劇団「南極」の劇作家・こんにち博士が、自宅の本棚のなかからお気に入りの本を紹介し、9月より公開予定の初監督映画『チャオ・ヤングの墓』の見どころを語った。
こんにち博士が登場したのは、7月19日(日)放送のJ-WAVE『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:小川紗良)の「DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF」。本棚からゲストのクリエイティヴを探るコーナーだ。
小川:劇団で「クリエイティブディレクション」と名乗っているのって珍しいですよね?
こんにち博士:もともと新卒で広告会社に就職していて、その仕事をしながら劇団を始めたんです。会社ではそういう部署ではなかったんですけど、「クリエイティブディレクション」っていう肩書きがかっこいいなと思って、名乗り始めました(笑)。劇団の演出家って、実はみんなクリエイティブディレクションのようなことはしていると思うんです。ただ、僕が横文字で言い始めただけ、という感じかもしれません(笑)。
小川:実は私も、南極のお芝居を観に行ったことがあります。ほかのラジオ局で、スタジオで演劇を上演する企画をされていましたよね。ラジオという媒体を生かしつつ、映像や音の使い方もすごく工夫されていて、見せ方が本当に面白かったです。ああいう演出は、どうやって考えているんですか?
こんにち博士:見せ方にはすごくこだわっています。南極の作品は、特にビジュアルでどう面白さを伝えるかを意識していて。僕の脚本は、社会的なテーマを強く扱うわけでもないですし、現代を鋭く切り取るような作品でもないので、そのぶん「どれだけ見た目で面白くできるか」に特化しようとしていますね。
小川:まず、1枚目と2枚目は作業場まわりの本棚ですね。
こんにち博士:はい。机の上と、その上に設置しているラックの本棚です。
小川:机の上には『未知との遭遇』がありますね。
こんにち博士:スティーブン・スピルバーグが映画のあとに書いた小説版で、面白いですね。
小川:それから『学研の図鑑 エネルギー』もあるんですが、図書館のシールが貼ってありますね(笑)。
こんにち博士:図書館の「ご自由にお持ちください」のコーナーに置いてあったので、すぐ持ち帰りました。
小川:「エネルギー」というテーマが、南極の作品につながりそうな感じがありますね。
こんにち博士:これはかなり昔の図鑑で、もう使われなくなって譲渡されていたものなんです。内容もちょっと古くて、表紙もイラストで描かれていて、すごく雰囲気があるんですよ。
小川:机の上には『アメリカの鱒釣り』もありますね。これは小説ですか?
こんにち博士:リチャード・ブローティガンという作家の作品です。もう亡くなられているんですが、一時期すごく好きで。『アメリカの鱒釣り』は小説と詩の中間のような雰囲気なんです。ページあたりの文字数も少なくて、スルスル読める作品ですね。
小川:へええ。アメリカ文学がお好きなんですね。
こんにち博士:そうですね。3、4年前にすごくハマったというか、いっぱい読みたくなった時期があって。ポール・オースターやブローティガン、それからカート・ヴォネガットを一気に読んでいて、そのときにブローティガンと出会いました。
小川:翻訳文学もたくさんありますね。それから、机の片隅に『ドラえもん のび太と竜の騎士』がありますが、これは?
こんにち博士:ドラえもんが好きで、通常の『ドラえもん』も全巻持ってます。映画版も作品づくりの参考になりそうなものは買っていて、その1冊ですね。地底に恐竜が生き残っていたという物語なんですが、僕自身恐竜も好きですし、次の南極の公演が地底を舞台にしているので、ここに置いてます。
小川:作業場の本棚は、やっぱり演劇につながるものが多いんですね。
こんにち博士:『ボッコちゃん』に収録されている短編『最後の地球人』に影響を受けて。星新一は、ものすごく熱心なファンというより、何冊か持っていて気が向いたときにパラパラ読む感じなんです。ショートショートが多い作家ですけど、『最後の地球人』は星新一作品のなかでは少し長めで、ワンアイデアの面白さというより、物語がしっかり進んでいって。読んでいると、なんだか気持ちがみなぎってくる感覚があるんですよね。
こんにち博士:南極は劇団だけでなく会社も運営していて、この作品は南極で制作・配給しています。公開がとても楽しみです。
小川:やっぱり、演劇を作るのとは全然違いますか?
