J-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:スガ シカオ)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガ シカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。
1月31日(日)の放送では、ハナレグミの永積 崇が登場。「怪しげでワクワクする雰囲気の楽器屋を巡るドライブ」をテーマに盛り上がった。ここでは、ブルースについて語り合った部分と、永積の馴染みの楽器店のエピソードを紹介しよう。
ハナレグミは公式YouTubeを開設。新曲『Quiet Light』MVも公開された。
スガ:ハナレグミはさ、(フェスなどで)バンド、バンド、ハナレグミ、みたいなことが多いじゃん(笑)?
永積:そうですね(笑)。
スガ:これはけっこうつらいだろうなあって思うわけ。だって音圧も違うしさ。
永積:でも逆にそういうときほど燃えますけどね。自分の普段のフェスだった場合にバンドが前後にあったときって、逆にその音圧のなさを使ってすごく小さな音でやると、オーディエンスの耳もグッとステージに集まってくる。
スガ:すげー。それがよくできるなって思うの! 俺さあ、やっぱ大きい声出しちゃうんだよね。
永積:いやいや(笑)、僕も大きい声出しますよ!
スガ:あはは。そんな出したところで、バンドにかないっこないのにさあ、大きい声出しちゃうんだよねえ(笑)。
永積:普段よく行く、いわゆる大手の大きな楽器屋さんじゃなくて、個人でやられている楽器屋さんでちょっと雰囲気があるお店に行ってみたいなと。タイトルは「怪しげでワクワクする雰囲気の楽器屋を巡るドライブ」というテーマにさせてもらったんです。普段は楽器屋によく行かれますか?
スガ:俺は1個しか行かないね。
永積:そうなんですか?
スガ:その店しか行かないから、メンテナンスも全部やってもらってる。
永積:メンテのこと考えるといいですよね、最初からわかってくれている楽器屋さんは。
スガ:でもまあ地方とか行くと「ちょっと匂い立っている店」あるよね。
永積:ありますね(笑)。ツアー中の楽しみはそういうところもあります。大阪に行くと、あそこの公園の周りの楽器屋に行ったりとか……。
スガ:はいはいはい、行った行った(笑)。
永積:行きますよね(笑)。
スガ:いきなり深いねえ。
永積:『Tupelo』って街の歌で、洪水があったときの歌なんですよね。
スガ:へー! そうなんだ。
永積:ライブ版があるんですけど、そのライブ版は本当にギターの音が小さくて、たぶん小さなカフェかなんかでやっていて、たまに後ろで車が通っていく音とかも入っているんですけど、なんせ声が怖いんですよ(笑)。
スガ:(笑)。
永積:あとギターの音も。一時期よくブルースの文献みたいなのを読んでいたときに「昔、古いモーテルで、隣に泊まっているブルースマンが夜中に練習をしている音が壁の向こうから聞こえてくると、怖くて眠れない」って書いてある日記かなにかがあったみたいで。いま果たして、そういう音楽ってあるのかな?と思って。
スガ:なにが怖いのかなあ。
永積:やっぱり声とか……あとは「悪魔に魂を売って」みたいな。
永積が触れたのは、伝説的なブルース歌手、ロバート・ジョンソンのエピソードだ。ギターの腕前は「十字路で悪魔に魂を売り、引き換えにテクニックを手に入れた」と噂されるほどで、「クロスロード伝説」と呼ばれている。
永積:やっぱりそういうストーリーが生まれるぐらい、あの世とこの世の、なにか三途の川の向こう側とこちら側をゆらゆらしているような、そういうものがブルースのなかには必然的に含まれているのかと。
スガ:なんかすごいね、そう考えると面白い。
永積:さっきスガさんが言ってくれていた、大きな音じゃなくて小さな音で弾くやつなんですが。
スガ:ライブでね。
永積:イメージをするときに、本番前にこういう人たちの小さく弾いている音を聴くんです。
スガ:あー。
永積:じゃないと、僕も会場の雰囲気に(のまれて)ついつい大きくなっちゃうんです。なので(ステージに)上がるときにこういう曲とかをちょっと聴いておくと、ニュアンスを思い出せる感じはあるんです。
スガ:なるほどね。基本的にブルースシンガーの人たちは、ギターの音と声のバランスは自分で作らないといけないんだよね、マイク(の本数)がないから。
永積:いまと違ってマイク1本だけでボーカルもギターも拾っていたと思うんです。だから生音の時点で両方のバランスがとれているという意識はたぶんすごく強い。
スガ:しかもフィンガースタイルのギターだったらメッチャ音小さいもんね。ピックギターはデカいけどね。
永積:そうでしょうね。
スガ:かなり音が小さいなかでちょうどいいバランスがしていたんだなって気がするよね。
永積:古いマンションの階段をトントントンと上がっていった3階にあるんです。僕が好きな感じの楽器屋って、ビザールと言われるちょっと安いギターと……。
スガ:はいはい、ちょっとオモチャ(っぽい要素)が入っているような、変わったデザインのね。
永積:そうですね。そのギターと、いわゆるビンテージと言われるギターとかが同じところに並べられているというのがけっこう好きなんです。あとはキレイに並んでなくて……こんなこと言ったらお店の人に怒られちゃうかもしれないけど(笑)。
スガ:(笑)。
