元サッカー日本代表でサッカー指導者の長谷部 誠が20歳の頃のエピソードを語り、20歳を迎える人たちへメッセージを送る場面もあった。
長谷部が登場したのは1月13日(月・祝)に放送されたJ-WAVEの特別番組『J-WAVE SPECIAL SAPPORO BEER AT AGE 20, THE BEGINNING』(ナビゲーター:シシド・カフカ)。毎年、成人の日に、人生の大きな節目である「20歳」をテーマに放送し、2025年で4回目を迎えた。
長谷部:日本で浦和レッズというチームでプレーをしていました。その頃は自分がサッカー選手としてすごく成長している時期で、ピッチに立てば何をしてもうまくいくような、自分の感覚としてもすごくいい時期でした。
シシド:自信にあふれていて、それこそ野望にもあふれていた時期?
長谷部:いま振り返ると、すごくポジティブな20歳の“少年”だったなと思います。
シシド:海外に拠点を移したのが24歳のときです。ドイツ・ブンデスリーガに移籍されましたが、「いつか海外でプレーがしたい」というのは20歳の頃から思い描いていた夢でしたか?
長谷部:20歳の頃は正直、まだ現実的にはあまり考えていなくて。Jリーグで試合に出始めた頃だったんです。その当時は日本のサッカー選手が海外に行くというのが、あまり多くなかったので。僕自身、海外サッカーに興味はありましたけど、20歳のときは考えていなかったです。
その後、26歳になり2010年から8年間、日本代表のキャプテンを務めた長谷部は、当時心がけていたことを明かした。
長谷部:キャプテンになってから「自分が引っ張っていく」というよりは「調整していく」という言葉のほうが合っていたというか。サッカー日本代表チームはすごく個性的な選手が集まってくる場所で、彼らはそれぞれの考えがあります。それを僕がぐいぐい引っ張るというよりは、彼らと話し合いながら、コミュニケーションをとりながら「チームがどうしたらうまくいくか」ということを調整していたイメージです。
シシド:それぞれの個性を伸ばせるような余白を作っていく、という役割だったという感じでしょうか。
長谷部:サッカーはチームスポーツですから。そのなかでみんなが「勝つ」という目標に向かってやっていくときに、個性ある選手たちは、それぞれ違ったそこまでのプロセス、やり方、考え方を持っていたりはします。それをひとつにまとめるというよりは、お互いを尊重し合う。別にまったく考え方を同じにする必要はないし、お互いリスペクトし合いながらチーム作りをしていく、というのをすごく考えていました。
長谷部:彼らにいつも「とにかく今はいろいろなことにチャレンジして、とにかくいろいろなことを失敗したほうがいい」と言っています。僕も当時、失敗は嫌だったけど、今振り返れば「うまくいかなかったこと」のほうが自分にすごく大きく跳ね返ってきています。「今は小さくまとまるな」というのは日々、彼らには伝えています。
シシド:やはりコーチという立場でそれぞれの個性を伸ばしていく、という立場でありつつも、ご自身の経験があるからこそできるアドバイスが、たくさんあるんだろうなと感じます。20歳の方にとって、長谷部さんのお言葉にいろいろなヒントがあるんじゃないかと思います。
シシド:考え方やフィジカルの変化などは感じていますか?
長谷部:20歳の頃と比べれば、心身ともに変化はあります(笑)。ただ、40歳になった今も自分が20歳の頃に持っていたチャレンジ精神だったりとか、「小さくまとまらない部分」はこれからも持っていたいなと思うし、それが自分にとってのチャレンジだと思います。現役を引退して指導者の道を歩み、新しいことで日々うまくいかないこともたくさんありますが、それも楽しみながらやっている感じです。
シシド:20歳のときに感じていた自分のみなぎる力と、それによってできた経験が長谷部さんにとって、とても素晴らしいものだったんでしょうね。
長谷部:当時はうまくいかないこともたくさんありました。失敗したり、監督やコーチに怒られたりして、当時はすごく嫌な気持ちになったり、落ち込んだりもしました。だけど今振り返ると、そういうことのほうが自分にとってすごく大きな経験になっていて、現在の自分に活きているので、まだまだ今の20歳のみなさんにもいろいろな経験をして、どんどんチャレンジしてほしい、ということは伝えたいなと思います。
シシド:怖がらずにいろいろなことに挑戦してほしい、という気持ちがありますね。
長谷部:指導者として約半年経ちましたが、やればやるほど、まだまだわからないことだらけになってきています。今年も引き続き、指導者としてより深いところを見ていきたいなと思っています。指導者としてはわからないことが多いですが、わからないことが多いからすごく楽しいんです。サッカー選手としてはある程度、突き詰めた部分もあります。違う立場になって、わからないところをより自分で深くやっていくことを楽しみ、今年もそこに集中してやっていきたいと思います。
シシド:指導者として自分が「これだけは忘れないように」と、核にしている部分はありますか?
長谷部:監督やコーチがすべて正しいとは絶対に思わないです。選手の意見もしっかりと訊きながら、とにかく柔軟性を持つことですかね。サッカーは戦術とかいろいろなことがありますが、その「確固たるもの」を持たない。あまりそういうものを持ちすぎると、ほかのものを取り入れるのがすごく難しくなってきます。自分のなかでは指導者としてもそうですが、人として常に柔軟でありたいと考えています。
長谷部が登場したのは1月13日(月・祝)に放送されたJ-WAVEの特別番組『J-WAVE SPECIAL SAPPORO BEER AT AGE 20, THE BEGINNING』(ナビゲーター:シシド・カフカ)。毎年、成人の日に、人生の大きな節目である「20歳」をテーマに放送し、2025年で4回目を迎えた。
ポジティブな“少年”だった20歳の頃
2024年5月に現役を引退した長谷部は、現在、ドイツ・フランクフルトU-21のアシスタントコーチと日本代表コーチを務めている。まず、長谷部は自身の20歳の頃を振り返った。長谷部:日本で浦和レッズというチームでプレーをしていました。その頃は自分がサッカー選手としてすごく成長している時期で、ピッチに立てば何をしてもうまくいくような、自分の感覚としてもすごくいい時期でした。
シシド:自信にあふれていて、それこそ野望にもあふれていた時期?
