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「月曜が来るのが怖い」作家・燃え殻がリスナーからの悩みに回答

「月曜が来るのが怖い」作家・燃え殻がリスナーからの悩みに回答

作家・燃え殻が、語りかけるようにリスナーの悩みや相談に答えた。

燃え殻が登場したのは、2月13日(日)に放送されたJ-WAVEの特別番組『J-WAVE SELECTION BEFORE DAWN』。燃え殻がJ-WAVEでナビゲーターを担当するのは初。

同僚のツイッターを発見してしまった

燃え殻はベストセラーとなったデビュー作『ボクたちはみんな大人になれなかった』(新潮社)が昨年映画化され、大きな話題を呼んだ。さらにエッセイや朗読劇の原作などたくさんの作品や言葉を生み出し続けている。

燃え殻はリスナーからのこんなメッセージを読み上げた。

「会社のトラブルがきっかけで、社員の人がツイッターをやっていることを知ってしまいました。その社員は頻繁にツイートしていて、たまに会社の話が書いてあり、そのツイートが気になって仕方ありません」

燃え殻:人のことが言えないです(笑)。今、僕はテレビの美術制作の仕事を休職中なんですけど、つい1年くらい前まで普通に働いていました。そのときもツイッターをやっていて、たぶんこのリスナーが気にしているようなことをツイートすることもありました。よく怒られないのかと訊かれたんですけど、僕はその辺はズルいのでたくみに会社のことをクライアントにしてみたり、若い子をお年寄りにしてみたりとかして、かわしにかわしながら「こんな嫌なことがあった」とツイートしていました。だから、ほとんど怒られたことがなかったかな。ただ、このリスナーの気持ちはよくわかります。

以前、燃え殻も部下のツイッターアカウントを見つけてしまったことがあったという。

燃え殻:それを僕は何より見てますね。糸井重里さんのアカウントより見てます(笑)。今日は味噌ラーメンを食べたんだな、とか思いながら休職した今も見ています。だからこれは気になって仕方がないんじゃないですかね。その社員の人が僕のようにズルくかわして誰も傷つけないツイートをしていたらいいんですけど。

「月曜が来るのが怖い」その対処法は

続いては「日曜の夜は大抵モヤモヤしている」というリスナーからのメッセージを紹介した。

「日曜の夜に、月曜は熱が出ないかなとか、仕事をするのは嫌だなとか、布団の中で考えるとお尻の穴がかゆくなるようなモヤモヤ感が増幅していきます」

燃え殻:僕は今、曜日関係ない仕事になってしまいまして。僕の同い年の友だちとかから「お前、曜日関係なくていいな」とか言われるけど、週刊連載がキツくて土日が恋しいんですよ。日曜日の夜の憂鬱が恋しかったりとかして。だいたい僕は日々憂鬱ですね。フリーで仕事をするって今までなかったので、そういう生活を1年間やって思ったことは、毎月ちゃんと決められた日に仕事場に行って、決められた時間働いたらちゃんと給料がもらえるという素晴らしさ。

燃え殻は忙しい会社員時代に、逃げの一手として、会社の近くにある会社の人が来ない喫茶店などに行っていたという。

燃え殻:時間があったら帰りに一駅先で降りて、歩くのもいいと思います。僕は(仕事が嫌で)転職するよりも日々工夫だなってフリーになって思いました。

範疇外のほうが可能性がある

45歳の会社員のリスナーからは、「最近、『俺の人生こんなはずじゃなかった』と後悔の念を感じながら生活していますが、燃え殻さんはどうでしょうか?」というメッセージが届いた。

燃え殻:僕はよかったときも悪かったときも、「こんなはずではなかった」ということだらけですよ。本を書いていることもそうですし、あんまり言えないですけどたくさん失敗をしてまして、「こんなはずではなかった」といつも思いますね。

燃え殻が「こんなはずではなかった」といちばん思ったのは大学受験の頃。

燃え殻:両親はとっても悲しんだと思うんですけど、僕は2浪してまして。2浪して大学に行かなかったことによって、誰でも入れる専門学校に行ったんです。そのあと誰でも入れるアルバイトをして、そのなかで出会った人たちと今仕事をしています。「こんなはずではなかった」とか、自分ではうまくいかなかったなっていう先に、今大切にしたい人や会えてよかったな、やってよかったなっていう仕事がありましたね。「俺の思い通りだな」とかって自分の範疇内じゃないですか。範疇外の嫌なこととかのほうが、いろんな可能性があると思うんですよね。45歳、会社員、「俺の人生こんなはずではなかった」、いい具合じゃないですかね。僕はそう思います。

人って結局さみしいのかもな

続いて燃え殻は、40代で一児の母のリスナーからのメッセージを読みあげた。

「結局、人はひとり。そのことについてぐるぐると考えています。なぜか子どもを持ってから考えるようになりました。燃え殻さんはどう思いますか?」

燃え殻:少し前なんですけど、作家の金原ひとみさんと対談をさせていただくという、本当にありがたい機会がありまして。金原さんがご結婚されて、お子さんが生まれてパリに住まわれて、今日本に戻って来られていると思うんですけど、その対談の雑談のなかで「結婚しても、子どもができても、パリに行ってもさみしかった」って言ってたんです。金原さんからしたら大問題だと思うんですけど、僕はそれを聞いて「金原ひとみも一緒だ」となんかほっとしたんです。そうか、人って結局さみしいのかもなって。

人間はいつまでたっても怖がるもの

燃え殻は、「物理的、精神的な圧に弱い」というリスナーからのメッセージを読み上げる。

「ジェットコースターに乗っているときに感じる重力や閉塞感、『自分が言ったことを実現できなかったらどうしよう』と責任に押しつぶされそうな感覚。これに伴って怖がってしまうことが多いのです。どうしたらもっとさまざまなことに怖がらずに過ごせるのでしょうか」

燃え殻:僕は常々思ってるんですけど、怖いとか逃げたいっていうことがものを作る原動力なんです。納期が怖い、もう小説が書けなかったらどうしよう、これが売れなかったらどうしようとか。でも僕はサラリーマンをやっていたときから怖かったんですよね。さっきの話じゃないけど日曜の夜に次の日会社に行くのが怖くて。来週の金曜まで持つかなみたいな。じゃあ、どうやったら持つだろう、この日に喫茶店に行って軽く寝るか、この日は遊べそうだな、お酒買って帰るかとか言って、どうにかやり過ごそうとしていたんです。

燃え殻は「怖いということから人は逃げられない」と続ける。

燃え殻:人も動物じゃないですか。きっと怖いっていうのは命を守るのに必要なんですよね。だからいつまでたっても怖いんですよ。僕はネガティブな感情を肯定しようと日々思っているんですけど、そこから生まれることってすごくあるし、それによっておごらないとか、慢心しないとか注意できることもたくさんあると思うんです。常々怖いと思っている人は人生で大きな骨折みたいなものをしないと思うんです。大けがしないために怖い部分を持って生きていくといいと思いますよ。

現在、燃え殻の『断片的回顧録』(アタシ社)が発売中。燃え殻の最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。

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番組情報
J-WAVE SELECTION BEFORE DAWN
2022年2月13日(日)
22:00-22:54

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