言われていて、本当に緻密に作り上げられていく。
三池:それを大胆に東野さん自身が壊していくっていう原作だったので、ある意味でバイオレンスですよね。そこはなんとか映画でも表現できればなっていうのがありました。
■嵐・櫻井 翔が役者として素晴らしい理由
三池さんは、映画『ラプラスの魔女』で主演を務めた櫻井 翔さんが「自分にとって大事な役者であり、大事な思い出」だと話します。
三池:映画『ヤッターマン』って作品をやって、櫻井さんは、ガンちゃん(高田ガン)っていう主人公なんだけど、完璧だなって思ったんですよ。「この人はガンちゃんをやるために生まれてきたんじゃないか」って(笑)。
吉岡:(笑)。
三池:それくらい気持ちのいい時間を過ごせて。役者って、周りの役者の力っていうか、雰囲気を変えていくんですよね。育てていくんですよ。監督がどうこう言うよりも、役者同士で変わっていくんですよ。本人は無色透明に近いんだけど、その櫻井 翔を見た周りの役者たちが、日々変わっていくっていうのは、あの頃からですよね。久しぶりに会ってガッカリする人って、けっこう多いじゃないですか。特にあれだけスーパーアイドルを長くやっていると、仕事に慣れてしまうというか、器用さを持ちはじめて、表面だけでこなせてしまう。(櫻井さんはあの頃と)同じですよね。自分に対して厳しい。一生懸命やる。楽しむ。その姿勢が全然変わらないので、すごくホッとした。
三池さんから櫻井さんの作品に対する変わらない姿勢を聞いて「素敵ですね」とあたたかい気持ちになる吉岡でした。
そのほか、三池さんの少年時代の話や、いま欲しい物など、たっぷりお話を伺いました。三池さんが監督を務めた映画『ラプラスの魔女』、ぜひ劇場でご覧ください。
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【番組情報】
番組名:『UR LIFESTYLE COLLEGE』
放送日時:日曜 18時-18時54分
オフィシャルサイト: http://www.j-wave.co.jp/original/lscollege/
■「NO」とは言わない
三池さんの作品を観て「とってもハードコアなものもあれば、シリアスなものもあり、作品を選ばないスタンスがすごくカッコいい」と言う吉岡。
三池:自分の意思を、あまり自分の流れの中に持ち込みたくないっていうか。だいたい自分のことはわからないよね。理想っていうのがあって、そうなろうとしてるんだけど、実は向いてないかもしれない。その理想を捨てれば、その人しか持っていない出会いがあったりとか、流れってできてくると思う。しばらくは流されるようにっていう風にしたら、心地よくなってきて。
吉岡:流される極意って?
三池:なんでも受け入れるっていうか、「NO」って言わない。監督っていう仕事はだいたいNGを出す人なの。「このセリフが違う」とか「このセットは違う」とか。(私の場合は)「これでいいんだ」って。
吉岡:認めるんですね。
三池:大丈夫だけど「ここをこう変えるともっと面白いかもしれない」「OK、それでいい」。演技でも、ベテランの人ですごく不器用で下手な人って、いるじゃないですか。それも味だなって。それに対して「もっと芝居はこうやって」って言うのは、むなしいじゃないですか。それがその人の味なので全部OK。だから予算が少なくてもOK。「こんな予算で作ったらどんなものになるんだろう」って想像つかないのでOK。そうすると、出会ってくるんですよね。演じてる役者とも出会う、演じるべき役の人とも出会って、それもOKなので、その人がバイオレンスな人だったら、当然それを肯定するわけです。そうすると、どんどんバイオレンスな作品になって。やっぱり、主人公のキャラクターが映画の質を変えていくので、突然歌っちゃう人だったらミュージカルになっちゃうし、それを止めない(笑)。
吉岡:すごいですね。
三池:いろんな人がいるから楽しいですよ。
吉岡:どこまでも自由ですね。
三池:ジャンルっていう意識はあまりないですよ。
何でも受け入れる三池さんの自由な考えに感心する吉岡でした。
■東野圭吾ミステリー史上、最も異色の衝撃作
三池さんが監督した映画『ラプラスの魔女』は、作家・東野圭吾さん原作のミステリー作品です。
吉岡:この映画を撮られてどうでしたか?
三池:なんか難しかったですよね。自分の多くの作品は、困ったときには暴れて解決するみたいな(笑)。
吉岡:監督らしい言葉ですね(笑)。
三池:「うーん、どうしよう、もう、やっちゃえ!」みたいな、そういうキャラクターが多かったんだけど、初めて「なんだ、これは?」って深く考えて答えを出そうとする人たちだった。そもそもミステリーってそういうものなので、そういう点では不安はありましたよね。「お話ばっかりしてる」とかね。
吉岡:そうなんですよね。本編は、東野さんのミステリー史上、最も異色の衝撃作と言われていて、本当に緻密に作り上げられていく。
三池:それを大胆に東野さん自身が壊していくっていう原作だったので、ある意味でバイオレンスですよね。そこはなんとか映画でも表現できればなっていうのがありました。
■嵐・櫻井 翔が役者として素晴らしい理由
三池さんは、映画『ラプラスの魔女』で主演を務めた櫻井 翔さんが「自分にとって大事な役者であり、大事な思い出」だと話します。
三池:映画『ヤッターマン』って作品をやって、櫻井さんは、ガンちゃん(高田ガン)っていう主人公なんだけど、完璧だなって思ったんですよ。「この人はガンちゃんをやるために生まれてきたんじゃないか」って(笑)。
吉岡:(笑)。
三池:それくらい気持ちのいい時間を過ごせて。役者って、周りの役者の力っていうか、雰囲気を変えていくんですよね。育てていくんですよ。監督がどうこう言うよりも、役者同士で変わっていくんですよ。本人は無色透明に近いんだけど、その櫻井 翔を見た周りの役者たちが、日々変わっていくっていうのは、あの頃からですよね。久しぶりに会ってガッカリする人って、けっこう多いじゃないですか。特にあれだけスーパーアイドルを長くやっていると、仕事に慣れてしまうというか、器用さを持ちはじめて、表面だけでこなせてしまう。(櫻井さんはあの頃と)同じですよね。自分に対して厳しい。一生懸命やる。楽しむ。その姿勢が全然変わらないので、すごくホッとした。
三池さんから櫻井さんの作品に対する変わらない姿勢を聞いて「素敵ですね」とあたたかい気持ちになる吉岡でした。
そのほか、三池さんの少年時代の話や、いま欲しい物など、たっぷりお話を伺いました。三池さんが監督を務めた映画『ラプラスの魔女』、ぜひ劇場でご覧ください。
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【番組情報】
番組名:『UR LIFESTYLE COLLEGE』
放送日時:日曜 18時-18時54分
オフィシャルサイト: http://www.j-wave.co.jp/original/lscollege/