音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
中田英寿が日本文化を伝える中で得た気付きと、“インスパイア”されたものとは?

中田英寿が日本文化を伝える中で得た気付きと、“インスパイア”されたものとは?

元サッカー日本代表の中田英寿がプロデュースする日本酒イベント「CRAFT SAKE WEEKEND」が9月17日(土)~19日(月・祝)の3日間、複合型都市型フェス「J-WAVE presents INSPIRE TOKYO 〜BEST MUSIC & MARKET〜」内にて開催される。

中田はサッカー引退後、2009年より全国47都道府県をめぐる旅を重ね、これまで400を超える酒蔵を訪問。日本酒の美味しさと文化的可能性を感じ、2016年より国内最大級の日本酒イベント「CRAFT SAKE WEEK」を手掛ける。今回はJ-WAVEおよび「INSPIRE TOKYO」とのコラボレーションによるスピンオフ企画「CRAFT SAKE WEEKEND 2022 at J-WAVE INSPIRE TOKYO」として実施される。

イベント開催に先立ち、中田にインタビューを実施。日本酒以外にも日本文化を国内外に紹介する活動を続ける中田が「CRAFT SAKE WEEK」に込める思いや、今回出店する酒蔵を選定した基準、さらには、「INSPIRE TOKYO」にちなんで「インスパイアされたもの」について聞いた。

――2016年から国内最大級の日本酒イベントである「CRAFT SAKE WEEK」を実施されていますが、こちらはそもそもどんなイベントなのでしょうか?

これまで僕は全国400以上の酒蔵をまわってきましたが、そこで出会った素晴らしい日本酒の可能性をより多くの人に伝えていきたいという思いから始まったイベントです。

220916_craft_1.jpg

――本イベントをオーガナイズする上で、こだわっているポイントを教えてください。

既に日本酒が好きな方に向けたイベントというよりは、新たに日本酒を知ろうとする方たち、さらには、工芸や食に興味がある方たちにアプローチしたいと考えています。そのため、食や器にこだわることはもちろん、桜がテーマの年には会場一面を「桜の花畑」で彩り、竹がテーマの年には「竹の回廊」を設けるなど、毎年、日本文化を感じられるような空間づくりを目指しています。

――国外からの反響も大きいかと思いますが。

そうですね。コロナ禍以前は、海外からいらっしゃるお客さんもとても多かったですし、僕の友だちの中には、このイベントを目当てにわざわざ来日する人たちもいたくらいでした。

――新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年と2021年は実施が見送られました。ですが、今年は約3年ぶりに、「INSPIRE TOKYO」内のスピンオフ企画として開催されます。今回の企画への思いを聞かせてください。

この3年あまりの期間、酒蔵の関係者さんやイベントによく来ていた友だちから「早くやってくれ」とせかされていました(笑)。僕としても開催したかったのですが、やはりコロナ禍では様々な制約があり、非常に難しいと言わざるを得なかった。そんな中で今回、J-WAVEさんが「一緒にやりましょう」と舵を切ってくれたおかげで久しぶりに開催できる運びとなり、僕自身、非常に楽しみです。

220916_craft_2.jpg

3日間にわたる「INSPIRE TOKYO」の期間中は、これまでの「CRAFT SAKE WEEK」と同様、毎日10蔵が参加し、各蔵が3種類ずつお酒を用意しています。つまり、1日で味わえるお酒は最大でも30種類。これが100種類、200種類になってしまうと、なかなか飲みきれないし、銘柄も覚えられない。「CRAFT SAKE WEEK」は、お酒をたくさん飲んでもらうことが目的ではなく、銘柄を限定することで自分の好きな蔵を発見し、覚えてもらうことを大切にしているイベントなので、今回、来場される方も新たな出会いを楽しんでいただければうれしいです。

――「CRAFT SAKE WEEKEND」では、どんなテーマから30の蔵を選んだのでしょうか?

「CRAFT SAKE WEEK」で提供する日本酒は毎年、僕らで試飲をして選んでいるのですが、第一に、自分たちが考える今の日本を象徴する蔵に出店していただきたいという思いがあります。そして今回の大きなテーマは、J-WAVE、そして「INSPIRE TOKYO」とのコラボということで、「音楽」ではないかと考え、音楽ライブを楽しみに来られる層に合いそうな酒質のものを選びました。だから今回、初出店の蔵もいくつかあるんです。

――ますます楽しみになってきました。話は変わりますが、中田さんは、長きに渡って日本の魅力を発信し続けています。日本文化を国内外に紹介する活動を通じて得た気付きなどはありますか?

日本全国をまわって農業や工芸、日本酒など地元に根付いた文化を勉強し、また、自然環境を見つめる中で、知るということ、知識を得て選ぶということがどれほど毎日の生活を豊かにするのか、思い知りました。そういった気付きを、できる限り多くの方とシェアしたいという思いから、WEBサイト「NIHONMONO」を立ち上げたり、J-WAVEの番組『TDK VOICES FROM NIHONMONO』でナビゲーターをさせていただいたりしているわけです。

220916_craft_3.jpg

また一方で、僕はワインも好きで、海外のワイナリーの方とお話をすることもあるのですが、単純にワインについて質問するよりも、日本酒のことを伝えると、ワインのことをよりたくさん教えてくれたりするんです。結局、文化は平等であり、誰しもが、知らないことを知っていきたいという欲求が根底にあるんだろうなと思います。

――最後に、「INSPIRE TOKYO」というイベント名にちなんで、中田さんが「インスパイアされるもの」は何かお聞かせください。

やはり、自然環境や長い歴史を持った人々の生活です。基本的にそういった方々は「自然とともに生きる」ということを実践されているので、その生活スタイルにはインスパイアされます。それに神社やお寺などの意匠。もともと、建築やデザインが好きということもあって、昔からあるデザインに強く惹かれますね。

・「J-WAVE presents INSPIRE TOKYO ~Best Music & Market」公式サイト
https://www.j-wave.co.jp/special/inspire2022/

(構成=小島浩平)

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン

関連リンク