長谷部:いま振り返ると、すごくポジティブな20歳の“少年”だったなと思います。
シシド:海外に拠点を移したのが24歳のときです。ドイツ・ブンデスリーガに移籍されましたが、「いつか海外でプレーがしたい」というのは20歳の頃から思い描いていた夢でしたか?
長谷部:20歳の頃は正直、まだ現実的にはあまり考えていなくて。Jリーグで試合に出始めた頃だったんです。その当時は日本のサッカー選手が海外に行くというのが、あまり多くなかったので。僕自身、海外サッカーに興味はありましたけど、20歳のときは考えていなかったです。
その後、26歳になり2010年から8年間、日本代表のキャプテンを務めた長谷部は、当時心がけていたことを明かした。
長谷部:キャプテンになってから「自分が引っ張っていく」というよりは「調整していく」という言葉のほうが合っていたというか。サッカー日本代表チームはすごく個性的な選手が集まってくる場所で、彼らはそれぞれの考えがあります。それを僕がぐいぐい引っ張るというよりは、彼らと話し合いながら、コミュニケーションをとりながら「チームがどうしたらうまくいくか」ということを調整していたイメージです。
シシド:それぞれの個性を伸ばせるような余白を作っていく、という役割だったという感じでしょうか。
長谷部:サッカーはチームスポーツですから。そのなかでみんなが「勝つ」という目標に向かってやっていくときに、個性ある選手たちは、それぞれ違ったそこまでのプロセス、やり方、考え方を持っていたりはします。それをひとつにまとめるというよりは、お互いを尊重し合う。別にまったく考え方を同じにする必要はないし、お互いリスペクトし合いながらチーム作りをしていく、というのをすごく考えていました。
「今は小さくまとまるな」
現在、フランクフルトU-21でアシスタントコーチを務めている長谷部。20歳前後の選手たちと日々トレーニングをしていると、当時の感覚が蘇ってくるという。長谷部:彼らにいつも「とにかく今はいろいろなことにチャレンジして、とにかくいろいろなことを失敗したほうがいい」と言っています。僕も当時、失敗は嫌だったけど、今振り返れば「うまくいかなかったこと」のほうが自分にすごく大きく跳ね返ってきています。「今は小さくまとまるな」というのは日々、彼らには伝えています。
シシド:やはりコーチという立場でそれぞれの個性を伸ばしていく、という立場でありつつも、ご自身の経験があるからこそできるアドバイスが、たくさんあるんだろうなと感じます。20歳の方にとって、長谷部さんのお言葉にいろいろなヒントがあるんじゃないかと思います。
20歳の人たちへのメッセージ
現在40歳の長谷部は「どんどん挑戦してほしい」と、20歳の人たちへメッセージを贈った。シシド:考え方やフィジカルの変化などは感じていますか?
長谷部:20歳の頃と比べれば、心身ともに変化はあります(笑)。ただ、40歳になった今も自分が20歳の頃に持っていたチャレンジ精神だったりとか、「小さくまとまらない部分」はこれからも持っていたいなと思うし、それが自分にとってのチャレンジだと思います。現役を引退して指導者の道を歩み、新しいことで日々うまくいかないこともたくさんありますが、それも楽しみながらやっている感じです。
シシド:20歳のときに感じていた自分のみなぎる力と、それによってできた経験が長谷部さんにとって、とても素晴らしいものだったんでしょうね。
長谷部:当時はうまくいかないこともたくさんありました。失敗したり、監督やコーチに怒られたりして、当時はすごく嫌な気持ちになったり、落ち込んだりもしました。だけど今振り返ると、そういうことのほうが自分にとってすごく大きな経験になっていて、現在の自分に活きているので、まだまだ今の20歳のみなさんにもいろいろな経験をして、どんどんチャレンジしてほしい、ということは伝えたいなと思います。
シシド:怖がらずにいろいろなことに挑戦してほしい、という気持ちがありますね。
あえて「確固たるもの」を持たない
最後に長谷部は今後の活動への意気込みを語った。長谷部:指導者として約半年経ちましたが、やればやるほど、まだまだわからないことだらけになってきています。今年も引き続き、指導者としてより深いところを見ていきたいなと思っています。指導者としてはわからないことが多いですが、わからないことが多いからすごく楽しいんです。サッカー選手としてはある程度、突き詰めた部分もあります。違う立場になって、わからないところをより自分で深くやっていくことを楽しみ、今年もそこに集中してやっていきたいと思います。
シシド:指導者として自分が「これだけは忘れないように」と、核にしている部分はありますか?
長谷部:監督やコーチがすべて正しいとは絶対に思わないです。選手の意見もしっかりと訊きながら、とにかく柔軟性を持つことですかね。サッカーは戦術とかいろいろなことがありますが、その「確固たるもの」を持たない。あまりそういうものを持ちすぎると、ほかのものを取り入れるのがすごく難しくなってきます。自分のなかでは指導者としてもそうですが、人として常に柔軟でありたいと考えています。
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