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安齋 肇、亡き妻とタモリとのエピソードを明かす「やっぱりわかってくれる人はいる」

安齋 肇、亡き妻とタモリとのエピソードを明かす「やっぱりわかってくれる人はいる」

イラストレーターの安齋 肇が、ANZAiFURUTAの結成や、大好きなホヤについて語った。

安齋が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが2週にわたって音楽談議を繰り広げる番組だ。安齋は2週目となる。オンエアは9月15日(金)。

【前回の放送】安齋 肇が選ぶ『空耳アワー』の最高傑作は?

あの温厚な古田たかしがライブ中に…

安齋はドラマーの古田たかしとバンド・ANZAiFURUTAを結成。9月6日にファーストアルバム『う~ゆばりあ』をリリース。この作品には、安齋、古田、編集者の佐川秀文によるバンド・The Chokobabyzのカバー曲も収録されている。

クリス:The Chokobabyzはいつ結成?

安齋:20年……もっと前かな。すごく前ですよ。佐川くんは音楽ライターで、結構過激な意見を言う人で、バンドのファンの人からカミソリが送られてくるくらい過激なタイプだったんですよ。でもそいつがあるとき、「俺、KISSみたいにギターが弾きたい」って言ったんですよ。「何、ギター弾けるの?」「俺、弾けますよ。ジャンピン・ジャック・フラッシュやっちゃうよ」って弾き出したら全然違う曲だったの(笑)。

クリス:あはは(笑)。

安齋:3拍子揃ったギタリストは佐川くんしかいない。まずリズム感がない。それに人の言うことを聞かない。しかも練習しない。

クリス:変な意味で見込みがあるかもしれないけど、音楽家としては見込みないですよね。

安齋:でも熱意はすごくあるから、その熱意に負けてさすがの古田たかしも「じゃあ一緒にやりましょうか」って。

クリス:古田たかしって言ったら、Charと布袋寅泰、日本の2大ギタリストが取り合うドラマーですからね。それが佐川とやるって許せない(笑)。

安齋は古田を「いつもニコニコしてドラムを叩いて、いるだけでバンドがいいムードになる」と表現。しかし、そんな古田を佐川が怒らせたことがあるそうで……。

安齋:あの古田たかしがライブ中に立ち上がって「やめやめやめ! この曲やめ!」って。

クリス:うそ!? 練習じゃなくて!?

安齋:「俺の音、聴いてよ!」って。

クリス:すごい。

安齋:そしたら佐川くんが「いや、聴いてますよ? あれ~?」ってなって。

クリス:すげえライブ。

安齋:「俺、あんなに練習したんだからもう1回やってくださいよ」って。「本当にちゃんと聴いてよ」って言ってまた始まったの。そしたらまた途中で「違うよ! やめ!」って(笑)。

クリス:そのライブ観たかったな。

安齋:六本木のライブハウスみたいなところでやって、(観客は)100人くらいいたんじゃないかな。

クリス:あの温厚なしーたか(古田)が。

安齋:しーたかを知ってる人は客席で大笑いしてるんですよ(笑)。すごいんだよ、あの人は。しーたかはライブが命の人だから。

亡き妻に捧げて作ってくれた楽曲と、タモリとのエピソード

ANZAiFURUTAがコロナ禍でライブ活動が思うようにできなくなった頃、安齋は「そんなに暇してるんだったらThe Chokobabyzの曲をカバーしてよ」と声をかけたという。そのことがきっかけで始まったそうだ。

安齋:僕も素人だし佐川くんも素人だし、言ってみればしーたかだけがプロで引っ張ってくれてたから、もっと古田たかしの世界があるはずだから、そこでやってよって言ったら、やってくれて。

クリス:じゃあ、そこで本領発揮で。

安齋:しかもタワーレコードの中で古田くん専属のレーベル、ターフル・スタジオ・レーベルを作ったんですよ。めちゃくちゃ気合いが入ってるんですよ。

クリス:わかります。『う~ゆばりあ』は面白い曲が多い中、最後の曲『おもひで』は唯一(違った印象の曲ですよね)。

安齋:やらかしてますよね。『おもひで』は僕の奥さんに捧げて作ってくれた曲なんです。奥さんがコロナの直前に亡くなっちゃったんですよ。うちの奥さんはすごく立派な人で、絶対に病気は治るから人に言わないでって言って隠して闘病してたんですよ。しーたかもめちゃくちゃ仲良いのにそれを知らないで、そういえば最近来ないなって、それで亡くなったって話をしたらすごくショックを受けて、曲を作らなければいけないって気持ちになったみたい。それで僕の奥さんにプレゼントしてくれたのがこの曲で。もう泣いちゃうよね。

安齋は、安齋の妻とタモリとのエピソードを口にした。

安齋:タモリさんが収録で来たときに、うちの奥さんと話してたんですよ。内容は知らないですよ。もともと奥さんはタモリさんが好きだったから。収録が終わって、タモリさんが僕のところに来て「わかったよ。あなたがやっていけてる理由が」「あの奥さんがいるからだね」って言ってくれて。それを伝えたらうちの奥さんはすごく喜んじゃって。「やっぱりわかってくれる人はいる」って(笑)。

クリス:わかる人にはわかると。

安齋:そういう意味では、僕は公私ともにってよく言うけど本当に支えてもらっていて、『おもひで』は衝撃的でしたね。

曲にするほどのホヤ愛

番組後半ではリスナーから届いた質問に安齋が答える場面もあった。

リスナー:今年の夏はいちばん何を食べましたか?

安齋:ホヤ!

クリス:ホヤ好きですよね。

安齋:亡くなったナンシー関の展覧会が秋田でやってたんですけど、そこに行ったりして、今年の夏はホヤ食いましたよ。夏ギリギリだから刺身は向こうで食わないと。

クリス:なるほどね。

安齋:鮮度が命ですから。

クリス:アルバムには『スペースほや』って曲もありますよね。

安齋:そうそう(笑)。クリスさんホヤは苦手?

クリス:苦手じゃないけど、食べる機会が少ないじゃない。俺、12年前に安齋さんからもらったホヤは冷蔵庫に1カ月くらい入れてて、それをパスタに入れて。でもそのあとまた買いましたよ。

安齋:11月3日に『さよなら ほやマン』っていう映画が公開されるんですけど、それは福島のホヤをリスペクトしてるやつがほやマンになって、すごくいろんなことが起こるっていうヒューマンドラマなんですよ。泣けますよ。

11/3(金)『さよなら ほやマン』特報

安齋:この映画はアフロ(MOROHA)が主演なんですよ。すごく素朴だけどなかなかいい映画で、これを観るとホヤが好きになりますよ。それでホヤを好きになってくださいよ。

クリス:ホヤは珍味ですけど、安齋さんのような絶大なファンがいるわけですからね。

安齋:東北のほうでは普通ですからね。海に潜ってそのまま食べておやつにするとか。

クリス:新鮮なホヤはおいしいでしょうね。

安齋:それにホヤって「保夜」って読ませたりもするの。それはなぜかって精力剤になるっていう風に言われてたらしい。

クリス:なるほど。今夜はホヤってことだ(笑)。

番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。

・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html

『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週金曜23時から。

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2023年9月22日28時59分まで

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番組情報
SAPPORO BEER OTOAJITO
毎週金曜
23:00-23:30