「Spotifyで信じられないぐらい聴かれている」楽曲とは? 水曜日のカンパネラ・ケンモチヒデフミが選曲

水曜日のカンパネラのメンバー・ケンモチヒデフミが、新曲『たまものまえ』の制作エピソードを語り、お気に入りの楽曲でプレイリストを作成した。

ケンモチが登場したのは、4月1日(月)に放送されたJ-WAVEの番組『GRAND MARQUEE』(ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann)のワンコーナー「RADIO ENSEMBLE」。アーティストがスタジオに生出演し、トークと共にオススメの楽曲をセレクトする。

作曲前に「曲の設計図」を考える

ゲストがテーマにあわせて選曲するコーナー「RADIO ENSEMBLE」が、2024年4月よりリニューアル。これまではひとり語りのスタイルだったが、今後はゲストがスタジオに登場し、タカノシンヤ&Celeina Annと対話をしながら、オススメの楽曲をセレクトする。

スタイル変更後の初回放送では、ケンモチヒデフミがゲストに登場した。ケンモチは音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」で作曲と編曲を担当。

楽曲セレクトの前に、まずは水曜日のカンパネラが3月13日に配信リリースした新曲『たまものまえ』をオンエア。楽曲はAmazon Originalドラマ『僕の愛しい妖怪ガールフレンド』の主題歌だ。



タカノ:ケンモチさんに曲作りについて聞きたいです。曲を作るときって、どこから着手します?

ケンモチ:音だと、まずはビートからなんですけど、もっと前だと、こういうタイトル、こういう音楽のジャンル、こういうメロディーの構成など、頭のなかで設計図みたいなものを作ります。組み合わせが面白くなりそうだなと思うところから音を作り始めますね。

タカノ:『たまものまえ』も設計図を作ったんですか?

ケンモチ:そうですね。平安時代末期にいた狐の妖怪の曲にしようと思いました。玉藻前(たまものまえ)は女性に変身して、偉い人に取り入って裏で政治をコントロールする妖怪なんですけど、ドラマの主題歌ということで「ワチャワチャした感じにしてほしい」というオーダーもあったんですね。いろいろ混ぜた結果、ああいう曲になりました。最初の設定がうまくハマっていると曲作りがスムーズにいきます。

水曜日のカンパネラは3月16日に日本武道館単独公演「METEOR SHOWER」を開催。ライブに参加したタカノは、時代を先取りするケンモチの作曲センスについて語る。

タカノ:感想をこの前送りましたけども、ジャージークラブのビートが水カンって合うなって思ったんですよね。

Celeina:ドンドン、ドンドンドンのリズムですね。

タカノ:今(番組で)流れてる『バッキンガム』がまさにそうですね。



タカノ:Creepy NutsとかNewJeansとか、今やジャージークラブのビートってめちゃくちゃ流行っていますけど、ケンモチさんって取り入れるのすごく早い気がします。ビートがトレンドになる前からやりますよね。

ケンモチ:そうですね。逆に今からだとジャージークラブが流行りすぎちゃっていて、やめておこうかなってモードに入りつつあります。

Celeina:トレンドの一歩先を行くんですね。

ケンモチ:そっちのほうが面白いかなって思うんですよね。

さまざまな国の音楽を聴くことは学びに繋がる

ケンモチが最初に選んだ曲はnadhif basalamahの『penjaga hati』。選んだ理由として、「疲れたときにふっと一息をつきたい曲です」とコメント。東京の夕方の景色に合うイメージで選んだと明かした。



Celeina:nadhif basalamahさんはインドネシアのアーティストなんですね。

ケンモチ:はい。ジャカルタに住んでいる23歳の男の子です。サブスクとかでいろんな国のランキングが見れたりするじゃないですか。他の国ではどんなポップスが流行っているのか聴いていたとき、この曲がインドネシアのチャートで1位になっていたんです。彼の声とインドネシア語の柔らかい感じがいいなと思いました。

Celeina:韻の踏み方とか音の響きとかで、その国の言葉がわからなくても「この音はカッコいいな」みたいに、アイデアのもとになることはありますか?

ケンモチ:そうですね。言葉にする意味がある・なしに関わらず、メロディーの響きがいいものがあったりしますね。そっちのほうが引っかからないで聴けるというか、音楽に集中できるんですよね。

タカノ:他の国のチャートを見るのって面白いですよね。

ケンモチが2曲目として選んだのは、6YNTHMANE、RXDXVILの『BRAZILIAN DANÇA PHONK』。



ケンモチ:「Phonk(フォンク)」というスローなトランスハウスみたいな音楽ジャンルがあるんですね。音がバッキバキに歪んでいて、Phonkって面白いなと思ったんです。それにブラジルで流行っているバイレファンキ(ブラジル・リオデジャネイロのファベーラ発祥の音楽ジャンル)とかの要素を足したのが「Brazilian Phonk」って言うんですよね。車とかでドリフトさせながらこういう音を流すのがいろんな国で流行っているんですけど、この曲はSpotifyで信じられないぐらい聴かれているんですよ。中東とかブラジルの人とかが局地的にすごく聴いているみたいです。

Celeina:車との相性がいいんですかね? 車をよく使う文化のある国で聴かれているのかも。

ケンモチ:車をドリフトしまくる大会とかでもこういう曲が好まれているみたいです。

3曲目の選曲は、Teng Mixerの『Ra Dong』だ。



ケンモチ:夕飯どき、急にエキゾチックなものが食べたいなと思ったとき、タイの要素を入れたくなったときに聴く曲ですね。

Celeina:お腹が減ったときに音楽を聴くんですね(笑)。タイ料理が食べたくなりました。

タカノ:なんかわかる(笑)。

ケンモチ:タイの歌謡曲ぽいものにEDMを乗っけるみたいな、「サイヨー」という音楽ジャンルがあるんですね。それをいろいろ調べたときに見つけた曲です。現地の人が楽しむ大衆音楽みたいな位置付けで、イケイケなDJはあまりサイヨーをかけたがらない感じらしいです。エキゾチックなものって面白いですし、タイっぽいリズムだなと思って聴いて勉強していましたね。

Celeina:楽曲の勉強になるし、何よりケンモチさんの視点が勉強になりました。

ケンモチ:いつも面白いことはないかなと思っています。

水曜日のカンパネラの詩羽はJ-WAVEの新番組『MASSIVE HISTORIA』のナビゲーターを担当。番組では「森羅万象」をテーマに、知っているようで知らなかった歴史や情報を楽しく学ぶ。放送は毎週土曜の24時から25時。水曜日のカンパネラの最新情報は、公式サイトまで。

アーティストがスタジオに生出演し、トークと音楽をお届けするコーナー「RADIO ENSEMBLE」の放送は、毎週月曜日から木曜日の17時台から。
radikoで聴く
2024年4月8日28時59分まで

PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

番組情報
GRAND MARQUEE
月・火・水・木曜
16:00-18:50

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