初めて出会った同世代の同志。人生を懸けてメガネ作りに挑んだ人々の情熱と愛の物語『おしょりん』(11月3日公開)で、北乃きいと森崎ウィンが初共演した。むめ(北乃)と増永幸八(森崎)は、惹かれ合いながらもプラトニックな関係となり、同志のようにお互いを支え合う。
その同志という意識は現実世界でもリンクしている。とにかく北乃と森崎は仲が良く、相性も抜群。「仕事に対する姿勢が似ている」と口を揃え、同じ世界で活躍する者として、そしてオープンマインドな人間性も含めてリスペクトし合っている。
そんな2人が『おしょりん』についてはもちろんのこと、「心に残る」大切な一曲について熱弁。これから記すQ&Aに目を通してもらえばわかる通り、2人の飾らぬ人柄と仲睦まじさが炸裂する底抜けに明るいインタビューとなった。
森崎:確かに僕らは初共演ではありますが、実は『おしょりん』の撮影後に2回くらいお会いしています。
北乃:ちょっと、ちょっと! そこは仕事ってちゃんと言わないと勘違いが起きるから。「仕事で2回会いました」と言ってください。事務所としても困ります(笑)!
森崎:ああ、そうか。確かに『2回くらい会っています』だと誤解が生まれるか……。いや、いや、僕らはそんな関係には絶対ならないでしょ!
北乃&森崎:(爆笑)
北乃:同じ年齢なのにオーディションでも一度もお会いしたことがなかったですよね。それはとても不思議に思います。
──どんなところにお互いウマが合うな、と感じましたか?
北乃:ウマは合わないと思っていました。でも『おしょりん』の後にご一緒した作品ではスタッフさんから「2人は本当に仲がいいね~!」と言われて「ええ!?」となりました(笑)。
森崎:だよね、僕もそれは思った。
北乃:そもそも『おしょりん』はコロナ禍での撮影ということもあり、みんなで食事するような機会もなくて、喋ることもあまりできていませんでした。
森崎:みんなでワイワイという現場でもなかったしね。
──それがどうしてこんなに仲良く!?
北乃&森崎:う~ん……時の経過?
森崎:だんだん、だよね。
北乃:そうです。最初からではありませんでした。ただ『おしょりん』ではプラトニックな関係性だったので、その時点で親しくならなくてよかったと思います。その後の作品で再会した際にはウィン君から「前世で出会っていると思うくらいフィーリングが合う」と謎めいたことを言われましたけど……。
森崎:『おしょりん』のあとに再会した際、なぜだか「やはりこの人は信頼できるな!」と確信しました。一緒に仕事をしていて心地よいパートナーというか、プライベートで食事しながら込み入った話ができるかと言うとそれはできなくて、作品作りというゴールに向かって伴走する相手として最高だと実感しました。
北乃:私もそれは感じていて、プライベートで会おうとは思わないけれど、仕事面での相性がとてもいいのだと思います。友人ではなくて同志のような関係。芝居の相性と現場の居方が似ているのかもしれません。
森崎:同い年というのも大きいかも。一緒にいてとても楽で。
北乃:もはや空気!
森崎:え? 空気!? いなくても別にいいって意味? さすがに傷つく……。
北乃:気の置けない仲、ということですよ!
森崎:フィーリング!
北乃&森崎:(爆笑)
北乃:あれは撮影初日です。福井県にある実際の山奥でのロケだったので、撮影はかなり大変でした。撮影地にたどり着くまでに、みんなでロープにしがみつくようにして崖を下りました。しかも着物で。
森崎:その崖を超えてからもかなりの距離を歩かなければならず、本当の山奥だったの気温も低くて寒かったです。水も冷たかったよね? ただ、みんなで山の中にある目的地まで行って撮影するという過程が、現場に一体感を与えたような気がします。そのおかげで初日から気合いがみなぎったのを覚えています。
北乃:物理的には大変でしたが、苦労だとは感じなくて。楽しかったです。
──むめ(北乃)と増永幸八(森崎)のプラトニックな関係も心にグッと迫るものがありました!
