J-WAVEで放送中の番組「JAM THE WORLD」(月曜担当ナビゲーター:津田大介)のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」。2月6日(月)のオンエアでは、「東芝 粉飾の原点 内部告発が暴いた闇」の著者で、日経ビジネス誌記者の小笠原啓さんをゲストにお迎えし、今、東芝で何が起きているのかについて深く切り込みました。
先月28日、東芝はアメリカの原発事業で最大7000億円もの巨額損失が見込まれることを受け、同社会長が退任する方向であることが分かりました。東芝といえば、2015年に不正会計問題が発覚し、歴代3社長が辞任するという大騒動になり、今は新しい経営陣のもとで、再生を目指している途中でした。
2015年の東芝の不正会計問題を取材され、原発子会社の赤字隠しをスクープした小笠原さんは、2015年に発覚した東芝の不正会計問題を「日本で起きた過去最大級の粉飾決算事件だと思います」とおっしゃいます。
2008年から7年の間に、社会インフラや半導体、テレビ・パソコンといった東芝社内の各事業部門が、経営陣が無理に作った目標を実現しようとして利益を水増し。7年間の水増し額は合計で2306億円に上りました。
東芝が粉飾会計に手を染めた原点は、「2006年にアメリカの『ウェスティングハウス』という原子炉を作っているメーカーを約6000億円で買収したところからだと考えています」と小笠原さん。ウェスティングハウスの企業価値は2000億円くらいと言われていたのですが、買収を他の企業と競う中で6000億円まで値がつり上がってしまったそう。
それでも買収当初はまだ、福島の原発事故も起きておらず、再生可能エネルギーの研究もそれほど進んでいませんでした。そのため、「原子力はまだこれから成長可能産業」と見込んでいたのですが、世界情勢の変化もあってその思惑は大きく崩れ、これをきっかけに東芝は「不正会計」に手を染めていくことになったと小笠原さんは説明します。
小笠原さんの著書「東芝 粉飾の原点 内部告発が暴いた闇」が出版された頃は、そんな東芝が「これから立ち直れるのか?」という状況で終わっていましたが、それから約半年経った現在、新たに7000億円という巨額損失が発覚するという衝撃の展開に。これまで東芝の経営について深く調べ尽くしていたはずの小笠原さんですら、今回の一報には驚かれたそうです。一言で言うと原因はどこにあるのでしょうか?
「一言で言うと、ウェスティングハウスの不調、減損を隠そうとしたところで、余計なものを買ってしまった、というところにあります」(小笠原さん)
そして、東芝が傘下に収めてわずか1年で巨額損失の火種となった「ストーン・アンド・ウェブスター」。この会社はいわゆるゼネコンで、東芝はウェスティングハウスにまつわるある事情によりこの会社を買収したのですが、その買収額は0ドル、つまり企業価値がマイナスの会社だったそうです。「このマイナス資産が、当初想定していた金額より大きく膨れ上がってしまった」ことが今回の巨額損失の原因。「非常に資産査定が甘かったと、結果からすると言わざるをえないと思います」(小笠原さん)
まさに止まらない負の連鎖。さらにこれを受けて、これまで東芝にお金を貸していた銀行が見限ってしまった場合、東芝は本当に終わってしまう状況だそうです。東芝は先日、2016年4月から12月期の連結決算を2月14日に開示すると発表しました。日本を代表する大企業・東芝の今後を大きく左右するターニングポイントとなりそうです。
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【番組情報】
番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:平日 20時-22時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
先月28日、東芝はアメリカの原発事業で最大7000億円もの巨額損失が見込まれることを受け、同社会長が退任する方向であることが分かりました。東芝といえば、2015年に不正会計問題が発覚し、歴代3社長が辞任するという大騒動になり、今は新しい経営陣のもとで、再生を目指している途中でした。
2015年の東芝の不正会計問題を取材され、原発子会社の赤字隠しをスクープした小笠原さんは、2015年に発覚した東芝の不正会計問題を「日本で起きた過去最大級の粉飾決算事件だと思います」とおっしゃいます。
2008年から7年の間に、社会インフラや半導体、テレビ・パソコンといった東芝社内の各事業部門が、経営陣が無理に作った目標を実現しようとして利益を水増し。7年間の水増し額は合計で2306億円に上りました。
東芝が粉飾会計に手を染めた原点は、「2006年にアメリカの『ウェスティングハウス』という原子炉を作っているメーカーを約6000億円で買収したところからだと考えています」と小笠原さん。ウェスティングハウスの企業価値は2000億円くらいと言われていたのですが、買収を他の企業と競う中で6000億円まで値がつり上がってしまったそう。
それでも買収当初はまだ、福島の原発事故も起きておらず、再生可能エネルギーの研究もそれほど進んでいませんでした。そのため、「原子力はまだこれから成長可能産業」と見込んでいたのですが、世界情勢の変化もあってその思惑は大きく崩れ、これをきっかけに東芝は「不正会計」に手を染めていくことになったと小笠原さんは説明します。
小笠原さんの著書「東芝 粉飾の原点 内部告発が暴いた闇」が出版された頃は、そんな東芝が「これから立ち直れるのか?」という状況で終わっていましたが、それから約半年経った現在、新たに7000億円という巨額損失が発覚するという衝撃の展開に。これまで東芝の経営について深く調べ尽くしていたはずの小笠原さんですら、今回の一報には驚かれたそうです。一言で言うと原因はどこにあるのでしょうか?
「一言で言うと、ウェスティングハウスの不調、減損を隠そうとしたところで、余計なものを買ってしまった、というところにあります」(小笠原さん)
そして、東芝が傘下に収めてわずか1年で巨額損失の火種となった「ストーン・アンド・ウェブスター」。この会社はいわゆるゼネコンで、東芝はウェスティングハウスにまつわるある事情によりこの会社を買収したのですが、その買収額は0ドル、つまり企業価値がマイナスの会社だったそうです。「このマイナス資産が、当初想定していた金額より大きく膨れ上がってしまった」ことが今回の巨額損失の原因。「非常に資産査定が甘かったと、結果からすると言わざるをえないと思います」(小笠原さん)
まさに止まらない負の連鎖。さらにこれを受けて、これまで東芝にお金を貸していた銀行が見限ってしまった場合、東芝は本当に終わってしまう状況だそうです。東芝は先日、2016年4月から12月期の連結決算を2月14日に開示すると発表しました。日本を代表する大企業・東芝の今後を大きく左右するターニングポイントとなりそうです。
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番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:平日 20時-22時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/