平野紗季子、ポッドキャスト『味な副音声 ~voice of food~』公開収録を初開催!来場者200人と“おいしい時間”を共有

J-WAVEが展開するエッセイスト・フードディレクターの平野紗季子がお届けするポッドキャスト『味な副音声 ~ voice of food ~』。書籍化と番組5周年のアニバーサリーイヤーを記念して、渋谷パルコにてSPECIAL POPUP「おいしくってありがとう」を開催した。

POPUPの最終日4月13日(日)には、『おいしくってありがとう 味な副音声の本』発売を記念した公開収録イベントを実施。ここでは、番組でおなじみのゲスト、teteriaの大西進とパティシエの鶴見昂を迎えた、本イベントのオフィシャルレポートをお届けする。

公開収録の模様は、ポッドキャストでも配信中だ。(J-WAVE NEWS編集部)

公開収録レポート

J-WAVE Podcastで配信中のエッセイスト・フードディレクター平野紗季子がお届けするポッドキャスト『味な副音声 ~voice of food~』の公開収録が、4月13日(日)渋谷PARCO 10F EVENT SPACEにて開催された。本イベントは、渋谷PARCO B1F・GALLERY X BY PARCOにて開催されていた、番組の5周年&本が出る記念 SPECIAL POPUP 「おいしくってありがとう」の最終日の目玉として行われたスペシャルな催し。

会場では、『味な副音声 ~voice of food~』の過去配信回が流れ、オーディエンスは耳を傾けながら「あの配信回のここがいいよね!」と互いにレコメンドし合っている様子。開演を今か今かと待ち望むオーディエンスの姿はすでに楽しそうだ。そして会場入口には、パティシエ・鶴見昂がレシピを監修する焼き菓子店「POPPY COFFEE and BAKERY」が製作したケーキタワーが出現。頂上には特大「味」クッキー、POPPY定番のマドレーヌにメレンゲ、マシュマロ製のリボンが施され、愛らしいケーキタワーに来場者たちも心を躍らせていた。
お馴染みのジングルが会場に流れ始めると、「わー、ありがとうございます!」と平野紗季子がステージに姿を現した。生憎の空模様だった本日、平野は来場したオーディエンスへ感謝の気持ちを伝える。すると会場からは大きな拍手が沸き起こった。そんな反応を見て、「初の公開収録、嬉しいですね」と言葉にし、番組が200回目の配信を迎えたこと、そして著書である番組本『おいしくってありがとう 味な副音声の本』が早くも3刷達成したと喜びの声を上げた。

開始冒頭から、多幸感が溢れる会場。平野はにこやかな表情で「お馴染みのSPゲスト、みんなで呼びますか!」と本日のゲストである、teteriaの大西進とパティシエの鶴見昂をステージに呼び込んだ。平野は2人のことを、「味の風神・雷神」と評し、大西のことを「紅茶を司りし者」、鶴見のことを「菓子を司りし者」と紹介すると会場からは笑い声が漏れる。その後も平野は2人のことを「味のジキルとハイド」と形容すると、鶴見は「ふふっ」と声を漏らし、「通り名をたくさん付けてくれるね」とまた会場の笑いを誘う一幕も。そんな3人のスペシャルなトークは会場に集まった200人にプレゼントされるおやつについての話題からスタートした。

鶴見が作ったという、レモンマドレーヌと大西セレクトのネパールの紅茶が終演後プレゼントされた本日。また、大西セレクトの紅茶のパッケージには平野から提案されたという肩書き「茶夢理描(チャムリエ)」と記されているという話も。「一つだけ、描が猫になっています」とお茶目に話す大西がとてもチャーミング。会場に温かい空気が流れると、トークはゲストの近況報告の話題へと移る。
「茶夢理描(チャムリエ)」である大西は、肩書き通り紅茶トークを展開。現在、紅茶の肥沃の大地となっているのはコンビニと前置きしつつ、「セブンカフェ ティー」の話題を話し始めると、オーディエンスは興味津々。現在試験運用されているというセブンイレブンの紅茶を飲むために都内のコンビニを訪れ、1時間半滞在したことを明かした大西に、平野と鶴見は「少し怖い!」と言葉にする。自身の紅茶論を話しながら「オススメは、アッサムミルクティーです」と紅茶トークを締め括った。一方の鶴見は、昨年の11月にネパールを訪れてから旅行にハマったと、立て続けにインド、中国を旅行したと近況を報告。インドでは洗礼を受けたという鶴見は、「体調不良の中、ラクダに乗って、クミン畑を訪れたんですけど、その土地で現地の方が作ってくれたご飯がすごくおいしかった。“おいしくってありがとう”と思った」と旅行の思い出を回顧しつつ、「まずは、ネパールから行くことをオススメします」とオーディエンスに投げかけていた。

