「好きな食べ物」「嫌いな食べ物」は人それぞれ違うもの。味覚が敏感な子どもはなおさらだ。これは正しい、あれは間違っていると決めつけるべきではないものの、健やかな成長のための食育は重要。ここでは、子どもが「正しい味覚」を身につける方法について、専門家の意見を紹介しよう。
教えてくれたのは、保育現場やメディアで食育の大切さを発信する一般財団法人・日本educe食育総合研究所の傳田多美さん。傳田さんはJ-WAVEで放送中の番組『KURASEEDS』に登場した。7月27日(火)のオンエア。
味覚は人それぞれで感じ方が違うものだが、慣れも影響するそうだ。
傳田:乳幼児期に味の濃いものばかりを食べさせてしまうと、その味の濃さに慣れてしまうんですね。そうすると、野菜が持つうま味や甘味といった、食べ物が持つ繊細なおいしさを感じにくくなってしまいます。
さらに、味が濃いものばかりを食べていると、高血圧をはじめとする生活習慣病になるリスクも高まる。
傳田:「正しい味覚」というのは、正しい・間違っているではなく、健康に生活するための味覚です。子どもたちで言うならば、健やかに成長するために身に付けたほうがいい“味の習慣”のことを指します。
1:薄味を心掛ける
傳田:旬だったり新生な食材を選んで料理をすることによって、素材そのものが持つうま味を味わうことができます。だし汁を利かせて調理をすると、だしのうま味によって調味料に頼らなくても「おいしい」と満足しやすい料理になります。
2:唾液が出るようによく噛んで食べる
傳田:味覚を育てるためには、よく噛むことも重要なんですね。よく噛んでたくさん唾液が出ることによって、口全体に広がっている味蕾でも味を感じることができるようになります。よく噛んで口全体で味わうと、おいしさが何倍にも広がります。
3:口のなかを清潔に保つ
傳田:口のなかには元々、いろんな細菌が存在しています。歯磨きやうがいで口や喉を綺麗に保つことで、味が感じやすくなり、食べ物の微妙な味がわかるようになります。
4:調理をする
傳田:おいしいと思うのは味だけの感覚ではないんですね。匂い、見た目、食べるときの環境といった、心で感じる部分もおいしさに関係してきます。調理をすることで過程を楽しめますし、自分で作ったものを食べる喜びを得ることができます。
子どもと共に調理をすることで、子どもの味覚の成長にも繋がる。
傳田:子どもに包丁やピーラーを使わせるのが怖いなと思う方もいらっしゃると思います。その場合は野菜を「ビリビリと音がするね」と言いながらちぎったり、「代わりにこの調味料を混ぜてくれる?」とお願いしたりしてみてください。そんな簡単なことでも、子どもたちは「自分が料理したんだ」という喜びを得ることができます。
5:亜鉛を摂取する
傳田:亜鉛には味覚を正常に保ち、骨や皮膚の発育を促進する働きがあります。
亜鉛が不足すると、味覚障害や子どもの成長不良を引き起こすリスクがある。
傳田:ファストフードやインスタント食品などの加工食品には、亜鉛の吸収を妨げてしまうリン酸塩などといった食品添加物が多く含まれています。そのため、加工食品ばかりを食べていると亜鉛不足に陥ってしまう可能性があります。
亜鉛は魚介類、肉類、種実類(ナッツやごまなど)、米や蕎麦などに含まれている。
傳田:健康を意識して野菜や果物を多く召し上がる方がいると思うのですが、どちらも亜鉛はあまり含まれていません。ファストフードや加工品に偏らないよう、バランスのよい食事を心掛けましょう。
J-WAVE『KURASEEDS』は、山中タイキと、小学館のWebマガジン『kufura(クフラ)』の編集長・佐藤明美がお届けする番組。あなたの今日が最高1日になるように、暮らしを豊かにしてくれるヒント=種を見つけて育てていく。放送は月曜から木曜の朝5時から。
教えてくれたのは、保育現場やメディアで食育の大切さを発信する一般財団法人・日本educe食育総合研究所の傳田多美さん。傳田さんはJ-WAVEで放送中の番組『KURASEEDS』に登場した。7月27日(火)のオンエア。
