Vaundy「13月が必要」な激動の2025年。作業中に「最高」とうなった楽曲も紹介

Vaundyが2025年を振り返り、2026年へ向けての展望や4大都市ドームツアー「Vaundy DOME TOUR 2026」への意気込みを語った。

Vaundyが登場したのは、12月2日(火)放送のJ-WAVE『J-WAVE SPECIAL From My Mind』(ナビゲーター:Vaundy)。この日は「J-WAVE × Vaundy COLLABORATION DAY」と題し、1日を通してJ-WAVEの各番組にVaundyが出演した。その締めくくりとして、Vaundy自身がナビゲーターを務める特別番組を生放送でお届け。自身の楽曲オンエアはもちろん、最近お気に入りの楽曲紹介や制作秘話を交えながらトークを展開した。

Vaundyの2025年上半期トピックス

まず、Vaundyは2025年の1月から6月までを振り返った。本人としてはあっという間に感じた期間だったそう。

Vaundy:体感としては1カ月です(笑)。1月から6月はほぼ、1カ月か2カ月ぐらいの感覚でした。『走れSAKAMOTO』から始まり、毎月曲を出すと決めまして。1月の5日とかだった気がするけど、もうそのころには今年出そうと思っている曲が2曲か3曲できていて。そこからはもう流れで6月になっていました。出した曲で言うと『走れSAKAMOTO』が1月。2月にそのカップリングで入っていた『Somebody help us』、これも実は一瞬エンディングテーマになったという裏話があります。そして3月が『人生はミックスナッツの組み合わせ』、4月は『僕にはどうしてわかるんだろう』で、これは俺がMVも作っているからね。

 

僕にはどうしてわかるんだろう(テレビ朝日系木曜ドラマ『PJ ~航空救難団~』主題歌) / Vaundy:MUSIC VIDEO

Vaundy:このMV、マジで大変だった。今年、作るMVはだいたい決まっていたんですよ。今年の最後のやつはいま作っているんですけど、僕のいま一連でやっているMVが2026年に最終回を迎えると思います。実は全部つながっていて、みたいな話があるんですけど、そこは全部出てからみなさんにちゃんとお話しようかなと思っております。

続いて5月にリリースされた、是枝裕和監督作品『ラストシーン』の主題歌となっている『まじで、サヨナラべぃべぃ』の話題に。

 

まじで、サヨナラべぃべぃ

Vaundy:是枝さんと一緒にやらせてもらいました『ラストシーン』という短編映画があって、誰でも観られるのでぜひ観てください。で、6月は『pained』で、これもMVが出ているVaundy監督シリーズです。実は、『pained』は2ndアルバム『replica』のなかに入っていた曲なんです、16曲目で(編注:シークレットトラックとしてCDのみに収録)。だから、初出しなだけで別に新曲じゃないという。「ズルやん」と思う人は、勝手にズルだと思っていてください(笑)。

 

pained / Vaundy:MUSIC VIDEO

Vaundy:全然、新曲を出せたんだけどね。新曲自体は、まだ余ってるから、まだ出せます。出せるんだけど、さすがに出しすぎだということで。まあ、こんな感じだったんだね。ロンドンにも行ってたし、マジであっという間のギチギチの6カ月だったな。申し訳ないけど、マジでなにも覚えていないです。ロンドンに行って絵を描いたのは覚えてるんだけど、その絵を持ってくればよかったね。ちゃんとキャンバスに描いてるんですけど。そんなのをやっていました。

2025年のお気に入り楽曲をセレクト

番組では「Vaundy2025年プレイリスト」と題して、お気に入りの曲を3曲紹介した。

Vaundy:今年、僕が聴いた曲で特に印象的だった曲を紹介したいと思います。僕は正直、みんなほど聴いてないかも。仕事になると、音楽を聴くために自分の曲を作っているから、いろいろ矛盾してくるんだよね。でもまあ、新曲リストも聴くようにしていたりとか、僕は音楽以外の作業もあるので、絵コンテを描いてるときとかの作業に使ったりしています。1曲目は普通にいい曲を流します。

