映画『ONODA 一万夜を越えて』(10月8日全国公開)の公開直前記者発表会が10月5日、フランス大使館大使公邸で行われ、主演の遠藤雄弥、津田寛治、共演の仲野太賀、松浦祐也、カトウシンスケ、井之脇 海、イッセー尾形、そしてフィリップ・セトン駐日大使が出席した。
終戦後約30年の時を経て帰還し「最後の日本兵」と呼ばれ、社会現象になった旧陸軍少尉・小野田寛郎氏の潜伏期間の史実を元に着想を得て映画化。第74回カンヌ国際映画祭2021「ある視点」部門オープニング作品として上映され、高い評価を得ている。
青年期の小野田寛郎を演じた遠藤は、フランス大使館大使公邸での会見を喜び「久々にキャストの皆さんと再会できたのが嬉しい」とそろい踏みに満面の笑み。成年期の小野田寛郎を演じた津田は「本作では稀有な存在の日本兵が描かれています。こんな日本兵は見たことがないし、現代の日本を生きる我々のグルーヴ感とシンクロしている。日本の観客の皆さんには、いまだかつてない体験をしてもらえるのではないか」と日本公開にワクワク。アルチュール・アラリ監督の演出については「芝居をしないことを求められ、ジャングルを走るシーンでは実際にジャングルの中を走ってヘトヘトに疲れて演じました」とリアリズム重視だったようで「この作品との出会いは、僕の俳優人生においても芝居を考える上での大きな転機になった。その後の仕事のやり方も大きく変わった。まさに人生の転機になった作品」と思い入れを口にした。
小野田帰国を成功させた鈴木紀夫役の仲野は「時間を経て小野田さんのことをアルチュール監督が再び発見してくれた。カンボジアで撮影し、フランスに渡り、そして日本に帰ってきた。その一端を担えたことが光栄」としみじみ。小野田と行動を共にする青年期の小塚金七役の松浦は「映画作りはどこの国でも同じ。言語問題も優秀な通訳者のお陰で監督の細かいニュアンスまで伝えてくれて楽しかった」と報告。小野田と行動を共にする島田庄一役のカトウは「撮影では僕たちの人生がぶつかり合い、絡まり合った印象がある。クランクアップを迎えた際は、俳優としてのクライマックスを迎えたというか、自分の人生の集大成だとも思えた。それくらい自分の人生が役に昇華された印象。楽しい映画体験でした」と充実した表情。
小野田と行動を共にする赤津勇一役の井之脇は「監督は役者の体の状態や心の状態を重視するので、よくジャングルを走らされました。『君らの足音が近づいてきたらカメラを回す』と言われたので僕としては2分くらい走るのかな?と思ったら、遠藤さんが10分以上走り続けて……。いつ終わるんだ!?と思った。でもそのシーンは使われませんでした」と苦労を滲ませて笑わせた。
小野田に特殊訓練を施す教官・谷口義美役のイッセーは「映画を観ると、小野田の体験を追体験してしまう。言葉にならない余韻が体や皮膚にいまだ鳴り響く。この中で年長者の私でさえも戦争を知らない世代ですが、想像ができてしまう。ということは誰にだって想像できるということ。今のコロナ禍での時期に公開されることは意義がある」と熱弁した。
カンボジアでのロケについて遠藤は「カンボジアはすごくいい場所だったけれど、唯一水だけが体に合わず……。もれなく全員で熱を出したり、腹を下したり。満身創痍の中で撮影を進めていました。でもそんな状況が劇中にある、ある種のストイックさとマッチしたと思う」と異国の地ならではのハプニングが功を奏したようだ。
津田は「どうやら松浦君が先頭になって屋台でモノを食べていたらしいです。それでみんなトイレから離れられなくなったり、点滴を受けたりしたそうです」と笑って暴露しつつ、「撮影期間中の僕はナッツしか食べず、滞在先の近くにアスレチック公園があったので、子供たちの列に混じって小野田さんの体格を維持していました」と厳しい減量によって作られた肉体秘話を明かした。一方の遠藤は「カンボジア入りの前に痩せすぎて、撮影地に入った途端に監督から『痩せすぎ!3キロくらい太って』と言われた」と自らのストイックぶりに苦笑いだった。
(文・写真=石井隼人)
【J-WAVEからお知らせ】
J-WAVEでは10月9日(土)オンエアの『RADIO DONUTS』で、本作のチケットプレゼントを実施。放送は朝8時から。
