J-WAVEで放送中の番組『GOLD RUSH』(ナビゲーター:渡部 建)のワンコーナー「haletto GIRL'S INFO COUNTER」。4月13日(金)のオンエアでは、ジャーナリスト・堀 潤さんをゲストにお迎えし、SNSの活用法、フェイクニュースの見分け方について伺いました。
■堀さんはSNSをどう活用?
SNSについて、堀さんは自身の活用法をこのように述べました。
堀:Twitterは速報性も高いし、文字、映像、動画、アンケートと、いろんな機能が充実しているので、メディア発信にはすごく重宝しています。あと、LINEとかも、個人間だけじゃなくて、僕の場合は取材で、たとえば地震が発生しました、現地のみなさんに「情報発信を手伝ってほしいって方がいらっしゃったら、ぜひ僕に連絡ください」って、LINEのIDを常時公開しているんですよ。直接、映像を撮ってもらって僕のほうに送ってもらえる。早いじゃないですか、LINEって。写真も動画も、そういう形で結びついていったりしています。
他にも堀さんは、FacebookはFacebook Liveを用いて現場からライブ配信したり、Instagramのストーリー機能を活用したりしている、と付け加えました。
■どんな情報も、すべてを鵜呑みにしないこと
さまざまな情報が飛び交うインターネット。何が本当で何が嘘か、どのように見極め、どんな情報をピックアップすればよいのでしょうか。
堀:どんな情報であれ、「これ本当かな?」「これ大丈夫?」という疑いのまなざしを向けておく必要があると思います。
渡部:その情報が信頼できるかどうか、どう審査していけばいいんですか?
堀:まず、情報がホールケーキだとすると、「目の前にあるのは、ワンカットだ。この情報のまわりには、ホールケーキの残り部分がいっぱいあるんだ」と想像する。たとえば今だったら、「総理大臣官邸はこう言った」ってニュースが流れてきました。「え、そうなの!」じゃなくて、「それはわかるんだけど、じゃあ他の人はどう言ってるんだ?」とか「そもそもこれって誰からの情報なんだ?」とか、常にその他のことに目を向けて。
■人々はメディアを信じすぎている?
堀さんによると、アメリカやヨーロッパで「メディアのことを信じていますか?」とアンケートをすると3~4割しか信じていませんが、日本は6~7割ほど信じているとのこと。
堀:これ、どっちがいいのっていうと、僕は3割のほうがいいと思います。なぜかと言うと、みんなそれだけ距離を置いているから。「それって誰かが作った情報だろ? 簡単に信じられないよ」って。
渡部:そうなると、一般の方はどう付き合っていけばいいですかね? 発信するほうも聞き取るほうも。
堀:僕が提唱しているのは、大きな主語よりも小さな主語。大きな主語というのは、「我々は」とか「僕らは」とか「日本は」とか「社会は」とか「メディアは」とか「被災地は」とか。これ、規模感が大きいじゃないですか。でもこれって、なにか言っているようで「本当に言ってますか」と。
■大きな主語は余計な対立を生むことも…
大きな主語で語られるものは、「ものすごく主観的な言葉」だと堀さんは指摘します。
堀:「被災地は今、苦しんでいます」と言っても、「私は岩手県の○○町ですけど、震災からはもう復興して、今は日常を取り戻してます」という人もいるでしょう。でも、ある人にとっては「報道の通りなんです、今も仮設住宅で暮らしていて苦しいです、もっと言ってください」となる。ここに、余計な対立とか偏見が生まれるんです。「なにいってんだよ。『被災地は被災地は』って言うなよ」、「いやいや、もっと言ってよ」って。これって、主語が大きいからです。いちばん小さい主語ってなんですかって、震災だったら、「東日本は」は、まだ大きい。「東北は」も、まだ大きい。
渡部:大きいですね。
堀:そうなったときは、たとえば「福島県富岡町のJR富岡駅前で中華料理店を営んできた○○さんは、震災から7年以上が経過した今も店を再開できずにいて、つらい思いをしているんですよ」と。これだと「そうだろ」「違うだろ」というのはなかなか起きないです。
渡部:そうですよね。
堀:でもみなさんに警戒してほしいんですよ。テレビのコメンテーターのみなさんとか見ていても、大きな主語で語っている人がものすごく多い。新聞とかいろんなネットニュースを見ていても、たとえば「関係者は……と言った」って、「おいおい、関係者ってどこよ」と。
渡部:確かにそうですよね。漠然としていて、具体性がないですよね。
堀:そうなんですよ。「……と官僚は言った」って、「官僚って誰よ」みたいな。よくよく見てみると大きな主語。これは大警戒なんですよ。
堀さんは、大きな主語で書かれている情報を読んだ場合に、「なにかを隠している」、「取材が甘い」、「勝手に書いている」と警戒し、小さい主語で書かれている場合は、「その人の意見なのか?」、「事実なのか?」と考え、読み解いていると教えてくれました。
堀さんは、今年3月に著書『堀潤の伝える人になろう講座』(朝日新聞出版)を発売。ネット社会における情報受発信のノウハウを伝授した1冊です。ぜひチェックしてみてください。
次週4月20日(金)の『GOLD RUSH』では、世界最大級のローカルヒーロー祭りの主催者が語る、ローカルヒーロー物語をお届けします。ゴールデンウィークに思わず会いに行きたくなるような個性派ヒーローがそろい踏みです。さらに、ローカルヒーローの作り方もレクチャーしてくれるので、お楽しみに。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:金曜 16時30分-20時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/
■堀さんはSNSをどう活用?
