2泊3日、障がい者の方と過ごすキャンプで起きる変化

J-WAVEの日曜朝6時からの番組「WONDER VISION」(ナビゲーター:平井理央)のワンコーナー「LISTEN FIRST!」。6月26日のオンエアでは、年齢や障がい、国籍などに関わらず、さまざまな参加者が集まるキャンプ「ユニバーサルキャンプ in 八丈島」を紹介しました。

お話をうかがったのは、このキャンプを企画されている「ユニバーサルイベント協会」代表の内山早苗さんです。

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平井:八丈島でダイバーシティを考え、体験するキャンプということなのですが、具体的にどのようなことを行うのでしょうか。

内山:まずは、コミュニケーションをとるためにも、それぞれの障がい当事者が講師になって、どのように障がいのある人たちを“サポート”するか、それをまず体験していただきます。その後は、1回だけ一緒に食事を作ります。人が親しくなるためには、一緒に何か作ったり食べたりすることが一番早いので。その食事作りの時のルールはたった一つ、「全員が役割を持つこと」。料理が得意な人がさっと作ってしまったらなんの意味もありませんので(笑)。各班には、いろいろな障がいのある人がいます。目が見えなかったり、耳が聞こえなかったり、車椅子だったり、精神や知的にも障がいがあったり。その人たちが、それぞれ自分ができる役割を果たして、食事を一緒に作っていきます。

平井:メインのプログラムが“ダイバーシティコミュニケーション”ということなのですが、これはどんなものなのでしょうか。

内山:これは2日目の朝から長時間にわたって行うのですが、小学校のきれいな芝生の校庭をお借りして、タープテントを6つ張ります。そして、各グループにわかれて、それぞれの部屋を回っていきます。各テントには、それぞれの障がいのある主人がいます。これは普段障がいのある人にあまり話を聞くことができない、という方たちのために実施しているので、「ここでは、普段聞けないようなことを何でも聞いちゃっていいですよ」というルールでやっています。

平井:かなり内容として濃いキャンプだと思うのですが、八丈島だからこそ楽しめることなどもあるのでしょうか?

内山:キャンプ場もすぐ海のそばですし、景色も大変素晴らしい場所で、自由時間には海で泳いだり、ヨガをしたり、サイクリングをする人など、普通のキャンプとしても楽しんで参加いただけます。

平井:キャンプではどんなコミュニケーションが生れていますか?

内山:たとえば企業でダイバーシティの推進に取り組んでいても、実は障がいのある人のことを知らないという方がいらっしゃいます。このキャンプで障がいのある人と一緒に過ごしてみて、最初は硬かったりするのですが、次第に「あれ? 普通じゃない?」「障がいのある人もいろんなことできるんだな」とか、逆に自分ができないことを障がいのある人ができたりして、かなり驚かれる方が多いです。

料理を作る時なども、たとえば目が見えない人が班にいて「私動けないから、ここで野菜やお肉とかの材料を切るわ」と言うと、はじめて会った人は「見えないのに包丁持ったら危ないじゃない?」となるわけですが、「何言っているんですか。私は家庭では主婦で料理をしています」とか「一人暮らしだから自炊していますよ」となるので、周りがびっくりするようなことがたくさん起こります。

平井:なるほど~。そうなるとたくさんの発見がありそうですね。2泊3日の生活のなかで、参加者にはどのような変化が現れるのでしょうか?

内山:皆さん、かなり変わられますね。初日はかなり硬い表情だったのが、3日目はまったく違う人のような顔になって「障がいって何だったんだろう」と障がいに対する考え方を大きく変えてくださいます。極端な方は仕事を辞めて「ユニバーサルな社会を実現するための会社を作る!」と起業された方や、ここでの出会いがきっかけで結婚した方もいらっしゃいます。

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「ユニバーサルキャンプ in 八丈島」は9月10日~12日に開催を予定しています。今年で12年目のこの取り組みを、もっと多くの方に知ってもらいたいですね!

【関連サイト】
「WONDER VISION」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/wondervision/

900社をコンサルしてきた小室淑恵「これからの働き方」語る(2016年03月22日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/03/post-1279.html

電動車いす開発「今すぐやめろ」と言われた理由(2014年10月04日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2014/10/post-843.html

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