Lucky Kilimanjaroのボーカル・熊木幸丸が、音楽との出会いや尊敬するアーティスト、1月15日(水)に配信リリースした新曲『楽しい美味しいとりすぎてもいい』について語った。
熊木が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。ここでは、1月18日(土)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。熊木は、カルビーの「じゃがりこ辛いやつ わさび醤油味」を持参し、ビールとともに楽しんだ。
熊木:もともとゲームがすごく好きで、小・中学生のときはずっとゲームデザイナーになりたかったんです。ゲームデザイナーになるには理系の知識が必要なんですが、僕は数学が苦手でダルいなって気持ちが芽生えてきていたんです。ちょうど受験が早く終わって暇な時間ができたタイミングで「最近、音楽を聴くのも好きだし、ちょっとやってみたら面白くなるんじゃないかな」と、ゲームとは全然違うものを始めたいってモチベーションで音楽を始めました。
クリス:自分は音楽が好きだなと気付かせてくれた曲は?
熊木:いちばんビビっときたのは、ポルノグラフィティの『メリッサ』を聴いたときですね。アニメ『鋼の錬金術師』の主題歌で「カッコいい音楽だな」という感覚があって、そこから音楽を聴き始めたような気がします。
クリス:この曲のどこが響いたんですか?
熊木:メロディーもそうだし、疾走感がすごく気持ちよくて。僕が最初の頃に聴いていた曲のほとんどは、疾走感がある曲だった気がします。自転車に乗っているときのような、風を切るような感じがすごく気持ちよかったんじゃないかって思います。
クリス:当時、どんなギタリストが好きでした?
熊木:中3から高校生にかけて音楽をやっていたときは、ポルノグラフィティの新藤晴一さんが好きで、あとL’Arc〜en〜CielのKenさんはシグネチャーモデルのギターを買うくらい好きでしたね。
クリス:最初に買ったCDもL’Arc〜en〜Ciel?
熊木:そうなんです。『自由への招待』って曲が好きでしたね。やっぱり疾走感がある曲でリードギターのカッコよさにハマっていた気がします。
クリス:でも(それらのジャンルは)Lucky Kilimanjaroの音楽とテイストがかなり違う感じがしますね。
熊木:かなり違います。この頃の僕はシンセサイザーとかキーボードとかふざけんなよって思っていました。そんな、ずっとロックキッズだった自分をダンスミュージックやエレクトロミュージックに引っ張ってくれたのがフランスのアーティスト、Breakbotの『Baby I'm Yours (feat. Irfane)』です。
熊木:リズムのカッコよさやグルーヴ、色気に「なんなんだ、これは?」ってなりました。そこから70年代、80年代のディスコやソウルミュージック、エレクトロミュージックを聴き出して自分の音楽感が広がった1曲ですね。
クリス:フレンチ系の音楽は好きでした?
熊木:そうですね。Daft PunkやJustice、最近だとMadeonも好きで、絶妙にシャレが利いているカッコよさがありますよね。ちょっとエモーショナルな質感が日本的でもないけど日本に通じるような、そこが気持ちよさにつながっているのかなって思います。
熊木:彼らの音楽は面白くてポップ要素もあって、今も自分の中でずっと指標にしています。曲そのもののキャッチーさもありますし、ダンスミュージック性も発想も素晴らしい。当時UKは、James BlakeやMount Kimbieなど、ポストダブステップが流行っていて、そういうシーンのなかでカッコいいハウスを鳴らしていたのが『Settle』っていう彼らの1stアルバムで、衝撃だったし今でも聴ける作品ですね。
熊木は、もうひとりの尊敬するアーティストとして、RIP SLYMEのDJ FUMIYAを挙げた。
熊木:サンプリングや音の配置のセンスが本当に素晴らしいんです。中学生の頃は、ただ「カッコいいな」「おしゃれだな」と思っていただけで、うまく言葉にはできなかったんですよね。でも、自分で曲を作るようになってから、絶妙なサンプリングだったり、エディットの仕方を含めてとんでもない曲ばかりで、こんな人は他にいないと思うようになりました。RIP SLYMEは当然、ラップがすごいんだけど、トラックもすごいんですよね。
クリス:ラップだけじゃなくて、ちゃんとDJもフィーチャーされているアーティストは僕もすごく好きですね。
その1曲として、熊木はBUMP OF CHICKENの『車輪の唄』をセレクトした。
熊木:2024年にInstagramで『車輪の唄』のカバーを投稿したんですけど、あらためてこの曲を聴いて、歌詞を読んだりその音を味わったときに、当時とは全然違う捉え方をしたんです。サウンドの捉え方も歌詞の捉え方も「うわ、全然違う聴こえ方してるな、大人になっちゃったな」というか。
クリス:20年も経つと違うわけですね。
熊木:同じような感動はあるけど、やっぱり20年経つとベースはこうなっているんだとか、作曲者としての考え方になったりもします。あと、当時は歌詞の意味が全然わかっていなかったなとも思って、それも含めて大人になったなというか、大人になってしまったなって思いますね。昔は極端な話で言うと、メロディとなんとなくの歌詞くらいしか入ってこなかったのが、今は音像も含めて全部一瞬でパッと入ってくるというか、聴こえ方が全然違いますね。
クリス:トータルでも聴くこともできるし、それを分析することもできるんですね。
熊木:今も新しい音楽を聴くのも好きだけど、やっぱり『メリッサ』を好きだった子どものときみたいに、あの愛情や感情を今も味わないといけないなって。新しく聴く音楽にもずっと感動していたいなと思います。
クリス:この曲はどういうきっかけで誕生したんですか?
