J-WAVEで放送中の番組「SMILE ON SUNDAY」(ナビゲーター:レイチェル・チャン)のワンコーナー「DIANA Shoes ON FASHION」。12月11日(日)のオンエアでは、デザイナー・山本耀司さんと、画家・朝倉優佳さんによる展覧会「画と機 山本耀司・朝倉優佳」を紹介しました。
「東京オペラシティ アートギャラリー」で、12月10日(土)に始まった展覧会「画と機」。タイトルの「画」は絵画を、「機」は「はずみ」や「機会」「機織(服)」を意味するわけですが、朝倉さんが絵画、山本さんが服だけを担当しているわけではないようです。山本さんが絵を描いたり、朝倉さんが山本さんの服に絵を描いたりと、いろいろ絡み合って、お互いに複雑な関係の中に成り立っている展覧会なのだといいます。
時代に流されない反骨精神で世界を刺激しつづける山本耀司さん。1972年にワイズ(Y's)を設立し、1981年にパリコレクションに参加。そんな日本を代表するファッションデザイナーの山本さんが、2016年春夏シーズンのコレクションから一緒に仕事をしているのが、80年代生まれの気鋭の画家、朝倉優佳さんです。
展覧会では、2人のクリエーションが寄り添ったり対立したりしながら、ファッションやアートの垣根を超えてさまざまな形で表現されています。しかし、40年以上のキャリアを持つデザイナーが、なぜ今、アートに真正面から向き合うのでしょうか。山本さんに伺いました。
「ファッションデザイナーをしている間はずっと、『アートコンプレックス』が付きまとっていました。アートを取り入れたようなファッションをやる人を『ふざけるな』と、口では否定していました。しかし、絵描きの方と出会ってコラボレーションをして、その影響で僕も油絵の筆をとってみたくなったんです」
このように山本さんは、心境の変化について語ってくれました。
「今、世界情勢を見ていると、いろんな国がコンサバになっているじゃないですか。自分の国のことだけを考えるようになり、『お互いの世界共通の利益を考えるのはもうやめよう』みたいな時代になりましたよね。これだけ国と国の間がギクシャクしているのを、つなげられるのは何だ、と考えたときに、アートしかないと思って、俺もアートをやろうと。絵だけじゃなくていろんなことをやると思います」
これまで、フランス以外の国では、「芸術の分野でファッションは最も低く見られている」と肌で感じていた山本さんは、絵画やクラシック音楽に対してコンプレックスを持っていたそう。しかし、デザイナーとして画家たちとコラボレーションをし、刺激を受けたことによって、自身でもアートの可能性を見出すようになったのだとか。
さて、今回のこのデザイナーと画家によるコラボレーション「画と機 山本耀司・朝倉優佳」ですが、見どころを担当キュレーターの堀元彰さんにも伺いました。
「まず、会場に入っていただくと、絵画でもファッションでもなく、彫刻がポツンとあります。いかにも山本耀司さんらしい! はぐらかすというか、肩透かしをくらわすところとか、遊び心とか…。服もいわゆるマネキンではなくて、今回のために作られた、流木や針金を使った、山本耀司さん本人をちょっとパロディにしたようなボディに、メンズの服が着せられていたり。細かいところまでいろいろ考えられて作られている展覧会だと思います」
山本耀司さんの服といえば、「黒」のイメージがありますが、会場ではあらゆる色や美の形が交差しており、一つ一つ作品を追いかけて観ていくことで、新しい“ヨウジヤマモト”が見えてくるかもしれません。また、今回の展覧会では、屏風や服のほかにも、山本さんがガラスやキャンバスに描いた絵、彫刻、服を標本のようにピンで止めて並べたものなどが展示されています。すべて山本さん本人が細かくディレクションしたものだそうです。
「画と機 山本耀司・朝倉優佳」は、2017年3月12日(日)までの開催。ぜひ会場で、トップ・デザイナーの“今”を感じてみてください!
