言葉の違いや育った環境の違いを超えて<家族>を作ろうとする人々を描いた映画『ファミリア』(2023年1月6日公開)。その完成披露試写会が22日都内劇場で行われ、主演の役所広司、共演の吉沢亮、サガエルーカス、ワケドファジレ、アリまらい果、シマダアラン、スミダグスタボ、成島出監督が参加した。
主人公・神谷誠治を演じた役所にとって、『聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-』(2011年)以来の成島監督作。役所は「10年間あなたは何をしていたんだい?と言われないよう、頑張らねばと思いました。吉沢さんをはじめ、非常にフレッシュな若者たちとの仕事は楽しかった」と充実を報告した。
神谷誠治(役所)の息子・学役の吉沢は役所と初共演。吉沢は「いつかはご一緒させていただきたいと思っていた方で、役所さんとお芝居できるということも本作に参加する上で重要なことの一つでした。緊張しましたが、学ばせていただきました」と感激。
現場での役所の佇まいについて吉沢が「その場に役が人間として存在しているというか、説得力がすさまじくてすごかった」と絶賛すると、役所は「立派な息子ですね! お父さんのことをこんなに褒めてくれて」とジョーク交じりに照れていた。
焼き物職人という役柄ゆえに、役所は実際に焼き物作りに挑戦。「ろくろも結構時間をかけて苦労しながら練習しましたが、吉沢さんは大河ドラマの撮影もあって練習もできなかったはずなのに、意外と結構達者にやる。おかしいなと。どうしてそんなにできるんだ?という話はした」と吉沢の器用さに驚き、当の吉沢は「少ない時間ではありましたが、焼き物の先生に教えてもらいながら頑張りました」と謙遜していた。
この日の登壇者で在日ブラジル人を演じた面々は、演技初挑戦&映画初出演。サガエルーカスは「役所さんとの共演シーンは緊張して不安だったけれど、本番で役所さんを前にしたら自然と涙が出た。役所さんの力はすごい」と感激。ワケドファジレは「撮影中は夢を生きている感じで、日本に住むブラジル人の気持ちを全力で伝えるために頑張りました」と意気込み十分。アリまらい果は「撮影で緊張している中で役所さんや吉沢さんが全然違う話をしてくれてリラックスをさせてくれた。愛のある現場でした」と感謝。
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シマダアランは「BBQのシーンで吉沢さんが僕のプライベートな夢の話を聞いてくれたりして嬉しかった」と喜び、スミダグスタボは「ブラジル人代表としてこの映画に出演できたのは嬉しかった」と貴重な体験を噛みしめていた。
そんな中、役所は人生初の舞台挨拶に緊張気味のフレッシュ勢に「ブラジルの子たちがこんなに大人しいなんて……。立派なスピーチもするし……。撮影で僕が知っている子たちとは違うなあ」とユーモアを交えて彼らの緊張をほぐしていた。
(取材:石井隼人)