森崎:時代背景が明治時代なので、恋愛の形は現代とは全然違います。自分の気持ちだけを優先するのではなく、家系など色々な責任を背負わなければいけなかったりして。たとえ相手に心が動いても手に入らない現実があるわけで。
北乃:増永幸八とむめさんの関係性は確かにプラトニックですが、2人が一緒にいる期間はすごく短いので恋愛感情もそこまで始まっていないというか、お互いに惹かれ合ってはいるけれど「好き」という感情に届くか届かないかの手前の状態です。むめさんは幸八の兄・五左衛門(小泉孝太郎)と結婚しますが、幸八は姿を消してしまうので、そーっと心が離れてしまったような感覚です。
──幸八を見守る北乃さんの瞳が恋する乙女のようでキュンとしました!
北乃:それは森崎さんが引き出してくださいました。
森崎:北乃さんの瞳を覗くと乙女な部分が眠っているような気がして。「よし、これは僕が引き出すぞ!」と思って(笑)。
北乃:と言いながらも森崎さんは私のことを見ているようで見ていなくて、さっきも私の左目の近くにあるホクロを見て「それどうしたの?」と。……元々あるものですから!
森崎:ごめんなさい。『おしょりん』だけに、僕がメガネをかけなければダメですね(笑)。
──うまい!
北乃:森崎さんは感覚で演じられる方で、相手の反応に対してその場できちんとリアクションを返してくださるので、私もいろいろな球が投げられるというか、安心して演技をすることが出来ました。
森崎:演技とは、演じる人の生きざまが反映されるものだと思います。北乃さんの演技からは努力する人柄がにじみ出ている気がしました。北乃さんは現場や取材の場では明るく振舞っているけれど、実際は気配りの人。撮影中は『おしょりん』にかける情熱を一つ一つのお芝居から感じて、完成した作品を観てもワンカットワンカットに北乃さんの情熱が映し出されていて感動します。男だらけの現場にあって、一番のガッツを感じたのは北乃さん。その姿に僕自身も負けてはいられないと思って襟を正したくらいです。カッコいいと思わせてくれる俳優さんは同年代では珍しい。そのカッコよさが、演じたむめの胆力にも繋がっている気がします。
──確かに『おしょりん』の北乃さんからは、力強さからくる肝っ玉を感じます。北乃きいの“き”は肝っ玉の“き”なのだなと。
北乃&森崎:(爆笑)
森崎:今日から“肝っ玉きい”に改名した方がいいですよ!
北乃:検討します(笑)。
森崎:冗談はさておき、むめとしての力強さが画からも伝わるわけで、画から伝わるということは現場ではもっとヤバいということ。北乃さんはただモノではありません。
北乃:むめさんは実在した方なので、演じさせていただく中でリスペクトを忘れず、しっかりとむめを生き抜きたいと思っていました。むめさん自身の力強さがあったからこそ、私の中からも力強さが引き出されたのだと思います。むめさんが太平洋戦争を生き抜いた私の祖母のように見えるときもあったりして、むめさんの古風な考え方や性格はすんなりと自分の中に入ってきました。
森崎:僕にとっての心に残る一曲は、ブルーノ・マーズに出会ったきっかけでもあるトラヴィー・マッコイの『Billionaire [Feat. Bruno Mars]』です。ブルーノ・マーズが大ブレイクする前に歌った曲ですが、今ではその歌詞に書かれていることを彼はすべて叶えています。それが感慨深いです。いいミュージシャンがいると友達から教わって聴いてみたら「うわ!何この人の声!」と一目惚れならぬ一聴き惚れをしました。僕が19歳、20歳くらいの頃に初めて出会って、いまだに崇拝しています。
──シンガーとしての森崎さんにも影響を与えている人物ですよね?
