マティスとルオー、巨匠画家の知られざる友情とは?

J-WAVEで放送中の番組「BEAT PLANET」(ナビゲーター:サッシャ)のワンコーナー「HILLS AGENCY」。1月10日(火)のオンエアでは、1月14日(土)から、パナソニック汐留ミュージアムで開催される「マティスとルオー展 ―手紙が明かす二人の秘密―」をピックアップしました。

アンリ・マティスとジョルジュ・ルオーの巨匠二人の友情の秘密に迫る今回の展覧会。「色彩の魔術師」という異名でも知られるマティスは、その大胆な色使いから「まるで野獣の檻の中にいるようだ」と批評され、フォーヴィスム(野獣派)のリーダー的存在でした。「帽子の女」「大きな赤い室内」「ダンス」など数多くの名作を生み出し、晩年は切り絵で「JAZZ」シリーズを作り上げ、多くの芸術家に影響を与えました。

一方、ジョルジュ・ルオーは、自らを「キリスト教画家」と称しました。骨太の輪郭線と鮮やかな色彩で、宗教的な題材のほか、サーカスのピエロや貧しい労働者などにも目を向け、人間が抱える苦しみや悲しみを愛をもって描いた、20世紀を代表するフランスの画家です。

これまであまり知られていませんでしたが、実はこの二人の画家、生涯に渡り長く交流を続けていたそうです。パナソニック汐留ミュージアムの学芸員・富安玲子さんに、二人の交友関係や展覧会について伺いました。

「それぞれ、とても有名な画家なんですけど、実はフランスの国立美術学校の同級生だったんです。画家ギュスターヴ・モローが教える教室で同級生でした。その時からマティスが亡くなる1年前まで、約50年に渡ってずっと仲良しで、友情が続いていました。そこまで親しかったことは実はあまり知られていなくて。手紙が発見され、研究が進んだ意外な交流について、手紙を読みながら、作品を見ながら、立体的に観ていこうと企画した展覧会になります」(富安さん、以下同)

展覧会では、実際に彼らの手紙の実物も見ることができますが、富安さんいわく、手紙の書き方にも二人の性格がよく現れているそうです。

「ルオーは手紙でも思いの丈を切々と述べる人で、『元気でね、マティス。また会いたい。じゃあね。byルオー 追伸:ところで…』と追伸が延々と続いて、手紙の余白をびっしり埋めるくらいに話が続く。それにひきかえマティスは字自体も細くてサラサラと美しく、厚塗りのルオーと、絵画をシンプルにしていったマティスの個性が出ていて、非常に面白く見ることができます」

また、「窓辺の女」というマティスがずっと滞在していた南仏ニースの窓から描いた1920年の作品と、ルオーがマティスに誘われてニースに行った際に同じモチーフで描いた作品や、ルオーの作品で「気晴らし」という美しい詩画集の原画15点など、日本で初公開となる絵画もいくつか展示されるそうです。

50年に渡り友情を温め、それぞれの芸術を極めた二人の画家の展覧会。「マティスとルオー展 ―手紙が明かす二人の秘密―」は、1月14日(土)から3月26日(日)まで開催されます。貴重な展示の数々や日本初公開の作品など必見の展覧会です!

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【番組情報】
番組名:「BEAT PLANET」
放送日時:月・火・水・木曜 11時30分-14時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/beatplanet/

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