清水ミチコ、AIに「シンディ・ローパー本人」と認識される?

清水ミチコが、モノマネに対する独自のスタンス、AIをも欺く「顔マネ」のエピソードなどについて語った。

清水が登場したのは、10月2日(金)放送のJ-WAVE『SYNCREATE』(ナビゲーター:川田十夢、中川安奈)の「VOICE OF INNOVATION」。毎週、ひと組のトップクリエイター・イノベーターを迎えて、得意分野での“創発”について考えるコーナーだ。

デビュー40周年ツアーのオープニング映像を川田が担当

清水ミチコは1983年、ラジオ番組の構成作家として業界のキャリアをスタート。テレビのデビューは1987年4月、バラエティー番組の『冗談画報』。その後、黒柳徹子や桃井かおり、ユーミン、田中真紀子のモノマネで清水ミチコワールドを確立。今年、デビュー40周年を迎える。秋からはスペシャルな全国ツアーも控えている。

清水:そこで川田先生にお世話になりまして。

川田:いやいや、先生(笑)。

清水:“通りすがりの天才”を私がナンパしたようなもんだよね(笑)。YouTubeで通りすがったもんで。「これはすごい天才だ」と思って、「私の(ツアーの)オープニング作ってくれない?」ということでお願いしたら。

中川:そんな“創発”が。

清水:普通、作品をお願いすると、すごく長く話し合ったりして。「こういうふうにコンセプトがどうのこうの」とか言ってくるんだけど、川田さんは「ちょっとまかせてもらえますか」みたいな。本当に自分で作ってくださって、さすがクリエイターはすごいなと思って。あと、若い世代の人って表現もするし、謙虚だし、いばったようなところがないと思った。

川田:ありがとうございます。清水さんこそ、打ち合わせに行くたびになにか持たせてくれて、いい人だなと。

中川:今日も私、かわいいポーチをいただいちゃったりしました。

清水:川田さんもタイのお土産をね。

川田:どこかしらには行っているので、それをお渡ししました。

清水:韓国のお土産とかくださって。

川田:清水さんはJ-WAVEともゆかりがあって、『MAKING SENSE』という番組があって。

清水:三谷幸喜さんとやっていました。

川田:10年ぐらいトーク番組をやられていましたよね。三谷さんは今では出役じゃないですか。でもこの番組からですよね、出役的に出たのは。

清水:なんか味を占めたらしくて(笑)。私が三谷さんと座る前は、矢野顕子さんが座っていらしたので、ここはちょっといい席なんですよ。

川田:さらに『MAKING SENSE』の枠の次の次に、僕がナビゲーターを務める『THE HANGOUT』がスタートした経緯もあり、歴史のつながりを感じられてありがたいです。まさに大先輩です。ちなみに、『MAKING SENSE』の第1回の模様は書籍化されていますよね。そのなかで清水さんがふとおっしゃっていたのですが、ちょうどライブドアが話題になっているときで堀江さんとかの話になって、「もし私が会社を作ったら、三谷さんに買収されちゃうね」みたいな、ちょっと軽いノリのトークをされていました(笑)。

清水:全然、意味わからないけどね(笑)。そんなこと言ってた?

川田:おっしゃっていて。それが、僕が清水さんの40周年を祝う映像を作るにあたってちょっとヒントになって、作らせてもらったんです。

清水:すごいんですよ。それだけでも観に来てください。私、2回観て、2回とも泣いちゃって。大画面で観たらもう1回泣くかもしれない。

中川:川田さんが打ち合わせとかをたっぷりせずに「まかせてください」とおっしゃったのは、どうしてなんですか?

川田:清水さん自身はネタを作る人だから、僕も影響を受けているし、ちゃんとネタを作る人としても対峙したいなと思って。

清水:ありがたかった。そんな人初めてだし、本当にすばらしかったです。自分の葬式にもと思って(笑)。ああいうカラッとしたやつのほうが印象に残るしね。

中川:どんなのなんだろう、気になります。

川田:それはぜひ全国ツアーで。YouTubeで僕の映像を観てくれていたんですよね。

清水:『鉱脈』を観て「これはすごい」と思って。私の鉱脈にしようと思って(笑)。

中川:そうだったんですね。それはおすすめかなにかに出てきたのでしょうか。

清水:うん。面白ミュージックみたいなのも観ているから、たぶんその流れで「この人こういうのが好きなんだな」とチョイスされたらしくて『鉱脈』が出てきて。なんて斬新なんだろうと思って。

川田十夢 - 鉱脈, TOM KAWADA - Vein

モノマネは「好き」から始まる

清水は自身のモノマネに対する原動力について語った。「好き」という気持ちが原動力になっているという。

中川:孤独な作業でいうと、新しいモノマネに取り組むときの作業というのは、清水さんはどのようにとらえていますか?

清水:全然、孤独ではなくて。私は「この人が好きだ」と思ったら、その人に近づきたい。ファンレターを書きたい、ではなくて「その人になりたい」という願望の人なの。だから全然、孤独じゃなくて逆に増えていくという感じで。

中川:楽しくワクワクしながら特訓すると。

清水:なり切ってみたりとか、なり切れなかったりしますけど、それでも好きですね。

川田:人生の最初のほうで清水さんがモノマネしたのは誰だったんですか?

清水:山口百恵さんとか。

川田:歌マネですか?