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:「SMILE ON SUNDAY」
放送日時:毎週日曜 9時-13時
オフィシャルサイト: http://www.j-wave.co.jp/original/smileonsunday/
「東京オペラシティ アートギャラリー」で、12月10日(土)に始まった展覧会「画と機」。タイトルの「画」は絵画を、「機」は「はずみ」や「機会」「機織(服)」を意味するわけですが、朝倉さんが絵画、山本さんが服だけを担当しているわけではないようです。山本さんが絵を描いたり、朝倉さんが山本さんの服に絵を描いたりと、いろいろ絡み合って、お互いに複雑な関係の中に成り立っている展覧会なのだといいます。
時代に流されない反骨精神で世界を刺激しつづける山本耀司さん。1972年にワイズ(Y's)を設立し、1981年にパリコレクションに参加。そんな日本を代表するファッションデザイナーの山本さんが、2016年春夏シーズンのコレクションから一緒に仕事をしているのが、80年代生まれの気鋭の画家、朝倉優佳さんです。
展覧会では、2人のクリエーションが寄り添ったり対立したりしながら、ファッションやアートの垣根を超えてさまざまな形で表現されています。しかし、40年以上のキャリアを持つデザイナーが、なぜ今、アートに真正面から向き合うのでしょうか。山本さんに伺いました。
「ファッションデザイナーをしている間はずっと、『アートコンプレックス』が付きまとっていました。アートを取り入れたようなファッションをやる人を『ふざけるな』と、口では否定していました。しかし、絵描きの方と出会ってコラボレーションをして、その影響で僕も油絵の筆をとってみたくなったんです」
このように山本さんは、心境の変化について語ってくれました。
「今、世界情勢を見ていると、いろんな国がコンサバになっているじゃないですか。自分の国のことだけを考えるようになり、『お互いの世界共通の利益を考えるのはもうやめよう』みたいな時代になりましたよね。これだけ国と国の間がギクシャクしているのを、つなげられるのは何だ、と考えたときに、アートしかないと思って、俺もアートをやろうと。絵だけじゃなくていろんなことをやると思います」
これまで、フランス以外の国では、「芸術の分野でファッションは最も低く見られている」と肌で感じていた山本さんは、絵画やクラシック音楽に対してコンプレックスを持っていたそう。しかし、デザイナーとして画家たちとコラボレーションをし、刺激を受けたことによって、自身でもアートの可能性を見出すようになったのだとか。
さて、今回のこのデザイナーと画家によるコラボレーション「画と機 山本耀司・朝倉優佳」ですが、見どころを担当キュレーターの堀元彰さんにも伺いました。
「まず、会場に入っていただくと、絵画でもファッションでもなく、彫刻がポツンとあります。いかにも山本耀司さんらしい! はぐらかすというか、肩透かしをくらわすところとか、遊び心とか…。服もいわゆるマネキンではなくて、今回のために作られた、流木や針金を使った、山本耀司さん本人をちょっとパロディにしたようなボディに、メンズの服が着せられていたり。細かいところまでいろいろ考えられて作られている展覧会だと思います」
山本耀司さんの服といえば、「黒」のイメージがありますが、会場ではあらゆる色や美の形が交差しており、一つ一つ作品を追いかけて観ていくことで、新しい“ヨウジヤマモト”が見えてくるかもしれません。また、今回の展覧会では、屏風や服のほかにも、山本さんがガラスやキャンバスに描いた絵、彫刻、服を標本のようにピンで止めて並べたものなどが展示されています。すべて山本さん本人が細かくディレクションしたものだそうです。
「画と機 山本耀司・朝倉優佳」は、2017年3月12日(日)までの開催。ぜひ会場で、トップ・デザイナーの“今”を感じてみてください!
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:「SMILE ON SUNDAY」
放送日時:毎週日曜 9時-13時
オフィシャルサイト: http://www.j-wave.co.jp/original/smileonsunday/