14歳で味わった「事件」のような音楽空間。大学生がマーク・ロンソンのDJプレイを振り返る

アーティストとリアルな空間が共有できるライブの機会が限定されるようになってから、一年以上が経った。なにものにもかえがたいあの熱量をラジオでシェアすべく、J-WAVEでは夏のキャンペーン「HOT SUMMER BEAT ~熱狂をふたたび~」を実施中だ。

珠玉のライブ音源を100曲目指してオンエアする「BEST SINGIN’ LOUD ANTHEM 100」や、WEBメディア「Fasu」と『GOOD NEIGHBORS』(月~木 13時~16時)が共同で開催する親子向けの工作コンテストなど、熱狂するほど楽しめる多様な企画をお届けしている。

このキャンペーンと連動し、次世代のJ-WAVEをつくる大学生・専門学生のコミュニティサークル「WACODES(ワコーズ)」のメンバーが「熱狂した思い出のライブ」を紹介する連載をスタート。

第1回目を担当するのは、大学3年生の“モンブラン13世”。 2015年に代官山UNITで開催されたマーク・ロンソンのプレミアムDJイベントを振り返る。
(J-WAVE NEWS編集部)

「14歳の私にとってあの夜はまさしく、“事件”そのものでした」

「初めて」の経験は、それが良かろうと悪かろうと思い出に残るものです。初めて飲んだワインは薬の味しかせず、初めての運転では何回も事故りそうになった私ですが、「初めてのライブ」、これは自分でも誇れる経験です。ということで、今回はマーク・ロンソンのDJに熱狂した、ある14歳の話をお届けしましょう。

2015年3月24日にタイムスリップしてみます。代官山UNITの前にはイカした連中が集っていました。しかしよくみてみると、明らかに場違いな中学生が二人。六年前の私と友人です。我ながら実に可愛い。アルバム『アップタウン・スペシャル』を引っさげてマーク・ロンソンが一夜限りのDJイベントを行うと聞き、「あ、ジョン・カビラさんが張り切るやつだ」と反応した私は、発売開始1分で即完のチケットを手に入れ、選ばれし600人の仲間入りを果たしたのです。期末試験に使うはずの運はこの時に使い果たしていたのでしょう。

「ロッカーとドリンクで千円って高くない?」と思いながらも荷物を預け、財布を取り出し忘れてさらに五百円損する凡ミスを挟みつつ、コーラを頼んでオープニングDJが始まります。

と、せっかくお読みいただいた方々には誠に申し訳ないのですが、肝心のそれからの記憶は、残念ながらさほど残っていません。何しろまったく初めての空間であったのでそれどころではなかったのです。人はこれを「熱狂」と呼ぶのでしょう。

でもひとつだけ、断片的な、それでいて強烈な、とっておきの思い出があります。

ライブ中、つま先に何か当たるような感触がありました。足元を見ても、不思議なことに何もない。しばらくして、その正体がスピーカーから放たれる重低音の振動だと気づき、「これがオトナの世界か!」と思いました。完全に後付けですけど。でも、あの感触とあの衝撃は、それ以来一度も味わっていません。

この夜の山場はやはり「アップタウン・ファンク」でした。余談ですが、三年ほど後、高校三年生の私は、ブルーノ・マーズのライブでもう一つの「アップタウン・ファンク」を目撃します。彼らの完成されたパフォーマンスはDJのかっこよさとはまた違って、両方見られたのは私の大いなる自慢です。

そして今、プレイリストには6年前のセットリストが収められています。タイトルは「三・二四事件」。そう、14歳の私にとってあの夜はまさしく、「事件」そのものでした。

■プロフィール モンブラン13世
早稲田大学の政治経済学部政治学科に通う三年生。本、歴史、音楽、写真、カフェを愛する。好きな歴史人物は高橋是清、タレーラン、張作霖など。憧れる人はタモリ。練習中のモノマネは玉置浩二と氷室京介。直近のライブはMETAFIVEやハナレグミなど。左投げ左打ち。

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