森崎:ものすごく影響を受けています。ハイトーンボイスの出し方もそうだし、彼は東京ドーム4DAYSでシャウトし続けても全然喉が潰れない。しかもライブ後に楽屋で楽器を弾いて歌って、関係者を楽しませているらしいです。インタビュー取材の際もエンターテイナーに徹して、サービス精神も旺盛。そんな彼の人間性も大好きでリスペクトしています。
北乃:YouTubeでウィン君のパフォーマンス動画を拝見して思いましたが、ウィン君のステージパフォーマンスはブルーノ・マーズに近いですよね。
森崎:嬉しいことを言ってくれますね……。北乃さんは今日のためにわざわざ僕のことを検索して調べてくれたのでしょう。今日も会った瞬間「誕生日おめでとう!」と言ってくれましたから。
北乃:(爆笑)
──一方、北乃さんは大事MANブラザーズバンドの『それが大事』がお好きとか。
北乃:幼い頃に初めて買ったCDはエンヤやマリア・イサベルというぐらい、私は洋楽が大好きですが、色々な洋楽を聴いてきても大事MANブラザーズバンドが勝ちます。私は歌手活動をしていたときに、ときどきハートで歌えないときがありました。でも大事MANブラザーズバンドのパフォーマンスは常にハートが込められていてパッションを感じます。そこへの憧れもあり、感化されました。ちなみに『それが大事』は超名曲ですが、年齢によって受け取り方が変わっていくので、妹や弟にはまだ早いと思って教えていません(笑)。
──『それが大事』を初めて聴いたときと現在では、受け取り方はどのように変化していますか?
北乃:最初の頃はコード進行を意識して、メロディーがいいなと思って良い曲として聴いていました。それから祖父母を亡くした10代後半の頃は歌詞に心を掴まれるようになりました。メロディーがいいなと思って聴いていた子どもの頃、聴きながら泣いていた高校から20歳時代、そこから30歳までは感動しながら聴いて、32歳の今では前向きな気持ちで楽しく聴いています。それは私自身が、今が人生で一番楽しい時期だと感じているからかもしれません。『それが大事』は奇しくも私が生まれた年に発表された楽曲。私を助けてくれたような曲でもあるので、自分の人生に寄り添った一曲になっています。時代を超えても色褪せない名曲なので、皆さんにも聴いてほしいです。
(取材・文=石井隼人、撮影=山口真由子)
(北乃きい ヘアメイク= Yuko Fujiwara (Y’s C)、スタイリスト=米原佳奈)
(森崎ウィン ヘアメイク=宇田川恵司(heliotrope)、スタイリスト=森田晃嘉)
■作品概要
タイトル:『おしょりん』
公開日:2023年10月20日(金)より福井県先行公開、11月3日(金・祝)より角川シネマ有楽町ほかにて全国公開
配給:KADOKAWA
コピーライト:©「おしょりん」制作委員会
その同志という意識は現実世界でもリンクしている。とにかく北乃と森崎は仲が良く、相性も抜群。「仕事に対する姿勢が似ている」と口を揃え、同じ世界で活躍する者として、そしてオープンマインドな人間性も含めてリスペクトし合っている。
そんな2人が『おしょりん』についてはもちろんのこと、「心に残る」大切な一曲について熱弁。これから記すQ&Aに目を通してもらえばわかる通り、2人の飾らぬ人柄と仲睦まじさが炸裂する底抜けに明るいインタビューとなった。
映画『おしょりん』本予告【10.20(金)福井先行公開/11.3(金・祝)全国公開】
■初共演とは思えぬフィーリングの一致
──この取材用の写真撮影時からお二人は本当に楽しそうで。初共演とは思えぬ意気投合ぶりですね!森崎:確かに僕らは初共演ではありますが、実は『おしょりん』の撮影後に2回くらいお会いしています。
北乃:ちょっと、ちょっと! そこは仕事ってちゃんと言わないと勘違いが起きるから。「仕事で2回会いました」と言ってください。事務所としても困ります(笑)!
森崎:ああ、そうか。確かに『2回くらい会っています』だと誤解が生まれるか……。いや、いや、僕らはそんな関係には絶対ならないでしょ!
北乃&森崎:(爆笑)
北乃:同じ年齢なのにオーディションでも一度もお会いしたことがなかったですよね。それはとても不思議に思います。
──どんなところにお互いウマが合うな、と感じましたか?
北乃:ウマは合わないと思っていました。でも『おしょりん』の後にご一緒した作品ではスタッフさんから「2人は本当に仲がいいね~!」と言われて「ええ!?」となりました(笑)。
森崎:だよね、僕もそれは思った。
北乃:そもそも『おしょりん』はコロナ禍での撮影ということもあり、みんなで食事するような機会もなくて、喋ることもあまりできていませんでした。
森崎:みんなでワイワイという現場でもなかったしね。
北乃&森崎:う~ん……時の経過?