終戦後約30年の時を経て帰還し「最後の日本兵」と呼ばれ、社会現象になった旧陸軍少尉・小野田寛郎氏の潜伏期間の史実を元に着想を得て映画化。第74回カンヌ国際映画祭2021「ある視点」部門オープニング作品として上映され、高い評価を得ている。
青年期の小野田寛郎を演じた遠藤は、フランス大使館大使公邸での会見を喜び「久々にキャストの皆さんと再会できたのが嬉しい」とそろい踏みに満面の笑み。成年期の小野田寛郎を演じた津田は「本作では稀有な存在の日本兵が描かれています。こんな日本兵は見たことがないし、現代の日本を生きる我々のグルーヴ感とシンクロしている。日本の観客の皆さんには、いまだかつてない体験をしてもらえるのではないか」と日本公開にワクワク。アルチュール・アラリ監督の演出については「芝居をしないことを求められ、ジャングルを走るシーンでは実際にジャングルの中を走ってヘトヘトに疲れて演じました」とリアリズム重視だったようで「この作品との出会いは、僕の俳優人生においても芝居を考える上での大きな転機になった。その後の仕事のやり方も大きく変わった。まさに人生の転機になった作品」と思い入れを口にした。
小野田帰国を成功させた鈴木紀夫役の仲野は「時間を経て小野田さんのことをアルチュール監督が再び発見してくれた。カンボジアで撮影し、フランスに渡り、そして日本に帰ってきた。その一端を担えたことが光栄」としみじみ。小野田と行動を共にする青年期の小塚金七役の松浦は「映画作りはどこの国でも同じ。言語問題も優秀な通訳者のお陰で監督の細かいニュアンスまで伝えてくれて楽しかった」と報告。小野田と行動を共にする島田庄一役のカトウは「撮影では僕たちの人生がぶつかり合い、絡まり合った印象がある。クランクアップを迎えた際は、俳優としてのクライマックスを迎えたというか、自分の人生の集大成だとも思えた。それくらい自分の人生が役に昇華された印象。楽しい映画体験でした」と充実した表情。
小野田と行動を共にする赤津勇一役の井之脇は「監督は役者の体の状態や心の状態を重視するので、よくジャングルを走らされました。『君らの足音が近づいてきたらカメラを回す』と言われたので僕としては2分くらい走るのかな?と思ったら、遠藤さんが10分以上走り続けて……。いつ終わるんだ!?と思った。でもそのシーンは使われませんでした」と苦労を滲ませて笑わせた。
小野田に特殊訓練を施す教官・谷口義美役のイッセーは「映画を観ると、小野田の体験を追体験してしまう。言葉にならない余韻が体や皮膚にいまだ鳴り響く。この中で年長者の私でさえも戦争を知らない世代ですが、想像ができてしまう。ということは誰にだって想像できるということ。今のコロナ禍での時期に公開されることは意義がある」と熱弁した。
カンボジアでのロケについて遠藤は「カンボジアはすごくいい場所だったけれど、唯一水だけが体に合わず……。もれなく全員で熱を出したり、腹を下したり。満身創痍の中で撮影を進めていました。でもそんな状況が劇中にある、ある種のストイックさとマッチしたと思う」と異国の地ならではのハプニングが功を奏したようだ。
津田は「どうやら松浦君が先頭になって屋台でモノを食べていたらしいです。それでみんなトイレから離れられなくなったり、点滴を受けたりしたそうです」と笑って暴露しつつ、「撮影期間中の僕はナッツしか食べず、滞在先の近くにアスレチック公園があったので、子供たちの列に混じって小野田さんの体格を維持していました」と厳しい減量によって作られた肉体秘話を明かした。一方の遠藤は「カンボジア入りの前に痩せすぎて、撮影地に入った途端に監督から『痩せすぎ!3キロくらい太って』と言われた」と自らのストイックぶりに苦笑いだった。
(文・写真=石井隼人)
【J-WAVEからお知らせ】
J-WAVEでは10月9日(土)オンエアの『RADIO DONUTS』で、本作のチケットプレゼントを実施。放送は朝8時から。
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— J-WAVE RADIO DONUTS (@rajido_813) October 4, 2021
今週 #ラジド でチケプレ実施!
終戦から29年を経てフィリピン🇵🇭のルバング島から日本🇯🇵に帰還した小野田寛郎少尉の物語をフランス🇫🇷の新鋭監督が映像化!@OfficialOnoda
小野田役の津田寛治、遠藤雄弥の熱演に pic.twitter.com/H0hBndgGZH