スカパラが「泣くほど感動したステージ」とは? 10-FEETとのエピソードを明かす

東京スカパラダイスオーケストラの谷中 敦(Key)が35周年となる活動や、新曲への想いなどを語った。

谷中が登場したのは、J-WAVEの番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)内、音楽以外の「+1」なトピックをゲストに尋ねるコーナー「MUSIC+1」だ。オンエアは5月15日(水)。

2024年5月22日(水)28時頃まで

「後悔」が絆を生むこともある

今年で活動35周年を迎える東京スカパラダイスオーケストラは、5月6日に新曲『風に戦ぐブルーズ feat.TAKUMA(10-FEET)』を配信リリース。
2013年にリリースした『閃光 feat.10-FEET』で初めて10-FEETとコラボレーションをしたスカパラ。谷中は「10-FEET(の楽曲)にスカパラメンバーが参加したものもあるので、そういうものも含めるとたくさんになっちゃうけれど」と話しつつ、10-FEETとコラボレーションするようになって10年以上経つと語った。

サッシャ:(初めてのコラボは)25周年のタイミング?

谷中:はい。そのときにバンドコラボというのをやって、10-FEETのメンバー3人とスカパラのメンバー9人、全部で12人のコラボレーションをしてそこから始まって。だから彼らとのコラボレーションは10周年になります。

サッシャ:僕は初めて知ったんですが「そよぐ」って「戦ぐ」と書くんですね。

ノイハウス:驚きでした。

サッシャ:「そうなの?」と思って思わず変換して検索しちゃいました。

谷中:こういう風に書くのが面白いなと思って。調べると戦うという字は「ふるえる」みたいな意味合いもあるので、そういうこともあるんじゃないかとか、諸説いろいろあるらしいです。崖っぷちに立って風に「なびく」のではなくて戦うようにしっかり立っている旗、みたいなイメージで使えたらいいなと思って。「背を向けて海に向かっているブルーズな人」みたいなイメージもあります。立ち尽くすというか。

ノイハウス:このタイトルにはどのようにたどりついたんでしょうか。

谷中:35年の人間関係のなかで自分が感じてきてきたブルーズ、ブルーな気持ちをひとつに表わしています。そうなるとどうしても、自分としては友情の話になってきます。いろいろな方々のことを思い浮かべながら。

サッシャ:歌詞を読みましたが、これまでの時の流れで出会って別れていった人たちのことですか?

谷中:人間関係のことで楽しかったことや、楽しかった人との思い出はもちろん思い出します。ですが、それよりも果たせなかった約束がある相手、その後悔こそが人と人をつなぐ絆であるということも自分は思うんです。積極的に後悔することによってその人との絆を深めていくということも、個人的にやっていくべきじゃないかなという。

サッシャ:いまはもうつながってない人ではなくて、いまもつながっているけど途中で後悔があったからこそ絆が深くなっている人のことも思っている?

谷中:もちろんそれもあります。

サッシャ:素敵です。35周年で、しかもこれをTAKUMAさんに歌ってもらいたいみたいな。

谷中:TAKUMAもスカパラと同じように同じような人間関係の景色のなかを泳いできているので、感じてもらえるかなと。

サッシャ:こういうのはTAKUMAさんと話をするんですか?

谷中:けっこう話しましたね。

サッシャ:そこから歌詞にして。

谷中:「こういう歌詞にしよう」とかではないですけど、お互いに話をしていて感じたことを。

ノイハウス:曲に向けて話し合うだけではなくて、ざっくばらんに話したなかから生まれてきたと。

谷中:自分がTAKUMAのLINEに詞を送ると、TAKUMAから詞が返ってきたりすることもあります。そういうのもたまにやっているので。『第ゼロ感』とかも「すごくいい歌詞できたよね」とLINEで送ったら「谷中さんとの詞のやりとりで鍛えられた部分もあります」って、そういう殊勝なことを言ってくれて(笑)。

サッシャ:最高、TAKUMAさんも素敵ですね。

谷中:あの子はすごく格好いいです。

歌謡曲の影響を開放したTAKUMA

サッシャは『風に戦ぐブルーズ』でのTAKUMAのいつもとは違う印象の歌唱に注目。谷中によるとそこにはTAKUMAの「もうひとつのルーツ」が隠されているという。

サッシャ:歌い方が今回、いい意味でTAKUMAさんぽくないというか、10-FEETぽくないです。これも「こういう風に歌って」みたいなのはありましたか?

