サカナクション・山口が語る、30年後を見据えた音作りのこだわり

J-WAVEでは2月12日(月・祝)に、特別番組「J-WAVE HOLIDAY SPECIAL KAMARQ presents EXPAND YOUR WORLD」(ナビゲーター:サッシャ)を9時間に渡ってオンエア。今回はそのなかから、サカナクションのボーカル・山口一郎さんをゲストに迎えたトークをお届け。“30年後を意識して行っていること”を語ってくれました。

サカナクションは、1万人以上を収容できる巨大な会場で、「6.1ch サラウンドライブ」を行いました。200を超えるスピーカーと、6方向から音を放つ6.1chの音響システムを導入。音の遠近感を強調した演出ができるなど表現の幅が広がり、よりいっそう「体験」に近い音楽を実現することが可能になっているそうです。

山口:レコーディングは、2つのスピーカー、つまりステレオで行います。ステレオでの考え方をライブに持ち込んでやっているわけですよね。
サッシャ:ほとんどのアーティストはそうですよね。音に携わっていない人だと、「ステレオでできないことってなんなんだろう?」という疑問も湧くと思います。スピーカーの数を増やして、横から後ろから音が聞こえるようになると、音楽的には何ができるようになるんですか?
山口:例えば、音が遠くから自分ほうにやってくる、ということがサラウンド(立体音響)になるとできるんです。小さい音が大きくなって音の遠近感が表現されるんじゃなくて、実際に音が移動する。ライブが、より“体験”になっていくんですよね。インターネットが普及して音楽の聞き方が変化していくなかで、ライブというフォーマットは変わらずあり続ける。“体験”はいつの時代も大切だけど、昨今は高い質が求められるようになっていますよね。僕らはそこで、どのくらい表現できるのかを変化させていきたいんです。

ライブのコストは増加しましたが、チケットの値段をそのぶん上げるわけにもいかないため、グッズの収益でまかなったそう。

山口:ビジネスとして音楽をやるのをやめようよ、と。みんなにいい体験をしてもらって、サカナクションはこういう姿勢でやっているんだっていう大義みたいなものを知らせていくツアーをやろうよ、というのが自分たちのチームのコンセプトになっています。
サッシャ:……という反面、ファンは“音楽で成功してヒーローになっていく姿”も、体験として見てみたいものじゃないですか。それは収益を度外視すると相反してしまいますよね。そこはどう思っていますか?
山口:僕は……世間的な“ロックバンドの夢”って、昔から変わらないと思うんです。女の子をはべらせて(笑)、高い車に乗って、いい家に住むみたいな。だけど、こんだけテクノロジーが進化したから、ロックバンドが抱く夢もアップデートしていくべきなんじゃないかなって思ってて。CDを作ってライブをするだけじゃなく、もっといろんな方向で表現して、そういうアップデートができないかなって考えてます。

音に対して強いこだわりを持っている山口さん。ライブというサカナクションの活動の基盤を、音源でどう届けるかも工夫しています。そこで難しいのが、リスナーはそれぞれ異なった機器で再生しているため、“何を基準にして音源を作るのか”だと言います。サカナクションは、質の低いスピーカーに合わせるのではなく、高品質なオーディオ環境で聴くと、より楽しめる音作りをしているそう。その狙いを、こう話します。

山口:30年後には、スピーカーのシステムや性能も上がってて。今この時代だと、自分たちが再生したかった音は多くの人が聞こえないかもしれないけど、30年後には再生されると。そうなると、盛りだくさんで作っておいたほうが建設的かな、未来に聞いたときに再評価されるかなという考えています。山下達郎さんの昔の楽曲を聴くと、今でもすばらしい。それは当時のすばらしいものをパッケージしていってることの賜物だと思うので。

未来を見据えた山口さんの考えに、サッシャも「すごい」と一言。テクノロジーとともに音楽がどう変化していくのか、サカナクションはどんな“表現”を楽しませてくれるのか、ワクワクするようなトークが繰り広げられました。

この記事の放送回をradikoで聴く
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:特別番組「J-WAVE HOLIDAY SPECIAL KAMARQ presents EXPAND YOUR WORLD」
放送日時:2月12日(月・祝)9時-17時55分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/holiday/20180212/

関連記事