アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の魅力について、草野華余子とヒグチアイが語った。エンディングテーマに携わったtricotの中嶋イッキュウもコメントを寄せた。
2人が登場したのはJ-WAVEで放送された番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。オンエアは2月20日(月)『SONAR MUSIC』。
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今回ゲストで登場した草野とヒグチアイは共にアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の楽曲制作に携わっている。
あっこゴリラ:『ぼっち・ざ・ろっく!』ってどんな作品ですか?
草野:もともと、はまじあきさんによる4コマ漫画が原作で、コミックだと5巻まで出ています。高校生の女の子が主人公でライブハウスを中心に活躍するバンドのストーリーとなります。主人公がぼっちちゃん(後藤ひとり)で、動画の投稿サイトでギターを弾く少女として大人気だったんですけど、バンドを組みたい、文化祭に出たいと思っているけど人見知りで友だちすら作れない状態でした。ギターを持って行ったりしてアピールするも失敗し続け、学校の帰り道に、逃げたバンドのギタリストを探していた伊地知 虹夏に誘われて急遽ライブをすることになったところから物語が始まります。それで結束バンドに入れるようになりました。
あっこゴリラ:結束バンドのメンバーの名前が気になりますよね。
草野:後藤、伊地知、山田、喜多と言えばASIAN KUNG-FU GENERATIONですよね。苗字が全員アジカンメンバーで、1話と最終話とかのタイトルでいろいろとアジカンにまつわることが出てきたり、はまじあきさんがすごく音楽フリークの方でロックフェスとか行かれたり、音楽がすごく詳しい方が作られているので、音楽ファンにも刺さったんじゃないかなって思います。
あっこゴリラ:作品で出てくる場所もどこかしらをモデルにされてるんですよね。
草野:私もヒグチもよく下北沢でライブをしていまして、『ぼっち・ざ・ろっく!』はその下北沢のライブハウスでバイトをしながらバンドとして成長していく物語なんですけど、下北沢SHELTERがモデルになっています。それでめちゃくちゃSHELTERに人が来るみたいなんです。
あっこゴリラ:すご!
草野:ご近所に迷惑をかからないように気をつけていただいて。
あっこゴリラ:ついでにライブも観てもらえたらいいですよね。
草野:当日券で2,000円とか3,000円で観られたりするので、ライブも楽しんでもらいたいなと思います。
あっこゴリラ:ヒグチさんは『ぼっち・ざ・ろっく!』で4曲の歌詞を手掛けているんですよね。楽曲制作ってどんな感じで行われたんですか。
ヒグチ:いちばん最初に曲が送られてきて、その曲に合わせて歌詞を書くっていう感じなんですけど、どこの場面でどういう風に使われますよみたいな感じで言われていたりするんですよね。曲によるんですけど『青春コンプレックス』においては、もともとオープニングになるって決まっていなくて、「ぼっちちゃんという主人公が歌詞を書きます」「ぼっちちゃんが書きそうな感じの歌詞を書いてください」とだけ言われていました。そこに合わせて書いたら「オープニングになりました」って。
あっこゴリラ:へえ。
ヒグチ:それこそ草野さんとも一緒に書きましたけど、それも最初に誰が書いてるか全然分からないまま出て「この人が書いてたんだ」「この人がアレンジしてたんだ」って後から知ることが多くて。作っている人にとってもサプライズみたいなことが多かったような気がします。
あっこゴリラは、なぜここまで『ぼっち・ざ・ろっく!』が人気になったかと訊くと、草野が持論を展開した。
草野:4つポイントがあって、1つめはアニプレックスのディレクター・岡村 弦さんの采配がすごくて。下北沢に親和性があるアーティストで、なおかつ歌詞の面ではぼっちちゃんのイメージに近い精神性、友だちが作りづらいとかっていう女性を揃えていて、なおかつアレンジはギターロックにかなり精通している三井律郎さんがアーティストもの以外はほぼアレンジされていて。下北沢を知っている人からしても、うそがないんですよね。2つめとしては、普通なら楽曲や作家クレジットは放送前に出すことが多いんですけど、『ぼっち・ざ・ろっく!』の宣伝チームの方が毎週ツイートがトレンドになるようにと、放送前には一切どの作家が参加してるか明かさなかったんです。放送回を追うごとに小出しに解禁していったことで、毎週トレンド入りしたんですよ。
あっこゴリラ:おお。