谷中:本人から出てきた感じです。子どものころ歌謡曲が好きな両親に育てられたそうです。お父さんも歌をけっこう歌う人で「ビブラートをかけて、こうやって歌うんだ」「お前はビブラートかかってない、やってみろ」と、子どものころに言われてやっていたらしくて。そういうことを楽しんでやっていたのだけど、嫌になっちゃった部分もあって。そういうビブラートをかけるといった昔の歌い方を封印して、自分なりのパンクでずっとやっていたところ、「(今回は)久しぶりに封印を解きました」と。そういうストーリーがTAKUMAのなかにあるらしいです。

ノイハウス:歌も思い出深いですね。

谷中:お父さんお母さんが聴いていたような時代の歌謡曲の影響とかも開放しているわけです。

サッシャ:実はあった一面というね。なんとなく10-FEETだと垣間見えない部分です。

谷中:あまり出さないようにしていたでしょうね(笑)。

サッシャ:谷中さんだからこその。

谷中:いやいや、関係性はありますけど。だから聴いているといろいろな人の顔が浮かびます。サザンオールスターズの桑田佳祐さんに似ているなと思う場所も自分的には聴いていてあったし。TAKUMAくんが当時聴いていたいろいろな歌謡曲を感じます。

サッシャ:ある意味TAKUMAさんのルーツが見える曲ですね。

35周年を振り返って

この日の「+1」では35周年のスカパラにちなんだ質問を次々と投げかけていった。

「35年の活動のなかで一番あせったハプニングは?」

谷中:ずいぶん前ですが、ステージに出たときにお客さんが俺の顔じゃなくて、股間をずっと見ているなと思ったんです。「どうしたんだ」と思ったらチャックが開いていました。

サッシャ:それは恥ずかしかったですね。

谷中:かなり前ですけどね。若気の至り(笑)。

サッシャ:まあそんなときも、長年やっていればありますね。

「35年のなかで、泣くほど感動したステージは?」

谷中:これは最近になりますが、『ミュージックステーション』にTAKUMAくんと一緒に出て『風に戦ぐブルーズ』を演奏したときです。この曲はキーギリギリで高いところも続くし低いところもあるしで、歌うのも超難しいし、TAKUMAくんも新しい歌い方にチャレンジしているのですごく大変なんです。それを一生懸命歌うTAKUMAの姿に感動しちゃって。それは泣くほど感動しました。

サッシャ:生放送ならではですね。

谷中:本当によかったです。

「35年のなかで一番『スカパラでよかった』と思う瞬間は?」

谷中:近所のおばさんとかに「見たわよ、あの番組! いい活動しているわね」と言われたときに「スカパラでよかった」と思います。

ノイハウス:それはいいですね。

サッシャ:素敵。

谷中:スカパラの一員でいてよかったなと。スカパラは朝の番組に出ることが多いのですが、それでわりと年配の方も観てくれていて。俺もけっこういい歳のはずですけど、子どもみたいに扱ってくれる近所のお母さん方がいらっしゃるというのは「スカパラでいてよかったな」と思います。

ノイハウス:素敵なエピソードです。これからもきっとそういう瞬間がたくさんありそうです。

サッシャ:国民的というか、日本にスカをこれだけ広めてくれたのはスカパラ35年間の活動ですから、間違いないです。

谷中:ありがとうございます。サッシャがそんなこと言ってくれるなんて。何回も言いますけど音源に参加してもらっていますからね。

サッシャ:ありがとうございます(笑)。

ノイハウス:一緒にスカを広げたということですね。

谷中:『歓喜の歌(交響曲第九番)』のスカバージョンでコーラス、コーラス指導もやってもらいました。

サッシャ:ドイツ語指導をね。

谷中:そうしたら「そのまま歌ってよ」と言われちゃってね。ありがとうございます。またやりたいですね。

サッシャ:ぜひまた呼んでください。

東京スカパラダイスオーケストラの最新情報は、公式サイトまで。

J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「MUSIC+1」では、ゲストとして毎回話題のミュージシャンが登場する。放送は月曜~木曜の12時30分ごろから。
radikoで聴く
2024年5月22日28時59分まで

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番組情報
STEP ONE
月・火・水・木曜
9:00-13:00

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