森崎:だんだん、だよね。
北乃:そうです。最初からではありませんでした。ただ『おしょりん』ではプラトニックな関係性だったので、その時点で親しくならなくてよかったと思います。その後の作品で再会した際にはウィン君から「前世で出会っていると思うくらいフィーリングが合う」と謎めいたことを言われましたけど……。
森崎:『おしょりん』のあとに再会した際、なぜだか「やはりこの人は信頼できるな!」と確信しました。一緒に仕事をしていて心地よいパートナーというか、プライベートで食事しながら込み入った話ができるかと言うとそれはできなくて、作品作りというゴールに向かって伴走する相手として最高だと実感しました。
北乃:私もそれは感じていて、プライベートで会おうとは思わないけれど、仕事面での相性がとてもいいのだと思います。友人ではなくて同志のような関係。芝居の相性と現場の居方が似ているのかもしれません。
森崎:同い年というのも大きいかも。一緒にいてとても楽で。
北乃:もはや空気!
森崎:え? 空気!? いなくても別にいいって意味? さすがに傷つく……。
北乃:気の置けない仲、ということですよ!
森崎:フィーリング!
北乃&森崎:(爆笑)
■森崎ウィンが引き出した乙女な北乃きい
──冒頭の山奥の川のシーンはお二人の初々しいフィーリングを感じました!北乃:あれは撮影初日です。福井県にある実際の山奥でのロケだったので、撮影はかなり大変でした。撮影地にたどり着くまでに、みんなでロープにしがみつくようにして崖を下りました。しかも着物で。
森崎:その崖を超えてからもかなりの距離を歩かなければならず、本当の山奥だったの気温も低くて寒かったです。水も冷たかったよね? ただ、みんなで山の中にある目的地まで行って撮影するという過程が、現場に一体感を与えたような気がします。そのおかげで初日から気合いがみなぎったのを覚えています。
北乃:物理的には大変でしたが、苦労だとは感じなくて。楽しかったです。
──むめ(北乃)と増永幸八(森崎)のプラトニックな関係も心にグッと迫るものがありました!
森崎:時代背景が明治時代なので、恋愛の形は現代とは全然違います。自分の気持ちだけを優先するのではなく、家系など色々な責任を背負わなければいけなかったりして。たとえ相手に心が動いても手に入らない現実があるわけで。
北乃:増永幸八とむめさんの関係性は確かにプラトニックですが、2人が一緒にいる期間はすごく短いので恋愛感情もそこまで始まっていないというか、お互いに惹かれ合ってはいるけれど「好き」という感情に届くか届かないかの手前の状態です。むめさんは幸八の兄・五左衛門(小泉孝太郎)と結婚しますが、幸八は姿を消してしまうので、そーっと心が離れてしまったような感覚です。
──幸八を見守る北乃さんの瞳が恋する乙女のようでキュンとしました!
北乃:それは森崎さんが引き出してくださいました。
北乃:と言いながらも森崎さんは私のことを見ているようで見ていなくて、さっきも私の左目の近くにあるホクロを見て「それどうしたの?」と。……元々あるものですから!
森崎:ごめんなさい。『おしょりん』だけに、僕がメガネをかけなければダメですね(笑)。
──うまい!
北乃:森崎さんは感覚で演じられる方で、相手の反応に対してその場できちんとリアクションを返してくださるので、私もいろいろな球が投げられるというか、安心して演技をすることが出来ました。
森崎:演技とは、演じる人の生きざまが反映されるものだと思います。北乃さんの演技からは努力する人柄がにじみ出ている気がしました。北乃さんは現場や取材の場では明るく振舞っているけれど、実際は気配りの人。撮影中は『おしょりん』にかける情熱を一つ一つのお芝居から感じて、完成した作品を観てもワンカットワンカットに北乃さんの情熱が映し出されていて感動します。男だらけの現場にあって、一番のガッツを感じたのは北乃さん。その姿に僕自身も負けてはいられないと思って襟を正したくらいです。カッコいいと思わせてくれる俳優さんは同年代では珍しい。そのカッコよさが、演じたむめの胆力にも繋がっている気がします。
──確かに『おしょりん』の北乃さんからは、力強さからくる肝っ玉を感じます。北乃きいの“き”は肝っ玉の“き”なのだなと。
北乃&森崎:(爆笑)
森崎:今日から“肝っ玉きい”に改名した方がいいですよ!