草野:あと放送終了後、すぐにリリックビデオとか解禁されたのもすごかったし、毎週それでiTunes1位を獲得し続けたこと。最後にバンドブームが下火になり、またアフターコロナの閉塞感がある時代にオタクである主人公が音楽を通して人とかかわって自分を解放していくっていう、開かれていくストーリーが時代感と親和性が高くて多くの共感を生んだのかなと分析しています。
中嶋:『ぼっち・ざ・ろっく!』の魅力は何と言っても、ぼっちちゃんの成長がいちばんの見どころだと思いますが、音楽性とか結束バンドの活動内容とかが、個人的に今というより自分が経験してきた音楽シーンに似ているのかな、というところがすごく共感しました。バンドをしたことがない人も、見ていて「バンドってこんなんだ」って楽しめるようなことが細かく描かれているアニメだと思います。自分も1人だと何もできないタイプだったんですけど、バンドを組んでメンバーという最大の武器を手に入れて無敵になった感じとか、自分には自信がなくてもバンドには自信が持てたりするところとかがバンドのいいところだと思うので、そういう経験を経てバンドメンバーとして少しずつ変わっていくぼっちちゃんを見るのがすごく楽しかったです。
「単純な青春物語ではなくて、要所要所に出てくるギャグ性が高いので何度も見たくなる」と中嶋は続けた。
中嶋:『カラカラ』は初めての楽曲提供だったんですけど、オーダーがtricotっぽくっていうことだったので特に苦戦することもなく、歌詞も楽曲も自分らしく楽しく描かせていただけたなって思います。そもそも曲だけ依頼されていたのに歌詞も付けて送っちゃって、そしたら歌詞も書いてもらうことになりましたって言っていただけたのがすごくうれしかったです。自分がこの曲に預けた思いっていうのは、青春時代の葛藤だったり希望だったり、今自分で歌うには少し若いなと思うような曲が書きたかったので、そういうのを意識して書いたんですけど。途中で「山田リョウ役の声優さんが歌うことになりました」って連絡をいただいてから歌詞を書き直して、リョウさんを連想させる言葉の要素をちりばめてしまいました(笑)。結束バンドのことは意識しないで歌詞を書いてって言われてバレないように入れたつもりだったんですけど、放送が終わって『ぼっち・ざ・ろっく!』のファンのみなさんには考察でバレバレだったことがわかって恐るべしと思いました。でもそういうところもファンのみなさんに楽しんでもらえたらうれしいなと思います。
ヒグチ:本当に青春コンプレックスという言葉があるように学生時代にいろいろあった人とかも見て消化されるというか。私も学生時代にうまくいかなかったこともたくさんあったんですけど、消化される部分がたくさんあったので、青春コンプレックスと言わずにぜひ見ていただきたいアニメになっているし、これを見て音楽とかバンドシーンのことを知ったらぜひライブに遊びに来てほしいなと思います。
草野:私もライブハウスで育った人間として、ライブハウスからもらったものがたくさんあって、アニメのコンテンツで曲を書かせていただいたりとか、そのドライブ感みたいなものを久しぶりにアニメに内包してくれた作品に出会えたなと言うか。リアリティがあるしすごく音楽を愛した人たちがかかわって、死ぬ気で作ったからこそこれだけヒットしたんだろうなと裏側でも感じられる作品です。今からでもぜひ『ぼっち・ざ・ろっく!』を楽しんでください。
ヒグチと草野は4月20日(木)に神奈川・クラブチッタで「ヒグチアイ×草野華余子 “The lady is a tramp!2023”」を開催する。
草野華余子の最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
ヒグチアイの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
中嶋イッキュウの最新情報は、オフィシャルTwitterまで。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は、月~木の22:00-24:00にオンエア。
2人が登場したのはJ-WAVEで放送された番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。オンエアは2月20日(月)『SONAR MUSIC』。
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モデルとなったライブハウス巡礼も
昨年12月まで放送されたアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』(TOKYO MXほか)。年末に発売されたアルバム『結束バンド』はいまだiTunesチャートトップ3。アニメが終わった後も、コンテンツや実際に使われていた楽器が爆売れするなど余韻が続いているアニメだ。今回ゲストで登場した草野とヒグチアイは共にアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の楽曲制作に携わっている。
あっこゴリラ:『ぼっち・ざ・ろっく!』ってどんな作品ですか?
