J-WAVEでオンエア中の「~JK RADIO~TOKYO UNITED」(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「FEATURE FOCUS」。2月2日(金)のオンエアでは、アメリカのポピュラー音楽やポップカルチャーに詳しい慶應義塾大学教授の大和田俊之さんが、第60回グラミー賞について語りました。
ノミネートされた6部門全てを制覇したブルーノ・マーズ。まず大和田さんは、ブルーノの誤解されやすい出自について解説。
「ブルーノ・マーズはアフリカ系ではありません。お父さんがプエルトリコ系、お母さんがフィリピン系。アメリカの国勢調査上は、ヒスパニック・ラティーノ、アジア系ということになるんです」
ブルーノは受賞スピーチで、ベイビーフェイスとジャム&ルイス、テディ・ライリーの名前を挙げて感謝。そんなブルースについて大和田さんは、「黒人ではないブルーノが、80年代後半から90年代前半のニュージャックスウィングと言われる黒人音楽にオマージュを捧げたアルバムを作った」と説明。実はブルースの本名は、ピーター・ジーン・ヘルナンデス。そのため、音楽業界に入ったばかりのころは、「ラテン音楽をやったらどうか?」と言われたこともあったそう。それを振りきり、ブルースはR&Bやポップスの世界で活躍する存在となりました。大和田さんは、「そのアイデンティティの在り方が現代的だと思います」とも語っています。
現地メディアでは「ケンドリック・ラマーが受賞すべきだった」という声も多かったようですが、このことについて大和田さんは次のように話します。
「グラミー賞というのは、尖ったものというより保守的なものです。今回ケンドリック・ラマーのアルバムは非常に評価が高かったけど、ブルーノ・マーズのアルバムも売れました。ブルーノが受賞するのは、非常にグラミー的だなと思いました」
また、過去のグラミー賞のノミネーションを分析すると「男性アーティストが圧倒的に多い」という指摘もあります。この件について、大和田さんは今回のグラミー賞で象徴的だったことを教えてくれました。
「2017年のアメリカで大活躍した女性アーティストはカーディー・Bです。ストリッパーからリアリティショーのスターを経験して、ラッパーになりました。通常ヒップホップだと、男性の大御所ラッパーにフックアップされてシーンに出てくることが多いなか、独力でチャートを上がりビルボードで1位を獲得。1998年のローリン・ヒル以来の女性MCのシングルチャート制覇ということで話題になりました。
彼女を押し上げるために所属レコード会社のCOO、ジュリー・グリーンウォルドという女性が奔走しています。女性と女性が組んで、シングルチャートを制覇したんです。そんな“女性のエンパワーメント・ムーブメント”を代表する存在を、ブルーノ・マーズがフィーチャーしたことも象徴的です」(大和田さん)
「エンターテインメントなんですけど、社会的メッセージを発していくのが欠かせない感じになっていた」と大和田さんが振り返った今年のグラミー賞。「これだけメッセージを発しても、年間最優秀アルバム部門に女性で唯一ノミネートされたロードのパフォーマンスが、時間の関係上カットされたことが問題に。そういう声が上がることもアメリカ的。それもアメリカのエンターテインメントのおもしろさ」と総括していました。
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【番組情報】
番組名:「~JK RADIO~TOKYO UNITED」
放送日時:毎週金曜 6時-11時30分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/
ノミネートされた6部門全てを制覇したブルーノ・マーズ。まず大和田さんは、ブルーノの誤解されやすい出自について解説。
「ブルーノ・マーズはアフリカ系ではありません。お父さんがプエルトリコ系、お母さんがフィリピン系。アメリカの国勢調査上は、ヒスパニック・ラティーノ、アジア系ということになるんです」
ブルーノは受賞スピーチで、ベイビーフェイスとジャム&ルイス、テディ・ライリーの名前を挙げて感謝。そんなブルースについて大和田さんは、「黒人ではないブルーノが、80年代後半から90年代前半のニュージャックスウィングと言われる黒人音楽にオマージュを捧げたアルバムを作った」と説明。実はブルースの本名は、ピーター・ジーン・ヘルナンデス。そのため、音楽業界に入ったばかりのころは、「ラテン音楽をやったらどうか?」と言われたこともあったそう。それを振りきり、ブルースはR&Bやポップスの世界で活躍する存在となりました。大和田さんは、「そのアイデンティティの在り方が現代的だと思います」とも語っています。
現地メディアでは「ケンドリック・ラマーが受賞すべきだった」という声も多かったようですが、このことについて大和田さんは次のように話します。
「グラミー賞というのは、尖ったものというより保守的なものです。今回ケンドリック・ラマーのアルバムは非常に評価が高かったけど、ブルーノ・マーズのアルバムも売れました。ブルーノが受賞するのは、非常にグラミー的だなと思いました」
また、過去のグラミー賞のノミネーションを分析すると「男性アーティストが圧倒的に多い」という指摘もあります。この件について、大和田さんは今回のグラミー賞で象徴的だったことを教えてくれました。
「2017年のアメリカで大活躍した女性アーティストはカーディー・Bです。ストリッパーからリアリティショーのスターを経験して、ラッパーになりました。通常ヒップホップだと、男性の大御所ラッパーにフックアップされてシーンに出てくることが多いなか、独力でチャートを上がりビルボードで1位を獲得。1998年のローリン・ヒル以来の女性MCのシングルチャート制覇ということで話題になりました。
彼女を押し上げるために所属レコード会社のCOO、ジュリー・グリーンウォルドという女性が奔走しています。女性と女性が組んで、シングルチャートを制覇したんです。そんな“女性のエンパワーメント・ムーブメント”を代表する存在を、ブルーノ・マーズがフィーチャーしたことも象徴的です」(大和田さん)
「エンターテインメントなんですけど、社会的メッセージを発していくのが欠かせない感じになっていた」と大和田さんが振り返った今年のグラミー賞。「これだけメッセージを発しても、年間最優秀アルバム部門に女性で唯一ノミネートされたロードのパフォーマンスが、時間の関係上カットされたことが問題に。そういう声が上がることもアメリカ的。それもアメリカのエンターテインメントのおもしろさ」と総括していました。
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放送日時:毎週金曜 6時-11時30分
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