スタイリストの杉本学子さんが、『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)の衣装選びにまつわるエピソードを語った。
杉本さんが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『KURASEEDS』(ナビゲーター:山中タイキ)。番組パートナーは小学館のWebマガジン『kufura(クフラ)』の編集長・佐藤明美が務める。ここでは、10月7日(木)のオンエアをテキストで紹介。
杉本さんはドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』や『着飾る恋には理由があって』(TBS系)のスタイリングを手掛けている。『大豆田とわ子と三人の元夫』の衣装の打ち合わせはどのようにおこなわれていたのだろうか?
杉本:大豆田とわ子を含め、全キャストの衣装の話を監督、プロデューサー、スタイリストの伊賀大介さんとで打ち合わせしました。最初に始めたのはキャストのイメージづくりです。職業だったり年収だったり住んでいるところの設定を話し合い、「ここに住んでいる人はこんな感じだよね」「だったらこの人は仕事帰りにこんなお店に行く」みたいなやり取りをしました。持っている携帯ケースなどの細かい設定を決めていって、どちらかと言えばライフスタイルからキャラクターの衣装を決めていきました。あと、今回のドラマは全体的に暗いトーンで作っていたので「洋服の色を少し明るくしよう」と意識しましたね。映像で衣装が映えていたのを感じました。
佐藤:大豆田とわ子演じる松たか子さんのスタイリングは杉本さんが、他の役者さんは伊賀さんが担当されていたそうです。ドラマでスタイリストさんを2人用意するのは珍しいケースみたいですよ。
杉本さんは、ファッション関係者ではないキャラクターがファッションを楽しむことに斬新さを見出したという。
杉本:ファッションがテーマじゃないお話でキャラクターがちゃんとおしゃれをしているっていうのが、面白くて新しいなと思ったんですよね。なので、衣装を選ぶときの一番のポイントは「自分も着たいな」と思うことでした。もちろんキャラクターには好きなブランドを設定して何度もそのブランドを着てもらったりもしたのですが、ほかにもいろんな服を着てもらいましたね。普段は「マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)」などきちんとした服を着ているけれど、“もし結婚生活が続いていたら”というシチュエーションのときはユニクロを着ている。リアルなところをリンクさせつつ、洋服を選んでいましたね。
佐藤:松たか子さんのスタイリングは、伊賀さんが杉本さんを推薦されたそうです。杉本さんはファッション誌のスタイリングを多く手掛けている方なので、いろんなブランドをうまく組み合わせて“ファッションを楽しむ女性像”を演出できた部分もあるんじゃないかなと思います。
杉本:『着飾る恋には理由があって』では最初はすごく華やかにして、恋をしていくとナチュラルに着飾る頻度が減っていくよう意識しました。最初のほうはビビットなんだけれど、だんだんとアースカラーが入ってくる表現をしましたね。
大豆田とわ子に関しても、物語が始まった当初はビビットなファッションを意識したという。中盤でショッキングな出来事が起こってからは、とわ子が暗い色や黒を着るように変化を付けたそう。
杉本:(とわ子が)恋をしてからは、パステルの明るい色のワンピースを着るようになって、そこからまた自分らしい色に戻ってくるみたいな設定になっています。
杉本:Instagramをやった一番の理由は、洋服をきちんと見せることで、いい洋服をブランド側から借りられるようなシステムを作りたかったからです。雑誌だとブランドの説明はちゃんとされますけども、ドラマでブランドのバッグを使ったとしても、ちゃんと映すかどうかはスタイリストの判断じゃないんですよ。つまり、ブランドを使ったとしても絶対に紹介できるかどうかっていうのが約束できないんですね。でも、Instagramをやればドラマで使ったブランドの紹介ができるんです。それによって、ブランド側の方たちも協力してくれるんじゃないかなと思ったんですね。(Instagramを始めてからは)普段ドラマでは使っていないようなブランドが協力してくれて、いい服が着られることが増えました。
山中:スタイリストさんは各ブランドからファッショングッズを借りているんですね。ドラマのクレジットではブランド名が表示されますけども、見逃してしまうことがあります。
佐藤:どの服がどのブランドだったかってことがわからないですもんね。
山中:いわば、ウェブの雑誌でしっかりとクレジットを明記したってことなんですよ。衣装のまとめサイトのようなものではなく、洋服の価値を保証する取り組みです。
杉本:「私はおしゃれじゃない」とか「服をうまく買えない」って人ほど、洋服って難しいテーマだと思うんですね。だけど、着たときに「今日は頑張ろう」と少し気持ちが上向きになるような力になっていけたらいいなと思っていて。洋服の力が背中を押してくれるものであってほしいと思っています。
山中:スタイリストさんっていうのはファッションの最前線にいて、時代も掴み取りながら自分たちが演出する作品に落とし込んでいくんですね。ドラマの話をたくさんしていただきましたけども、観る側としてはそこでファッションを知ることができますね。
佐藤:そうですね。ドラマを観ていて「自分がこれを着たら楽しくなりそう」「元気になれそうな服」みたいなものを、エッセンスとして抜き取れたらいいかもしれませんね。
あなたの今日が最高な1日になるように、暮らしを豊かにしてくれるヒント=種を一緒に見つけて育てていく番組『KURASEEDS』の放送は、月曜から木曜の朝5時から。
杉本さんが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『KURASEEDS』(ナビゲーター:山中タイキ)。番組パートナーは小学館のWebマガジン『kufura(クフラ)』の編集長・佐藤明美が務める。ここでは、10月7日(木)のオンエアをテキストで紹介。
大豆田とわ子の衣装選びを振り返る
今回の放送では「ファッションが印象的なドラマや映画」に注目。ゲストにスタイリストの杉本さんを招き、ドラマとファッションの関係やファッションの魅せ方について訊いた。杉本さんはドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』や『着飾る恋には理由があって』(TBS系)のスタイリングを手掛けている。『大豆田とわ子と三人の元夫』の衣装の打ち合わせはどのようにおこなわれていたのだろうか?