草野:もともと、はまじあきさんによる4コマ漫画が原作で、コミックだと5巻まで出ています。高校生の女の子が主人公でライブハウスを中心に活躍するバンドのストーリーとなります。主人公がぼっちちゃん(後藤ひとり)で、動画の投稿サイトでギターを弾く少女として大人気だったんですけど、バンドを組みたい、文化祭に出たいと思っているけど人見知りで友だちすら作れない状態でした。ギターを持って行ったりしてアピールするも失敗し続け、学校の帰り道に、逃げたバンドのギタリストを探していた伊地知 虹夏に誘われて急遽ライブをすることになったところから物語が始まります。それで結束バンドに入れるようになりました。
あっこゴリラ:結束バンドのメンバーの名前が気になりますよね。
草野:後藤、伊地知、山田、喜多と言えばASIAN KUNG-FU GENERATIONですよね。苗字が全員アジカンメンバーで、1話と最終話とかのタイトルでいろいろとアジカンにまつわることが出てきたり、はまじあきさんがすごく音楽フリークの方でロックフェスとか行かれたり、音楽がすごく詳しい方が作られているので、音楽ファンにも刺さったんじゃないかなって思います。
あっこゴリラ:作品で出てくる場所もどこかしらをモデルにされてるんですよね。
草野:私もヒグチもよく下北沢でライブをしていまして、『ぼっち・ざ・ろっく!』はその下北沢のライブハウスでバイトをしながらバンドとして成長していく物語なんですけど、下北沢SHELTERがモデルになっています。それでめちゃくちゃSHELTERに人が来るみたいなんです。
あっこゴリラ:すご!
草野:ご近所に迷惑をかからないように気をつけていただいて。
あっこゴリラ:ついでにライブも観てもらえたらいいですよね。
草野:当日券で2,000円とか3,000円で観られたりするので、ライブも楽しんでもらいたいなと思います。
『ぼっち・ざ・ろっく!』が人気になった4つのポイント
ヒグチは『ぼっち・ざ・ろっく!』のオープニング曲『青春コンプレックス』の歌詞を手掛けている。ヒグチ:いちばん最初に曲が送られてきて、その曲に合わせて歌詞を書くっていう感じなんですけど、どこの場面でどういう風に使われますよみたいな感じで言われていたりするんですよね。曲によるんですけど『青春コンプレックス』においては、もともとオープニングになるって決まっていなくて、「ぼっちちゃんという主人公が歌詞を書きます」「ぼっちちゃんが書きそうな感じの歌詞を書いてください」とだけ言われていました。そこに合わせて書いたら「オープニングになりました」って。
あっこゴリラ:へえ。
ヒグチ:それこそ草野さんとも一緒に書きましたけど、それも最初に誰が書いてるか全然分からないまま出て「この人が書いてたんだ」「この人がアレンジしてたんだ」って後から知ることが多くて。作っている人にとってもサプライズみたいなことが多かったような気がします。
あっこゴリラは、なぜここまで『ぼっち・ざ・ろっく!』が人気になったかと訊くと、草野が持論を展開した。
草野:4つポイントがあって、1つめはアニプレックスのディレクター・岡村 弦さんの采配がすごくて。下北沢に親和性があるアーティストで、なおかつ歌詞の面ではぼっちちゃんのイメージに近い精神性、友だちが作りづらいとかっていう女性を揃えていて、なおかつアレンジはギターロックにかなり精通している三井律郎さんがアーティストもの以外はほぼアレンジされていて。下北沢を知っている人からしても、うそがないんですよね。2つめとしては、普通なら楽曲や作家クレジットは放送前に出すことが多いんですけど、『ぼっち・ざ・ろっく!』の宣伝チームの方が毎週ツイートがトレンドになるようにと、放送前には一切どの作家が参加してるか明かさなかったんです。放送回を追うごとに小出しに解禁していったことで、毎週トレンド入りしたんですよ。
あっこゴリラ:おお。
草野:あと放送終了後、すぐにリリックビデオとか解禁されたのもすごかったし、毎週それでiTunes1位を獲得し続けたこと。最後にバンドブームが下火になり、またアフターコロナの閉塞感がある時代にオタクである主人公が音楽を通して人とかかわって自分を解放していくっていう、開かれていくストーリーが時代感と親和性が高くて多くの共感を生んだのかなと分析しています。
『ぼっち・ざ・ろっく!』グッズとして、Tシャツやトートバッグなどが展開。ヴィレッジヴァンガードオンラインストアで販売中。