番組ではEVISBEATSの『ゆれる』をオンエアした。

EVISBEATS【MV】ゆれる feat. 田我流

Vaundy:めちゃいい曲だよね。EVISBEATSさんの聴きたくなるビートにずっと乗っていられる感じというか。いまも聴いていたいからしゃべるのやめようかな(笑)。本当に題名のまま『ゆれる』なんだよ。フロウがずっと揺れているというか、韻を踏む位置だったりメロの動く位置とか、インストのブレイクの感じとかもいいんですよね。めちゃめちゃラップを聴くわけではないんですけど、この曲は気持ちいいんですよね……偉そうに聞こえてしまうコーナーなので、みなさんまともに受けないでください(笑)。普通にいい曲を紹介するコーナーです。みんなはこういうのを聴くとどう思うんだろう? 僕の曲を聴いている人たちは意外と、俺がこういうのをやらないから触れないかもしれないけど、こういうのもめちゃめちゃいいんだよね。できるもんならやりたいけど、難しいな。ラップとかこういうビートを聴かせるトラックというのは、“やり慣れている”の積み重ねだったりするから本当に難しい。いつかこういう曲も作ってみたいですね。2曲目いっちゃう? 実は、またラップです。

番組ではJurassic 5の『The Influence』をオンエアした。

 

The Influence

Vaundy:いい曲だよね。正直、全然なにを言っているのかはわかりません(笑)。Jurassic 5は音を聴くためにいつも流してる。このアルバムが大好きなんだよ。別に、なんの曲がどう好き、とかではなくて「流し聴き」をずっとしていられるというか。超気持ちよくない? このトラック、最高だよね。このグルーヴ感というか、明らかにとっている位置をバックビートに差してくるというか。聴いてるとちょっとワルになれる。新しいことに挑戦するときは、こういう曲を聴くとめちゃいいかもしれない。3曲目もなかなか、僕が作業中にすげえ聴いている曲なんです。

番組ではドレスコーズの『ハッピー・トゥゲザー』をオンエアした。

ドレスコーズ「ハッピー・トゥゲザー」Audio Video

Vaundy:いやあ、いい曲ですね。全部ぶっ壊れたあとに立ち直るときの曲みたいな感じなんだよな。この曲は心が復旧されていく音がする。めちゃいい曲です、すばらしい。いつ聴いてたかな? まだ出てませんけど、聴きながら次のMVの絵コンテを描いてました。当然、自分のMVの曲を聴きながらやるんですけど、「絵を描くターム」みたいなのがあって。そのタームでこの曲が入ったアルバムを聴いていました。

上半期に続いて怒濤の下半期を振り返り

Vaundyは7月から11月までの2025年下半期のトピックスを振り返った。

Vaundy:もう12月に入っちゃったけど、13月が僕には必要です。今年が全然終わらない、仕事の量的に(笑)。全然終わる気配がないので13月が必要です。下半期もいっぱいあって、「FUJI ROCK FESTIVAL '25」も行ってるし、(ツアーの)「Vaundy one man live VAWS hall tour “little punk”」もあったから、ライブはめちゃくちゃやってたね。上半期もアリーナツアーがあったから、バリバリやってはいたんだけどね。「little punk」は大変でした。北海道にだけ行けていないのが、本当に申し訳ないというのをいまでも思っております。来年どうにかしたいね。ちゃんと行けるように、みなさんも一緒に祈っておいてください。

Vaundyは制作した楽曲についても振り返っていった。

Vaundy:『再会』『ずっとラブソング』『忘れる前に』『偉生人』『軌跡』。いやあ『再会』はだいぶ前に、それこそ上半期に作っていたので、なんなら(リリースが)遅いぐらいなんですけど。『ずっとラブソング』も1月にできた曲で。『忘れる前に』は、めちゃめちゃ古い曲なんです。ずっと出していなくて、ついに日の目を見ることになった曲で、めちゃくちゃいい曲だから「勝手に独り立ちするでしょう」と思っていた曲。『偉生人』もだいぶ前に作った曲ですね。だから最近、懐かしい感じの曲調のものが多かったんじゃないかな、9、10月は。で、11月は『軌跡』ですよ。みんな「こいつはなにをやっているんだ」となったと思います(笑)。聴いてない人は聴いてほしいです。