こんにち博士:かなり違いましたね。すごく悩みながら撮りました。実は『チャオ・ヤングの墓』を撮ったのは2025年9月ごろなんですけど、それ以降、自分の演劇の作り方も大きく変わりました。
小川:お互いに影響があったんですね。
こんにち博士:「映画でやるなら演劇でやる意味は何だろう」とか、逆に「演劇だからこそできることは何だろう」とか、そういうことをすごく考えるようになって難しくなりましたね(笑)。
小川:また次のフェーズに進んだ感じなんですね。私は、演劇は空間の芸術で、映画は時間の芸術なのかなと思っていて。映画独特の時間の使い方ってありますよね。編集もできますし。
こんにち博士:それは本当に感じましたね。演劇はお客さんにひとつの空間へ来てもらって、その場で見せる芸術ですよね。それに比べて、映画は編集によって時間を意図的に操作できるし、カメラでどこを映すかも作り手が決められる。演劇では、お客さんが好きなところを自由に見られるのに対して、映画はすべて意図して設計しなきゃいけない。その違いは難しかったです。だからこそ、「映画でそれができるなら、演劇ではどうしたらいいんだろう」ということを、今はすごく突き詰めています。
小川:そんな経験を経て、作られた新作舞台もあります。8月22日(土)から東京建物 ぴあ シアターで上演される新作戯曲『宇宙戦争』です。こちらはどんな内容でしょうか。
こんにち博士:これは南極にとって10回目の本公演です。劇団員は10人いて、その10人全員が出演します。「宇宙戦争」はSFの世界では昔からある大きなテーマだと思っていて、その壮大なモチーフを使いながら、小さな人間同士の友情やぶつかり合いを宇宙戦争規模で描いてみたいと思って、このタイトルにしました。
小川:これもまた面白そう。南極の作品は、毎回宇宙やSFの要素があってワクワクしますよね。
こんにち博士:SFがすごく好きなんです。壮大な物語とかでっかいモチーフと、人間の小さな感情をぶつけ合わせるのが好きなんですよ(笑)。
小川:今日は、そんなSF的な発想の原点が垣間見える本棚も拝見できて、とてもうれしかったです。
こんにち博士の最新情報は南極の公式サイトまで。
『ACROSS THE SKY』のコーナー「DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF」では、本棚からゲストのクリエイティブを探る。オンエアは10時5分ごろから。
こんにち博士が登場したのは、7月19日(日)放送のJ-WAVE『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:小川紗良)の「DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF」。本棚からゲストのクリエイティヴを探るコーナーだ。
この日の放送は7月26日(日)28時ごろまで、radikoのタイムフリー機能で楽しめる。
劇団・南極が貫く創作哲学
こんにち博士は1996年生まれ、大阪府出身。広告会社に就職後、2020年から劇団・南極で脚本、演出、クリエイティブディレクションを担当。Aマッソ・加納の単独公演や、ドラマ『未来のムスコ』(TBS系)の劇団監修なども手がけ、多方面で活躍している。小川:劇団で「クリエイティブディレクション」と名乗っているのって珍しいですよね?
こんにち博士:もともと新卒で広告会社に就職していて、その仕事をしながら劇団を始めたんです。会社ではそういう部署ではなかったんですけど、「クリエイティブディレクション」っていう肩書きがかっこいいなと思って、名乗り始めました(笑)。劇団の演出家って、実はみんなクリエイティブディレクションのようなことはしていると思うんです。ただ、僕が横文字で言い始めただけ、という感じかもしれません(笑)。
小川:実は私も、南極のお芝居を観に行ったことがあります。ほかのラジオ局で、スタジオで演劇を上演する企画をされていましたよね。ラジオという媒体を生かしつつ、映像や音の使い方もすごく工夫されていて、見せ方が本当に面白かったです。ああいう演出は、どうやって考えているんですか?
こんにち博士:見せ方にはすごくこだわっています。南極の作品は、特にビジュアルでどう面白さを伝えるかを意識していて。僕の脚本は、社会的なテーマを強く扱うわけでもないですし、現代を鋭く切り取るような作品でもないので、そのぶん「どれだけ見た目で面白くできるか」に特化しようとしていますね。
創作のヒントが詰まった本棚に注目
「DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF」では、ゲストの本棚の写真を見ながらトークを展開する。こんにち博士はSF、小説、漫画など、さまざまなジャンルのお気に入りの書籍を紹介した。DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF#こんにち博士 さんの本棚を拝見#jwave #sky813 @bokura_ha_kondo pic.twitter.com/DgvATL3lDS
— ACROSS THE SKY (@acrossthesky813) July 19, 2026
こんにち博士:はい。机の上と、その上に設置しているラックの本棚です。
小川:机の上には『未知との遭遇』がありますね。
こんにち博士:スティーブン・スピルバーグが映画のあとに書いた小説版で、面白いですね。
小川:それから『学研の図鑑 エネルギー』もあるんですが、図書館のシールが貼ってありますね(笑)。
こんにち博士:図書館の「ご自由にお持ちください」のコーナーに置いてあったので、すぐ持ち帰りました。
小川:「エネルギー」というテーマが、南極の作品につながりそうな感じがありますね。
こんにち博士:これはかなり昔の図鑑で、もう使われなくなって譲渡されていたものなんです。内容もちょっと古くて、表紙もイラストで描かれていて、すごく雰囲気があるんですよ。
小川:机の上には『アメリカの鱒釣り』もありますね。これは小説ですか?