歌うには少し若いなって思うような曲が書きたかった
番組ではアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』のエンディングテーマ『カラカラ』を作詞・作曲したtricotの中嶋イッキュウがコメントを寄せた。中嶋:『ぼっち・ざ・ろっく!』の魅力は何と言っても、ぼっちちゃんの成長がいちばんの見どころだと思いますが、音楽性とか結束バンドの活動内容とかが、個人的に今というより自分が経験してきた音楽シーンに似ているのかな、というところがすごく共感しました。バンドをしたことがない人も、見ていて「バンドってこんなんだ」って楽しめるようなことが細かく描かれているアニメだと思います。自分も1人だと何もできないタイプだったんですけど、バンドを組んでメンバーという最大の武器を手に入れて無敵になった感じとか、自分には自信がなくてもバンドには自信が持てたりするところとかがバンドのいいところだと思うので、そういう経験を経てバンドメンバーとして少しずつ変わっていくぼっちちゃんを見るのがすごく楽しかったです。
「単純な青春物語ではなくて、要所要所に出てくるギャグ性が高いので何度も見たくなる」と中嶋は続けた。
中嶋:『カラカラ』は初めての楽曲提供だったんですけど、オーダーがtricotっぽくっていうことだったので特に苦戦することもなく、歌詞も楽曲も自分らしく楽しく描かせていただけたなって思います。そもそも曲だけ依頼されていたのに歌詞も付けて送っちゃって、そしたら歌詞も書いてもらうことになりましたって言っていただけたのがすごくうれしかったです。自分がこの曲に預けた思いっていうのは、青春時代の葛藤だったり希望だったり、今自分で歌うには少し若いなと思うような曲が書きたかったので、そういうのを意識して書いたんですけど。途中で「山田リョウ役の声優さんが歌うことになりました」って連絡をいただいてから歌詞を書き直して、リョウさんを連想させる言葉の要素をちりばめてしまいました(笑)。結束バンドのことは意識しないで歌詞を書いてって言われてバレないように入れたつもりだったんですけど、放送が終わって『ぼっち・ざ・ろっく!』のファンのみなさんには考察でバレバレだったことがわかって恐るべしと思いました。でもそういうところもファンのみなさんに楽しんでもらえたらうれしいなと思います。
『ぼっち・ざ・ろっく!』を見てライブハウスに遊びに来てほしい
最後にヒグチと草野があらためて『ぼっち・ざ・ろっく!』の魅力について語った。ヒグチ:本当に青春コンプレックスという言葉があるように学生時代にいろいろあった人とかも見て消化されるというか。私も学生時代にうまくいかなかったこともたくさんあったんですけど、消化される部分がたくさんあったので、青春コンプレックスと言わずにぜひ見ていただきたいアニメになっているし、これを見て音楽とかバンドシーンのことを知ったらぜひライブに遊びに来てほしいなと思います。
草野:私もライブハウスで育った人間として、ライブハウスからもらったものがたくさんあって、アニメのコンテンツで曲を書かせていただいたりとか、そのドライブ感みたいなものを久しぶりにアニメに内包してくれた作品に出会えたなと言うか。リアリティがあるしすごく音楽を愛した人たちがかかわって、死ぬ気で作ったからこそこれだけヒットしたんだろうなと裏側でも感じられる作品です。今からでもぜひ『ぼっち・ざ・ろっく!』を楽しんでください。
ヒグチと草野は4月20日(木)に神奈川・クラブチッタで「ヒグチアイ×草野華余子 “The lady is a tramp!2023”」を開催する。
草野華余子の最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
ヒグチアイの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
中嶋イッキュウの最新情報は、オフィシャルTwitterまで。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は、月~木の22:00-24:00にオンエア。
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