熊木:2024年はLucky Kilimanjaroが結成10周年ということで、1年中いろんなところでライブをするなかで「楽しい」をモチベーションにしないと何もできないなって思ったんです。義務感で仕事をしても全然いいものはできないし、僕がBUMP OF CHICKENを好きになってワクワクしたときと同じようにワクワクしたい。それがまた新しい未来につながると思っているので、そういう気持ちを取り戻してほしいという感覚で、いちばんわかりやすいハウスミュージックを作りました。
クリス:バンド結成10周年を迎えて、どんな心境ですか?
熊木:まだまだスタートラインという気がします。自分が音楽を作ることや伝えることについてまだまだ何もわかってないし、やりたいこともたくさんありますね。
Lucky Kilimanjaroは現在、結成10周年イヤーを締めくくる全国ツアー「Lucky Kilimanjaro presents. TOUR“YAMAODORI 2024 to 2025”」を開催中。ツアーファイナルは2月16日(日)に千葉・幕張メッセ国際展示場 4・5ホールで行われる。
Lucky Kilimanjaroの最新情報は、公式サイトまで。
番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週土曜18時から。
熊木が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。ここでは、1月18日(土)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。熊木は、カルビーの「じゃがりこ辛いやつ わさび醤油味」を持参し、ビールとともに楽しんだ。
疾走感がある曲が好きだった
熊木はLucky Kilimanjaroのボーカルと作詞作曲を担当。バンドは大学の軽音サークルのメンバーで結成した。 そんな熊木が音楽を意識し始めたのは、ギターを手にした中学3年生の頃だったという。熊木:もともとゲームがすごく好きで、小・中学生のときはずっとゲームデザイナーになりたかったんです。ゲームデザイナーになるには理系の知識が必要なんですが、僕は数学が苦手でダルいなって気持ちが芽生えてきていたんです。ちょうど受験が早く終わって暇な時間ができたタイミングで「最近、音楽を聴くのも好きだし、ちょっとやってみたら面白くなるんじゃないかな」と、ゲームとは全然違うものを始めたいってモチベーションで音楽を始めました。
クリス:自分は音楽が好きだなと気付かせてくれた曲は?
熊木:いちばんビビっときたのは、ポルノグラフィティの『メリッサ』を聴いたときですね。アニメ『鋼の錬金術師』の主題歌で「カッコいい音楽だな」という感覚があって、そこから音楽を聴き始めたような気がします。
ポルノグラフィティ『メリッサ』MUSIC VIDEO
熊木:メロディーもそうだし、疾走感がすごく気持ちよくて。僕が最初の頃に聴いていた曲のほとんどは、疾走感がある曲だった気がします。自転車に乗っているときのような、風を切るような感じがすごく気持ちよかったんじゃないかって思います。
クリス:当時、どんなギタリストが好きでした?
熊木:中3から高校生にかけて音楽をやっていたときは、ポルノグラフィティの新藤晴一さんが好きで、あとL’Arc〜en〜CielのKenさんはシグネチャーモデルのギターを買うくらい好きでしたね。
クリス:最初に買ったCDもL’Arc〜en〜Ciel?
