BE:FIRST・LEO「正義とは何かを考えさせられた」 映画『ザ・クリエイター/創造者』監督に思いを伝える

映画『ザ・クリエイター/創造者』のトークセッションイベントが10月18日(水)、東京・六本木アカデミーヒルズ タワーホールで行われた。来日したギャレス・エドワーズ監督のほか、スペシャルゲストとして、映画好きとして知られるBE:FIRSTのLEO、千葉工業大学fuRo所長でロボットクリエイターの古田貴之氏が登壇した。

人類とAIの戦争が続く世界が舞台のSFアクション

同映画は人類とAIの戦争が続く世界が舞台のSFアクション。元特殊部隊のジョシュアは、高度なAI兵器を生み出したクリエイター暗殺のミッションを課されて、暗殺に向かう。しかしそこにいたのは、兵器と呼ばれるも、純粋無垢な超進化型AIの少女・アルフィー。ジョシュアは暗殺すべきか守るべきか、自らの使命と葛藤することになる。ジョシュアをジョン・デヴィッド・ワシントンが演じ、渡辺謙、ジェンマ・チャン、アリソン・ジャネイ、マデリン・ユナ・ヴォイルズも出演した。

エドワーズ監督は大の親日家、日本文化に影響を受けた部分は?

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』以来7年ぶりの来日となったエドワーズ監督は、大きな拍手で迎えられ「この映画では、東京でも撮影しましたが、今回また同じ場所に立ちました。そこでは予告版が流れていました。日本に作品が戻ってきて、大変うれしく思う」と挨拶した。
続けて、大の親日家としても知られるエドワーズ監督は今作について「日本の文化やデザインに非常に影響を受けています」と述べ、「20年以上前、英国にいた時『子連れ狼』を観て、あのような映画を作ってみたいと思っていた。日本の文化は好きで、SONYのウォークマン、任天堂などの製品がモチーフとなってさまざまなロボに反映されている。日本に恩返ししないといけないと考えている。この作品は日本へのラブレターです」と明かした。

それからLEOが登場すると「このような素敵な映画についてお話しできるということで、とても光栄です!」と笑みをこぼしつつ、「(この映画を観て)“正義とは何か”を考えさせられました。光が正義なのか、闇は悪なのか、そういうテーマが刺さるものがあって、今の自分がこの映画を観られて幸せです」と話した。
続けて、古田氏は「この映画を観て、敬意を込めて監督を“スーパーオタク”と呼びたい。ロボットをテーマにした映画は以前からあったが、この作品はドキュメンタリーに思える。ここに出てくるロボットの描写が研究者目線から見ても、とても正しい。未来の技術がそのまま描かれています。僕はこの映画を学会推奨の教育映画にしたいと思います!」と力を込めた。
それから古田氏が「今研究している技術にのっとって世界が描かれていて本当に驚きです。監督は学会で研究してましたか?」と疑問をぶつけると、これを受けエドワーズ監督は「光栄です」としつつ、「実際にタイムマシーンを作って未来に行って、映画を作りました」とユーモアたっぷりに答えた。

登壇者のLEOから、エドワーズ監督に質問を投げかけられる場面も。「自分は音楽を作る身として、“今、作るべきもの”ということをすごく大事にしている。そんな中で、この映画は今、作るべき・観るべき映画だと思いました。そういったことは意識していますか?」と質問が投げられると、エドワーズ監督は「意識はしていないです」と答えつつ、「私はとても幸運でした。この映画が時代に合っている、タイムリーであると感じてもらえたことはとても幸せなことです。この作品は5年前、はたまた20年前に作ってもタイムリーになった。なぜなら我々は人間は同じような行動・歴史を繰り返しているから。この物語は不滅であり、永遠なんです」と、あくまで普遍的なものが描かれていることを強調した。

さらに「SFの魅力、作るときのポリシーは?」という質問が飛ぶとエドワーズ監督は「SF以外のジャンルってあるんですか? 宇宙船が出てこない映画ってありますか?」と答え、会場から笑いが起きる。それから「人間は一生同じ考えを持って過ごすこともできると思う。でもSFの場合は、世界をひっくり返すことができる。信じていたものが嘘になると、人間は疑問を持つ。そうなることでより良い世界が描けるし、そういうストーリーが好きなんです」と口にした。

最後にLEOが「いろんな年代の方に観てもらいたい映画ですし、その中でいろんな感情を持ち帰ってほしいと思います」と呼びかけると、続けて古田氏は「10年後の技術を見たいのなら、この映画です。僕らが気づかないような新しいものを問いかけてくれます。ここに、理系も文系もありません。未来を考えるきっかけになる作品。オススメです」と伝えた。
今作に関するイベント出席が、この日で最後だというエドワーズ監督は「私にとって今日がジャーニーの最終日。今、感情が溢れています」と口にしつつ、「この映画は感情に溢れている作品です。その場面は予告にも出ていません。(関連スタッフと試写を観て)みんな目が真っ赤でした。フィルムメーカーとしてご褒美をもらった気分でした。日本の『子連れ狼』を観てインスピレーションをもらった作品のジャーニーの最後が、東京で迎えられたのは100%正しいこと。皆さんに感謝しています」と話し、イベントは終演を迎えた。
映画『ザ・クリエイター/創造者』は10月20日より公開中。

・公式サイト
https://www.20thcenturystudios.jp/movies/thecreator

(取材・撮影=中山洋平)

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