こんにち博士:リチャード・ブローティガンという作家の作品です。もう亡くなられているんですが、一時期すごく好きで。『アメリカの鱒釣り』は小説と詩の中間のような雰囲気なんです。ページあたりの文字数も少なくて、スルスル読める作品ですね。
小川:へええ。アメリカ文学がお好きなんですね。
こんにち博士:そうですね。3、4年前にすごくハマったというか、いっぱい読みたくなった時期があって。ポール・オースターやブローティガン、それからカート・ヴォネガットを一気に読んでいて、そのときにブローティガンと出会いました。
小川:翻訳文学もたくさんありますね。それから、机の片隅に『ドラえもん のび太と竜の騎士』がありますが、これは?
こんにち博士:ドラえもんが好きで、通常の『ドラえもん』も全巻持ってます。映画版も作品づくりの参考になりそうなものは買っていて、その1冊ですね。地底に恐竜が生き残っていたという物語なんですが、僕自身恐竜も好きですし、次の南極の公演が地底を舞台にしているので、ここに置いてます。
小川:作業場の本棚は、やっぱり演劇につながるものが多いんですね。
気持ちがみなぎってくる、星新一の1冊
こんにち博士は、ライフスタイル、人生に影響を与えた1冊として星新一の『ボッコちゃん』(新潮社)を挙げた。DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF#こんにち博士 さんの
— ACROSS THE SKY (@acrossthesky813) July 19, 2026
人生に影響を与えた一冊
星新一「最後の地球人」
(「ボッコちゃん」収録)#jwave #sky813 @bokura_ha_kondo pic.twitter.com/suMfGRDl5o
映画初監督で見えた新たな表現
こんにち博士の初監督映画『チャオ・ヤングの墓』が9月18日(金)に公開される。架空の小さな島を舞台にお墓を巡る冒険を描いた作品で、「日本映画の手法を使いながら、冒険映画のような作品を作りたいと思って撮りました」と制作意図を語った。映画「チャオ・ヤングの墓」予告編
小川:やっぱり、演劇を作るのとは全然違いますか?
こんにち博士:かなり違いましたね。すごく悩みながら撮りました。実は『チャオ・ヤングの墓』を撮ったのは2025年9月ごろなんですけど、それ以降、自分の演劇の作り方も大きく変わりました。
小川:お互いに影響があったんですね。
こんにち博士:「映画でやるなら演劇でやる意味は何だろう」とか、逆に「演劇だからこそできることは何だろう」とか、そういうことをすごく考えるようになって難しくなりましたね(笑)。
小川:また次のフェーズに進んだ感じなんですね。私は、演劇は空間の芸術で、映画は時間の芸術なのかなと思っていて。映画独特の時間の使い方ってありますよね。編集もできますし。
こんにち博士:それは本当に感じましたね。演劇はお客さんにひとつの空間へ来てもらって、その場で見せる芸術ですよね。それに比べて、映画は編集によって時間を意図的に操作できるし、カメラでどこを映すかも作り手が決められる。演劇では、お客さんが好きなところを自由に見られるのに対して、映画はすべて意図して設計しなきゃいけない。その違いは難しかったです。だからこそ、「映画でそれができるなら、演劇ではどうしたらいいんだろう」ということを、今はすごく突き詰めています。
小川:そんな経験を経て、作られた新作舞台もあります。8月22日(土)から東京建物 ぴあ シアターで上演される新作戯曲『宇宙戦争』です。こちらはどんな内容でしょうか。
こんにち博士:これは南極にとって10回目の本公演です。劇団員は10人いて、その10人全員が出演します。「宇宙戦争」はSFの世界では昔からある大きなテーマだと思っていて、その壮大なモチーフを使いながら、小さな人間同士の友情やぶつかり合いを宇宙戦争規模で描いてみたいと思って、このタイトルにしました。
小川:これもまた面白そう。南極の作品は、毎回宇宙やSFの要素があってワクワクしますよね。
こんにち博士:SFがすごく好きなんです。壮大な物語とかでっかいモチーフと、人間の小さな感情をぶつけ合わせるのが好きなんですよ(笑)。
小川:今日は、そんなSF的な発想の原点が垣間見える本棚も拝見できて、とてもうれしかったです。
こんにち博士の最新情報は南極の公式サイトまで。
『ACROSS THE SKY』のコーナー「DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF」では、本棚からゲストのクリエイティブを探る。オンエアは10時5分ごろから。
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2026年7月26日28時59分まで
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