杉本:大豆田とわ子を含め、全キャストの衣装の話を監督、プロデューサー、スタイリストの伊賀大介さんとで打ち合わせしました。最初に始めたのはキャストのイメージづくりです。職業だったり年収だったり住んでいるところの設定を話し合い、「ここに住んでいる人はこんな感じだよね」「だったらこの人は仕事帰りにこんなお店に行く」みたいなやり取りをしました。持っている携帯ケースなどの細かい設定を決めていって、どちらかと言えばライフスタイルからキャラクターの衣装を決めていきました。あと、今回のドラマは全体的に暗いトーンで作っていたので「洋服の色を少し明るくしよう」と意識しましたね。映像で衣装が映えていたのを感じました。
佐藤:大豆田とわ子演じる松たか子さんのスタイリングは杉本さんが、他の役者さんは伊賀さんが担当されていたそうです。ドラマでスタイリストさんを2人用意するのは珍しいケースみたいですよ。
杉本さんは、ファッション関係者ではないキャラクターがファッションを楽しむことに斬新さを見出したという。
杉本:ファッションがテーマじゃないお話でキャラクターがちゃんとおしゃれをしているっていうのが、面白くて新しいなと思ったんですよね。なので、衣装を選ぶときの一番のポイントは「自分も着たいな」と思うことでした。もちろんキャラクターには好きなブランドを設定して何度もそのブランドを着てもらったりもしたのですが、ほかにもいろんな服を着てもらいましたね。普段は「マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)」などきちんとした服を着ているけれど、“もし結婚生活が続いていたら”というシチュエーションのときはユニクロを着ている。リアルなところをリンクさせつつ、洋服を選んでいましたね。
佐藤:松たか子さんのスタイリングは、伊賀さんが杉本さんを推薦されたそうです。杉本さんはファッション誌のスタイリングを多く手掛けている方なので、いろんなブランドをうまく組み合わせて“ファッションを楽しむ女性像”を演出できた部分もあるんじゃないかなと思います。
登場人物の心情をファッションで表現
ドラマや映画内では、人物の心情を髪型やファッションで表現するケースがある。杉本さんのスタイリングでは、どのような部分を表現したのだろうか?杉本:『着飾る恋には理由があって』では最初はすごく華やかにして、恋をしていくとナチュラルに着飾る頻度が減っていくよう意識しました。最初のほうはビビットなんだけれど、だんだんとアースカラーが入ってくる表現をしましたね。
大豆田とわ子に関しても、物語が始まった当初はビビットなファッションを意識したという。中盤でショッキングな出来事が起こってからは、とわ子が暗い色や黒を着るように変化を付けたそう。
杉本:(とわ子が)恋をしてからは、パステルの明るい色のワンピースを着るようになって、そこからまた自分らしい色に戻ってくるみたいな設定になっています。
ドラマ衣装のInstagramを始めた理由は?
『大豆田とわ子と三人の元夫』と『着飾る恋には理由があって』では、演者たちの衣装を紹介するInstagramアカウントを開設したことでも話題を呼んでいた。杉本:Instagramをやった一番の理由は、洋服をきちんと見せることで、いい洋服をブランド側から借りられるようなシステムを作りたかったからです。雑誌だとブランドの説明はちゃんとされますけども、ドラマでブランドのバッグを使ったとしても、ちゃんと映すかどうかはスタイリストの判断じゃないんですよ。つまり、ブランドを使ったとしても絶対に紹介できるかどうかっていうのが約束できないんですね。でも、Instagramをやればドラマで使ったブランドの紹介ができるんです。それによって、ブランド側の方たちも協力してくれるんじゃないかなと思ったんですね。(Instagramを始めてからは)普段ドラマでは使っていないようなブランドが協力してくれて、いい服が着られることが増えました。
山中:スタイリストさんは各ブランドからファッショングッズを借りているんですね。ドラマのクレジットではブランド名が表示されますけども、見逃してしまうことがあります。
佐藤:どの服がどのブランドだったかってことがわからないですもんね。
山中:いわば、ウェブの雑誌でしっかりとクレジットを明記したってことなんですよ。衣装のまとめサイトのようなものではなく、洋服の価値を保証する取り組みです。
洋服は着る人に元気を与える存在
杉本さんが考える、「洋服の力」とはどのようなものなのだろうか。杉本:「私はおしゃれじゃない」とか「服をうまく買えない」って人ほど、洋服って難しいテーマだと思うんですね。だけど、着たときに「今日は頑張ろう」と少し気持ちが上向きになるような力になっていけたらいいなと思っていて。洋服の力が背中を押してくれるものであってほしいと思っています。
山中:スタイリストさんっていうのはファッションの最前線にいて、時代も掴み取りながら自分たちが演出する作品に落とし込んでいくんですね。ドラマの話をたくさんしていただきましたけども、観る側としてはそこでファッションを知ることができますね。
佐藤:そうですね。ドラマを観ていて「自分がこれを着たら楽しくなりそう」「元気になれそうな服」みたいなものを、エッセンスとして抜き取れたらいいかもしれませんね。
あなたの今日が最高な1日になるように、暮らしを豊かにしてくれるヒント=種を一緒に見つけて育てていく番組『KURASEEDS』の放送は、月曜から木曜の朝5時から。
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2021年10月14日28時59分まで
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番組情報
- KURASEEDS
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