軌跡

「アビー・ロード・スタジオ」で収録したという『軌跡』のエピソードを語ったVaundyは、『再会』を制作した際の苦労話も明かした。

Vaundy:テレビアニメ『光が死んだ夏』のオープニングテーマとして書いた曲なんですけど、めちゃくちゃ人気でした。ありがとうございます。この曲はめちゃ悩んだ。監督と原作者のモクモクれんさんの要望が違うんですよ(笑)。違うけど、やりたいことはわかっていたから。不気味な要素と疾走感のある、しっかり売れ線の曲をやりたいという。さあ、どうやっていこうかと。不気味を音で作るのは難しくて、できるんだけど、それを印象的にするには0か100で振らなきゃいけないというか、白黒つけないといけない。あと、耳を惹くという要素も大事だったから、ネタばらしをすると「モーターシンセ」というアナログシンセサイザーっぽいやつがあって。ぐるぐる! と回転するなにかがあって、それをセンサーが読み取って、その回転速度とモジュレーションで音を作っていくという機材があるんです。すごくいい機材なんですけど、高かった。本当に高かった(笑)。でももう、俺がかっこいいと思っちゃったから、なんとなく買ってあったんですよ。それで使ってなくて「あれ、これここじゃないか」と思って使ったのが今回のこの曲でした。

再会 / Vaundy:MUSIC VIDEO

「思ったときはとことんやる」

番組終盤、Vaundyは1年を振り返りつつ、2026年の活動について語っていった。

Vaundy:最後は来年のことをお話したいと思います。まあもう、来年といってもすぐなので。今年もいっぱい振り返ったけど、なんだろうな。今年はやりすぎ! 僕は単純で、出したほうがいいと思ったときはとことんやるしかなくて。今年は試行錯誤とか考えず、とにかく面白いものを外に、自分の中から出していく。そうやって自分の中の脳みそと筋肉の解像度、神経の連結を高めているのかな。今年はなんとなく高まってきたんじゃないかなと思っています。

Vaundyは2026年も精力的に活動をしていくと明言した。

Vaundy:「Vaundy DOME TOUR 2026」があります。4大都市7公演、全国35万人動員予定です、すごいね。これもあるので、とりあえずいつもどおり、いつも以上頑張るという目標を持ってライブをやります。ものづくりのほうも、新しいことをいっぱいやっていきたい。これからは準備にすごく時間がかかるものづくり、みたいなものをいっぱいやっていくと思う。なので一瞬、隙間が空いちゃったりするかもしれないけど、なにかしらずっと来年も出ているとは思います。曲もちゃんと待機していますので、みなさん楽しみにしておいてほしいです。ライブは今年もういっぱいやったからね。あれのいちばんいいのをドームで出せればいいよね。曲も13月が必要なぐらい、あと2、3曲作らないといけなくて。年末には『紅白』もあるので、やることいっぱい。年越しはどこだろうね。曲を作っているかもしれないし、ちょっとわかりませんが。

特別番組でたっぷり語ってくれたVaundy。2026年1月1日(木・祝)9:00~17:55にJ-WAVEでオンエアする特別番組『J-WAVE NEW YEAR SPECIAL SAISON CARD TOKIO HOT 100 THE ANNUAL COUNT DOWN SLAM JAM』にも登場し、ナビゲーターのクリス・ペプラーと新春対談を繰り広げる。 好きなおせち料理やお正月の過ごし方といったプライベートな話題から、日々の楽曲制作のプロセス、ライブに対するスタンスまで、表現者・Vaundyの素顔に迫る。さらに、音楽とテクノロジーの関係性、AI時代における音楽制作をどのように捉えているのか、そして今後挑戦していきたい表現の領域についてなど、Vaundyの創作における現在地と、これからの展望を語る。

オンエアから一週間はradikoタイムフリー機能で再生可能だ。
Vaundyの最新情報は公式サイトまで。
番組情報
J-WAVE SPECIAL From My Mind
12月2日(火)
19:00-20:45

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