清水:うん、歌マネとしゃべりマネ。卒業式のときに後輩がふたり連れで泣きながらやってきて。そのころは上から2番目の先輩のボタンをもらうというのが流行っていたんですが、私の場合は女子が女子に向かって「最後に百恵ちゃんと桜田淳子のモノマネやってください」って言われて(笑)。それにちょっと打たれて「そんなふうにモノマネを楽しみにしてくれる後輩がいたんだな」というのに、ちょっと感動しました。3人とも泣きながらモノマネをやって、モノマネを聴いてという感じでした(笑)。

中川:すごい青春の1ページ。学生のころからということなんですね。

清水:やっていました。

中川:そのころから将来はモノマネでお仕事をというふうに、夢として掲げていたんですか?

清水:それは全然なかった。それは無理だと思っていたけど、作家みたいなことができたらうれしいなと思って。

川田:実際に芸能界のきっかけとしては放送作家ですよね。

清水:そう、それが最初。クニ河内さんの『クニ河内のラジオ・ギャグ・シャッフル』で、自分も段々と出るようになってという感じで。ラジオからだったんですけど、今もやっぱりラジオは楽しいよね。

川田:清水さんのパフォーマンスを観ていても、作家的な要素が随所にあって。それも楽しいですよね。

清水:自分で書くと体に入ってくるというか、覚えなくていいというか、忘れないもんね。

川田:僕は清水ミチコさんの人生を集約した映像を作ったから、清水さんにめちゃ詳しいんです。

清水:そうだね(笑)。

川田:清水さんは創業当時から矢野顕子さん、桃井かおりさん、松任谷由実さんをやられていますけど、好きな人のモノマネをやっているわけですよね。

清水:そう、大好き。

川田:でも、最初はすごく勇気がいることじゃなかったんですか?

清水:そうですね。嫌われるというのがあったから怖かったし、でも自分の想いが好きから始まって、ネタにすると毒がちょっと入るという感じなので。きっと本物の人たちは見破るんじゃないかな、というのがちょっとあって。今もお付き合いがあるのはきっと、その発端じゃないかなと思っています。

中川:この人も真似してみよう、というのが増えていくのはどういうことがきっかけになるんですか? テレビをご覧になっていたりとか?

清水:強い人とか権力者。

川田:・中川:(笑)。

清水:権力者はやっぱりおいしいよ、政治家とかさ(笑)。そういう方はやっぱりやりたいと思いますね。

川田:政界、都政にも進出されていますからね。

清水:小池でございます(笑)。

川田:今、都政が現れましたね(笑)。ありがとうございます。

中川:すごい、幸せだ(笑)。

清水:「都政が現れた」というのは、すごい日本語ですね(笑)。

ここで番組では、清水ミチコの『ウサギとカメ〜哀しみのバニーガール』をオンエアした。

AIの認識を超える「顔マネ」

清水は声のモノマネはもちろんのこと、宝島社の雑誌『VOW』(バウ)で連載されていた「顔マネ塾」のように“顔だけ”で表現する独自のスタイルも確立。川田は驚きのエピソードを明かした。

川田:あれこそ、どういう順番でやっていくんですか? 「これ、できるかも」と思うんですか?

清水:毎月、『宝島』という雑誌が出ると「そのときの顔」というのがあるわけ。事務所のみんなと「流行っている顔は誰だろう?」って探して「この人にしよう」ということで、その顔になっていくという。

川田:人選も特殊で、洋楽だとエルトン・ジョンをやっていたりして(笑)。

清水:そうなの(笑)。「ネタがないな」というときがあって、ちょっと苦しかったですけど無理やりやりましたね。

川田:ジャネット・ジャクソンとかね。僕が本当に恐れ入ったのが、今回作った映像のなかで、清水さんが「顔マネ塾」でシンディ・ローパーをモノマネしたときの写真をもとに、なんかちょっと動かそうかなと思って、AIに作画してアップしたの。そうしたら「この人は本人だから動かせません」と出て(笑)。

清水:やった!

中川:すごすぎます。

川田:もうAIの認識を超えているんですよ。

清水:アナログがAIに勝った。

川田:だからもう、シンギュラリティ(技術的特異点)なんです(笑)。清水ミチコイコール、シンギュラリティ。

清水:すごいね。

中川:そんなことってあるんですか?

川田:こんなの初めてです。

清水:AIってまだ出始めだからそうなのかな? 来年とか、ちゃんとわかったりとかするのかな。

川田:ちゃんとわかってくるとは思いますけど、でも今の時点でもけっこう精密なんです。こんな日本人がメイクしたやつで「本人」と認識するのは異常事態ですね。

清水:うれしい。いい年だなあ、2026年。

川田:だから本物の偽物だと思って(笑)。これは本当にすばらしいことですね。それが観られる映像も流れますから、ぜひ全国ツアーをね。ツアーはどんな感じになりそうなんですか?

清水:川田さんの映像から始まって、私は歌謡曲がすごく好きなので、歌謡曲が生まれた1940年、50年はこういう曲でした、60年からは洋楽っぽくなってきて、70年はこういう流れで、80年はアイドルが生まれてと、1曲1曲やっていくという。それは面白いと思います。

中川:あらためて全国ツアー「~清水ミチコ 40th BEST~『SHOW MUST GOING MY WAY』」ということで、11月8日(日)の埼玉・大宮ソニックシティ 大ホールからスタートします。全国のツアーチケットが各地で完売となっています。

川田:大人気ですから。みんなシンディ・ローパー来ると思って買っちゃってる(笑)。

清水:そんなわけない(笑)。

中川:来年にかけて追加公演も決まっているんですね。

清水:ぜひよろしくお願いします。詳しくはホームページで。

清水ミチコの最新情報は公式サイトまで。

クリエイターの声から新たな時代の価値を“創発”する『SYNCREATE』のコーナー「VOICE OF INNOVATION」の放送は、毎週金曜20時10分ごろから。
番組情報
SYNCREATE
毎週金曜
20:00-22:00

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