イベントも中盤戦。リスナーから届いたお便りを紹介するパートに突入すると、ステージには番組スタッフ手作りの”味BOX”が出現。そんなBOXを見て平野は、「こうやって作ってもらえて! 本当に尊いです!」と嬉しさを爆発。たくさんのリスナーから届いたというお便りだが、「実は、僕も名前を変えてお便りを送ったんです」と大西が暴露すると、平野は「ええ!」と驚きの声を上げた。アンティコカフェ アルアビスのパニーニ『スピナッチ』をレコメンドするお便りや「冷蔵・常温・温め・冷凍」全ての食べ方でおいしいのは焼き芋だと唱えるお便りなど、計6枚のお便りを紹介しつつ、3人は小気味なトークを展開。シナモンロールの食べ方についてのお便りに鶴見は「ハイタッチしたい!」と意見に賛同し、「渦の巻いたパンが好きなんだけど、真ん中がクライマックスで、まるで物語を食べているよう!」と独自の視点で解説。そんな解説に平野も「分かる! 真ん中は神聖な味がするよね」と盛り上がっていた。
イベントでは、この日会場に集まったオーディエンスの質問に直接答えるという公開収録らしいコミュニケーションを取る一幕も。過去の放送で好きな食べ物ベスト3を保留にしていた平野に対して、「ベスト3を教えてください」と質問が飛ぶと、「ええ! 2時間くらい掛かっちゃう!」と悩みつつ、今パッと浮かんだものと前置きをして、「ジーマミー豆腐、のり塩味のポテトチップス、知り合いの結婚式後に食べた中国飯店のかた焼きそば」と回答。また、小学6年生の女の子から質問されると、「未来は明るい!」ととても嬉しそうな平野。「幼少期の思い出や当時好きだった食べ物は?」という質問に、平野は「生麩の田楽。スライムを食べていると同級生から言われた」と当時のことを回顧すると、大西も「KFCを初めて友達の家で食べたときおいしすぎて骨にしゃぶり付いていたら友達に引かれたことがある」と幼少期の思い出を吐露。そんな2人に鶴見は「子供の頃に言われたことって覚えているよね」とトークに花を咲かせた。

オーディエンスとの楽しい時間を過ごす中、平野は「楽しいな。公開収録なんて何回でもやっていいのに、なんでやってなかったんだろう?」と気持ちを言葉にすると、イベントもエンディングの時間が訪れた。平野が、ゲストとして迎えた大西と鶴見に「何かひと言」と求めると、大西は「マドレーヌと紅茶ってマルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』に登場するんです。主人公が紅茶とマドレーヌの香り触れた瞬間、幼少期の記憶が蘇る話なんですけど、今日集まってくれた皆さんも紅茶とマドレーヌで今日の日を思い出してほしい」と言葉にし、鶴見は、「次は、300回を目指して頑張ってください」とエールを送った。
ゲスト2人を先に見送ると、ステージに1人となった平野は会場を見渡し、口を開く。「この番組をやって本当によかったです。 勝手に友達ができたと思っています。自分の好きを分かち合える仲間がたくさんいる。皆さんに会えてとても幸せです」と感謝の気持ちを述べると、「いろんなことがある日々、おいしいものを食べて何かを感じるって、本物の感情にアクセスできるチャンスだと思う。これからもいろんな味をみんなで分かち合っていきたい。今後とも宜しくお願いします」と言葉にし、最後は、「あー、おなかすいた」といつものように公開収録を締め括ったのだった。

(文:笹谷淳介、写真:Ryo Nagata)

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