北乃:検討します(笑)。
森崎:冗談はさておき、むめとしての力強さが画からも伝わるわけで、画から伝わるということは現場ではもっとヤバいということ。北乃さんはただモノではありません。
北乃:むめさんは実在した方なので、演じさせていただく中でリスペクトを忘れず、しっかりとむめを生き抜きたいと思っていました。むめさん自身の力強さがあったからこそ、私の中からも力強さが引き出されたのだと思います。むめさんが太平洋戦争を生き抜いた私の祖母のように見えるときもあったりして、むめさんの古風な考え方や性格はすんなりと自分の中に入ってきました。
■北乃きい&森崎ウィンの心に残る一曲とは?
──J-WAVE NEWSは音楽に力を入れるラジオ局のJ-WAVEが運営しています。そこでお二人には「心に残る一曲」を教えていただきたいです!森崎:僕にとっての心に残る一曲は、ブルーノ・マーズに出会ったきっかけでもあるトラヴィー・マッコイの『Billionaire [Feat. Bruno Mars]』です。ブルーノ・マーズが大ブレイクする前に歌った曲ですが、今ではその歌詞に書かれていることを彼はすべて叶えています。それが感慨深いです。いいミュージシャンがいると友達から教わって聴いてみたら「うわ!何この人の声!」と一目惚れならぬ一聴き惚れをしました。僕が19歳、20歳くらいの頃に初めて出会って、いまだに崇拝しています。
Travie McCoy: Billionaire ft. Bruno Mars [OFFICIAL VIDEO]
森崎:ものすごく影響を受けています。ハイトーンボイスの出し方もそうだし、彼は東京ドーム4DAYSでシャウトし続けても全然喉が潰れない。しかもライブ後に楽屋で楽器を弾いて歌って、関係者を楽しませているらしいです。インタビュー取材の際もエンターテイナーに徹して、サービス精神も旺盛。そんな彼の人間性も大好きでリスペクトしています。
北乃:YouTubeでウィン君のパフォーマンス動画を拝見して思いましたが、ウィン君のステージパフォーマンスはブルーノ・マーズに近いですよね。
森崎:嬉しいことを言ってくれますね……。北乃さんは今日のためにわざわざ僕のことを検索して調べてくれたのでしょう。今日も会った瞬間「誕生日おめでとう!」と言ってくれましたから。
北乃:(爆笑)
──一方、北乃さんは大事MANブラザーズバンドの『それが大事』がお好きとか。
北乃:幼い頃に初めて買ったCDはエンヤやマリア・イサベルというぐらい、私は洋楽が大好きですが、色々な洋楽を聴いてきても大事MANブラザーズバンドが勝ちます。私は歌手活動をしていたときに、ときどきハートで歌えないときがありました。でも大事MANブラザーズバンドのパフォーマンスは常にハートが込められていてパッションを感じます。そこへの憧れもあり、感化されました。ちなみに『それが大事』は超名曲ですが、年齢によって受け取り方が変わっていくので、妹や弟にはまだ早いと思って教えていません(笑)。
北乃:最初の頃はコード進行を意識して、メロディーがいいなと思って良い曲として聴いていました。それから祖父母を亡くした10代後半の頃は歌詞に心を掴まれるようになりました。メロディーがいいなと思って聴いていた子どもの頃、聴きながら泣いていた高校から20歳時代、そこから30歳までは感動しながら聴いて、32歳の今では前向きな気持ちで楽しく聴いています。それは私自身が、今が人生で一番楽しい時期だと感じているからかもしれません。『それが大事』は奇しくも私が生まれた年に発表された楽曲。私を助けてくれたような曲でもあるので、自分の人生に寄り添った一曲になっています。時代を超えても色褪せない名曲なので、皆さんにも聴いてほしいです。
(取材・文=石井隼人、撮影=山口真由子)
(北乃きい ヘアメイク= Yuko Fujiwara (Y’s C)、スタイリスト=米原佳奈)
(森崎ウィン ヘアメイク=宇田川恵司(heliotrope)、スタイリスト=森田晃嘉)
■作品概要
タイトル:『おしょりん』
公開日:2023年10月20日(金)より福井県先行公開、11月3日(金・祝)より角川シネマ有楽町ほかにて全国公開
配給:KADOKAWA
コピーライト:©「おしょりん」制作委員会