熊木:そうなんです。『自由への招待』って曲が好きでしたね。やっぱり疾走感がある曲でリードギターのカッコよさにハマっていた気がします。
L'Arc~en~Ciel『自由への招待』-Music Clip-
リズム、グルーヴ、色気に「なんなんだ、これは?」って
その後、新藤やKenの音楽ルーツを探っていった熊木。彼らが影響を受けたメタルやハードロックに興味を持ち、なかでもMr.BIGのギタリストであるリッチー・コッツェンが好きだったと振り返る。クリス:でも(それらのジャンルは)Lucky Kilimanjaroの音楽とテイストがかなり違う感じがしますね。
熊木:かなり違います。この頃の僕はシンセサイザーとかキーボードとかふざけんなよって思っていました。そんな、ずっとロックキッズだった自分をダンスミュージックやエレクトロミュージックに引っ張ってくれたのがフランスのアーティスト、Breakbotの『Baby I'm Yours (feat. Irfane)』です。
Breakbot - Baby I'm Yours (feat. Irfane) [Official Video]
クリス:フレンチ系の音楽は好きでした?
熊木:そうですね。Daft PunkやJustice、最近だとMadeonも好きで、絶妙にシャレが利いているカッコよさがありますよね。ちょっとエモーショナルな質感が日本的でもないけど日本に通じるような、そこが気持ちよさにつながっているのかなって思います。
今も指標にしているアーティストは…
熊木に、尊敬するアーティストを訊くと2組のアーティストを答えた。ひと組目はイギリスのダンスデュオ、Disclosureだ。Disclosure - When A Fire Starts To Burn
熊木は、もうひとりの尊敬するアーティストとして、RIP SLYMEのDJ FUMIYAを挙げた。
RIP SLYME - STEPPER'S DELIGHT
クリス:ラップだけじゃなくて、ちゃんとDJもフィーチャーされているアーティストは僕もすごく好きですね。
新しく聴く音楽もずっと感動していたい
番組では、「大人の☆生 サッポロ生ビール黒ラベル」を飲みながら音楽談義をしていることにちなみ、ゲストに「大人になった1曲」を訊いている。その1曲として、熊木はBUMP OF CHICKENの『車輪の唄』をセレクトした。
BUMP OF CHICKEN『車輪の唄』
クリス:20年も経つと違うわけですね。
熊木:同じような感動はあるけど、やっぱり20年経つとベースはこうなっているんだとか、作曲者としての考え方になったりもします。あと、当時は歌詞の意味が全然わかっていなかったなとも思って、それも含めて大人になったなというか、大人になってしまったなって思いますね。昔は極端な話で言うと、メロディとなんとなくの歌詞くらいしか入ってこなかったのが、今は音像も含めて全部一瞬でパッと入ってくるというか、聴こえ方が全然違いますね。
クリス:トータルでも聴くこともできるし、それを分析することもできるんですね。
熊木:今も新しい音楽を聴くのも好きだけど、やっぱり『メリッサ』を好きだった子どものときみたいに、あの愛情や感情を今も味わないといけないなって。新しく聴く音楽にもずっと感動していたいなと思います。
もっとダンスミュージックを身近な存在に
Lucky Kilimanjaroは1月15日に新曲『楽しい美味しいとりすぎてもいい』(水)を配信リリースした。Lucky Kilimanjaro - 楽しい美味しいとりすぎてもいい
熊木:2024年はLucky Kilimanjaroが結成10周年ということで、1年中いろんなところでライブをするなかで「楽しい」をモチベーションにしないと何もできないなって思ったんです。義務感で仕事をしても全然いいものはできないし、僕がBUMP OF CHICKENを好きになってワクワクしたときと同じようにワクワクしたい。それがまた新しい未来につながると思っているので、そういう気持ちを取り戻してほしいという感覚で、いちばんわかりやすいハウスミュージックを作りました。
クリス:バンド結成10周年を迎えて、どんな心境ですか?
熊木:まだまだスタートラインという気がします。自分が音楽を作ることや伝えることについてまだまだ何もわかってないし、やりたいこともたくさんありますね。
Lucky Kilimanjaroは現在、結成10周年イヤーを締めくくる全国ツアー「Lucky Kilimanjaro presents. TOUR“YAMAODORI 2024 to 2025”」を開催中。ツアーファイナルは2月16日(日)に千葉・幕張メッセ国際展示場 4・5ホールで行われる。
Lucky Kilimanjaroの最新情報は、公式サイトまで。
番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週土曜18時から。
radikoで聴く
2025年1月25日28時59分まで
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
番組情報
- SAPPORO BEER OTOAJITO
-
土曜18:00-18:54