SNSについて、堀さんは自身の活用法をこのように述べました。
堀:Twitterは速報性も高いし、文字、映像、動画、アンケートと、いろんな機能が充実しているので、メディア発信にはすごく重宝しています。あと、LINEとかも、個人間だけじゃなくて、僕の場合は取材で、たとえば地震が発生しました、現地のみなさんに「情報発信を手伝ってほしいって方がいらっしゃったら、ぜひ僕に連絡ください」って、LINEのIDを常時公開しているんですよ。直接、映像を撮ってもらって僕のほうに送ってもらえる。早いじゃないですか、LINEって。写真も動画も、そういう形で結びついていったりしています。
他にも堀さんは、FacebookはFacebook Liveを用いて現場からライブ配信したり、Instagramのストーリー機能を活用したりしている、と付け加えました。
■どんな情報も、すべてを鵜呑みにしないこと
さまざまな情報が飛び交うインターネット。何が本当で何が嘘か、どのように見極め、どんな情報をピックアップすればよいのでしょうか。
堀:どんな情報であれ、「これ本当かな?」「これ大丈夫?」という疑いのまなざしを向けておく必要があると思います。
渡部:その情報が信頼できるかどうか、どう審査していけばいいんですか?
堀:まず、情報がホールケーキだとすると、「目の前にあるのは、ワンカットだ。この情報のまわりには、ホールケーキの残り部分がいっぱいあるんだ」と想像する。たとえば今だったら、「総理大臣官邸はこう言った」ってニュースが流れてきました。「え、そうなの!」じゃなくて、「それはわかるんだけど、じゃあ他の人はどう言ってるんだ?」とか「そもそもこれって誰からの情報なんだ?」とか、常にその他のことに目を向けて。
■人々はメディアを信じすぎている?
堀さんによると、アメリカやヨーロッパで「メディアのことを信じていますか?」とアンケートをすると3~4割しか信じていませんが、日本は6~7割ほど信じているとのこと。
堀:これ、どっちがいいのっていうと、僕は3割のほうがいいと思います。なぜかと言うと、みんなそれだけ距離を置いているから。「それって誰かが作った情報だろ? 簡単に信じられないよ」って。
渡部:そうなると、一般の方はどう付き合っていけばいいですかね? 発信するほうも聞き取るほうも。
堀:僕が提唱しているのは、大きな主語よりも小さな主語。大きな主語というのは、「我々は」とか「僕らは」とか「日本は」とか「社会は」とか「メディアは」とか「被災地は」とか。これ、規模感が大きいじゃないですか。でもこれって、なにか言っているようで「本当に言ってますか」と。
■大きな主語は余計な対立を生むことも…
大きな主語で語られるものは、「ものすごく主観的な言葉」だと堀さんは指摘します。
堀:「被災地は今、苦しんでいます」と言っても、「私は岩手県の○○町ですけど、震災からはもう復興して、今は日常を取り戻してます」という人もいるでしょう。でも、ある人にとっては「報道の通りなんです、今も仮設住宅で暮らしていて苦しいです、もっと言ってください」となる。ここに、余計な対立とか偏見が生まれるんです。「なにいってんだよ。『被災地は被災地は』って言うなよ」、「いやいや、もっと言ってよ」って。これって、主語が大きいからです。いちばん小さい主語ってなんですかって、震災だったら、「東日本は」は、まだ大きい。「東北は」も、まだ大きい。
渡部:大きいですね。
堀:そうなったときは、たとえば「福島県富岡町のJR富岡駅前で中華料理店を営んできた○○さんは、震災から7年以上が経過した今も店を再開できずにいて、つらい思いをしているんですよ」と。これだと「そうだろ」「違うだろ」というのはなかなか起きないです。
渡部:そうですよね。
堀:でもみなさんに警戒してほしいんですよ。テレビのコメンテーターのみなさんとか見ていても、大きな主語で語っている人がものすごく多い。新聞とかいろんなネットニュースを見ていても、たとえば「関係者は……と言った」って、「おいおい、関係者ってどこよ」と。
渡部:確かにそうですよね。漠然としていて、具体性がないですよね。
堀:そうなんですよ。「……と官僚は言った」って、「官僚って誰よ」みたいな。よくよく見てみると大きな主語。これは大警戒なんですよ。
堀さんは、大きな主語で書かれている情報を読んだ場合に、「なにかを隠している」、「取材が甘い」、「勝手に書いている」と警戒し、小さい主語で書かれている場合は、「その人の意見なのか?」、「事実なのか?」と考え、読み解いていると教えてくれました。
堀さんは、今年3月に著書『堀潤の伝える人になろう講座』(朝日新聞出版)を発売。ネット社会における情報受発信のノウハウを伝授した1冊です。ぜひチェックしてみてください。
次週4月20日(金)の『GOLD RUSH』では、世界最大級のローカルヒーロー祭りの主催者が語る、ローカルヒーロー物語をお届けします。ゴールデンウィークに思わず会いに行きたくなるような個性派ヒーローがそろい踏みです。さらに、ローカルヒーローの作り方もレクチャーしてくれるので、お楽しみに。
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【番組情報】
番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:金曜 16時30分-20時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/