大島新「ラーメン文化を外国人に見てもらいたい」

J-WAVEで放送中の番組「RADIO DONUTS」(ナビゲーター:渡辺祐・山田玲奈)のワンコーナー「TOKYO GAS LIFE IS A GIFT」。1月27日(土)のオンエアでは、ドキュメンタリー映画「RAMEN HEADS」のプロデューサー・大島新さんにお話を伺いました。

千葉県松戸市にあるラーメン店「中華蕎麦 とみ田」 への密着取材を通して日本特有のラーメン文化を描いたこの作品。「2013年に寿司屋『すきやばし次郎』を追ったアメリカ映画『二郎は鮨の夢を見る』をみて『やられたな』と思いまして…」と振り返る大島さん。「よく出来ていて、これをアメリカ人に作られて悔しかったのと、日本人だったらこの作りはしない」と思い、日本の食文化を、日本のドキュメンタリー製作者の手でやりたいと考えたのが、企画のきっかけでした。

大島さんは、監督として「シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録」や「園子温という生きもの」といったドキュメンタリー作品を発表してきました。今回はプロデューサーとして「RAMEN HEADS」に関わり、監督は職人気質の料理人の取材経験が豊富という、「情熱大陸」や「課外授業 ようこそ先輩」などの演出をてがけてきた重乃康紀さんが担当。「数ある人気ラーメン店の中でも、いまドキュメンタリーを撮るなら、とみ田さんだ!」という重乃さんによる熱いプレゼンにより、富田治さんへの1年3カ月にもわたる取材が実現しました。

「とみ田は100人が食べたら100人がおいしいというラーメンではないんです。場合によっては5~8割くらいは苦手な人がいるんじゃないかという味。だけど、好きな人はリピート率が高い。彼は駄目な人は来なくてもいいという姿勢で、誰でもおいしいマイルドなものはやる気がない。哲学というか、大勝軒・山岸一雄さんの作ったラーメンの衝撃があって、それを突き詰めているんですよ。自分の好きなものに恥じない味を突き詰めてるのが凄いなと思います。」(大島さん 以下同)

「この作品を海外の人に見てもらいたいと思った」という大島さん。海外の人にどう見てもらうかを意識し、ナレーションでも「黙々とラーメンをすするのは日本人なら誰でも知るマナー」や「茹で上げた麺を冷水でしめるのは麺好きの日本人が蕎麦やうどんでもやってきたこと」など、日本人が聞くと違和感のあるナレーションですが、外国人にラーメンを知ってもらうスタンスで作ったからこそだと言います。そんな工夫もあり、5月トロントでのワールドプレミアの反響は大きく、配給のオファーもあり、3月から全米公開も決定しています。

作中に出てくる「麺のすすり心地」については、西洋の食文化では悪いマナーとされるため、大島さんは気にしていたそうですが「最初はしかめっ面で見ていた人も、映画を見ていくうちに面白がってくれ、好意的になっていった」とのこと。また「冨田さんと弟子との関係性も海外の人には鉄板で受けていた」と語りました。

実は「それほどラーメン好きではなかった」という大島さん。しかし、この作品でその魅力に気づき「外来のものをここまでアレンジして異常なまでに高めているというのが日本的だなと。それは良き食べる人=ヘッズがいるからなんです。良きヘッズがいるから『頑張るぞ!』となるので。寿司だったら素材を大切にする食べ物だからそんなに変わらないですが、ラーメンはつけ麺とにぼし系ラーメンとか、全く違う食べ物なのに、ラーメンにカテゴライズされていて、みんなが『どこがおいしい』とか話してることが不思議だなと思います」と改めてラーメン文化の面白さを語りました。

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【番組情報】
番組名:「RADIO DONUTS」
放送日時:毎週土曜 8時-12時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts/

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