乳幼児期から「濃い味」には注意
味覚は辛い、苦い、甘いといった、食する物質に応じて反応する五感のひとつ。塩味・甘味・酸味・苦味・うま味の5つを基本として構成されており、舌の上にある味蕾(みらい)と呼ばれる器官で感じ取ることができる。生まれたばかりの乳幼児には味蕾がおよそ1万個存在するが、年齢を重ねるごとにその数が減少していく。味覚は人それぞれで感じ方が違うものだが、慣れも影響するそうだ。
傳田:乳幼児期に味の濃いものばかりを食べさせてしまうと、その味の濃さに慣れてしまうんですね。そうすると、野菜が持つうま味や甘味といった、食べ物が持つ繊細なおいしさを感じにくくなってしまいます。
さらに、味が濃いものばかりを食べていると、高血圧をはじめとする生活習慣病になるリスクも高まる。
傳田:「正しい味覚」というのは、正しい・間違っているではなく、健康に生活するための味覚です。子どもたちで言うならば、健やかに成長するために身に付けたほうがいい“味の習慣”のことを指します。
子どもが「正しい味覚」を身につけるために
傳田さんは、「正しい味覚」を習得するために必要な5つのポイントを解説した。1:薄味を心掛ける
傳田:旬だったり新生な食材を選んで料理をすることによって、素材そのものが持つうま味を味わうことができます。だし汁を利かせて調理をすると、だしのうま味によって調味料に頼らなくても「おいしい」と満足しやすい料理になります。
2:唾液が出るようによく噛んで食べる
傳田:味覚を育てるためには、よく噛むことも重要なんですね。よく噛んでたくさん唾液が出ることによって、口全体に広がっている味蕾でも味を感じることができるようになります。よく噛んで口全体で味わうと、おいしさが何倍にも広がります。
3:口のなかを清潔に保つ
傳田:口のなかには元々、いろんな細菌が存在しています。歯磨きやうがいで口や喉を綺麗に保つことで、味が感じやすくなり、食べ物の微妙な味がわかるようになります。
4:調理をする
傳田:おいしいと思うのは味だけの感覚ではないんですね。匂い、見た目、食べるときの環境といった、心で感じる部分もおいしさに関係してきます。調理をすることで過程を楽しめますし、自分で作ったものを食べる喜びを得ることができます。
子どもと共に調理をすることで、子どもの味覚の成長にも繋がる。
傳田:子どもに包丁やピーラーを使わせるのが怖いなと思う方もいらっしゃると思います。その場合は野菜を「ビリビリと音がするね」と言いながらちぎったり、「代わりにこの調味料を混ぜてくれる?」とお願いしたりしてみてください。そんな簡単なことでも、子どもたちは「自分が料理したんだ」という喜びを得ることができます。
5:亜鉛を摂取する
傳田:亜鉛には味覚を正常に保ち、骨や皮膚の発育を促進する働きがあります。
亜鉛が不足すると、味覚障害や子どもの成長不良を引き起こすリスクがある。
傳田:ファストフードやインスタント食品などの加工食品には、亜鉛の吸収を妨げてしまうリン酸塩などといった食品添加物が多く含まれています。そのため、加工食品ばかりを食べていると亜鉛不足に陥ってしまう可能性があります。
亜鉛は魚介類、肉類、種実類(ナッツやごまなど)、米や蕎麦などに含まれている。
傳田:健康を意識して野菜や果物を多く召し上がる方がいると思うのですが、どちらも亜鉛はあまり含まれていません。ファストフードや加工品に偏らないよう、バランスのよい食事を心掛けましょう。
J-WAVE『KURASEEDS』は、山中タイキと、小学館のWebマガジン『kufura(クフラ)』の編集長・佐藤明美がお届けする番組。あなたの今日が最高1日になるように、暮らしを豊かにしてくれるヒント=種を見つけて育てていく。放送は月曜から木曜の朝5時から。
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