永積:店長ごめんね(笑)。キレイに並べすぎてないというんですかね、アンプの後ろ側を探っていくと、小っちゃい古いアンプとかがこっそり隠れてたりして「これ、ちょっと引っ張り出して見ていいですか?」って聞いて「いいですよー」みたいな。
スガ:「売り物ですか?」みたいな(笑)。
永積:そうそう(笑)。
雑然とした商品の並べ方に魅力を感じると語る永積は、ネットでも見つけられないようなメーカーのギターを発掘すると興奮するのだとか。
永積:「こんな形のロシアのエレキギターがあるんだ」とか。
スガ:わかるわかる。
永積:土偶みたいな形をしているロシアの謎のギターとかありますよね(笑)。
スガ:(笑)。それを見ちゃうとさ「ここで離れちゃうと二度と見られないんじゃないか」と思っちゃうよね。それで変な魅力があったりして。
永積:だから(財布の)紐がすぐに緩んじゃう。
スガ:それでどんどんギターが増えていく。
永積:どんどんどんどん(笑)。買うんだけどなかなか出番がないんですよね。
ハナレグミの最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。
スガが空想ドライブをナビゲートする『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』のオンエアは、毎週日曜21時から。
1月31日(日)の放送では、ハナレグミの永積 崇が登場。「怪しげでワクワクする雰囲気の楽器屋を巡るドライブ」をテーマに盛り上がった。ここでは、ブルースについて語り合った部分と、永積の馴染みの楽器店のエピソードを紹介しよう。
ハナレグミは公式YouTubeを開設。新曲『Quiet Light』MVも公開された。
バンドに囲まれたフェスは、あえて小さな音で
2人は昨年末、ギター弾き語りのライブイベント「J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE 2020 RETURNS supported by 奥村組」で共演。スガは「新鮮だった。みんなアコースティックだから」と振り返りつつ、ソロで活動するアーティストならではのトークを繰り広げた。スガ:ハナレグミはさ、(フェスなどで)バンド、バンド、ハナレグミ、みたいなことが多いじゃん(笑)?
永積:そうですね(笑)。
スガ:これはけっこうつらいだろうなあって思うわけ。だって音圧も違うしさ。
永積:でも逆にそういうときほど燃えますけどね。自分の普段のフェスだった場合にバンドが前後にあったときって、逆にその音圧のなさを使ってすごく小さな音でやると、オーディエンスの耳もグッとステージに集まってくる。
スガ:すげー。それがよくできるなって思うの! 俺さあ、やっぱ大きい声出しちゃうんだよね。
永積:いやいや(笑)、僕も大きい声出しますよ!
スガ:あはは。そんな出したところで、バンドにかないっこないのにさあ、大きい声出しちゃうんだよねえ(笑)。
ツアー中の楽しみは楽器店巡り
永積は以前、スガがラジオでギターについて話しているのを、たまたま聴いていたという。「僕もちょっとギターの話ができたらなあと思って」と提案したのは、「怪しげでワクワクする雰囲気の楽器屋を巡るドライブ」。永積:普段よく行く、いわゆる大手の大きな楽器屋さんじゃなくて、個人でやられている楽器屋さんでちょっと雰囲気があるお店に行ってみたいなと。タイトルは「怪しげでワクワクする雰囲気の楽器屋を巡るドライブ」というテーマにさせてもらったんです。普段は楽器屋によく行かれますか?
スガ:俺は1個しか行かないね。
永積:そうなんですか?
スガ:その店しか行かないから、メンテナンスも全部やってもらってる。
永積:メンテのこと考えるといいですよね、最初からわかってくれている楽器屋さんは。
スガ:でもまあ地方とか行くと「ちょっと匂い立っている店」あるよね。
永積:ありますね(笑)。ツアー中の楽しみはそういうところもあります。大阪に行くと、あそこの公園の周りの楽器屋に行ったりとか……。
スガ:はいはいはい、行った行った(笑)。
永積:行きますよね(笑)。
ブルースが含む“怖さ”ってなんだろう?
永積が「いきなり深い曲になるんですけど」と、1曲目に選んだのはJohn Lee Hooker『Tupelo』。ブルースというジャンルならではの魅力について語った。スガ:いきなり深いねえ。
永積:『Tupelo』って街の歌で、洪水があったときの歌なんですよね。
スガ:へー! そうなんだ。
永積:ライブ版があるんですけど、そのライブ版は本当にギターの音が小さくて、たぶん小さなカフェかなんかでやっていて、たまに後ろで車が通っていく音とかも入っているんですけど、なんせ声が怖いんですよ(笑)。
スガ:(笑)。
永積:あとギターの音も。一時期よくブルースの文献みたいなのを読んでいたときに「昔、古いモーテルで、隣に泊まっているブルースマンが夜中に練習をしている音が壁の向こうから聞こえてくると、怖くて眠れない」って書いてある日記かなにかがあったみたいで。いま果たして、そういう音楽ってあるのかな?と思って。
スガ:なにが怖いのかなあ。
永積:やっぱり声とか……あとは「悪魔に魂を売って」みたいな。
永積が触れたのは、伝説的なブルース歌手、ロバート・ジョンソンのエピソードだ。ギターの腕前は「十字路で悪魔に魂を売り、引き換えにテクニックを手に入れた」と噂されるほどで、「クロスロード伝説」と呼ばれている。
永積:やっぱりそういうストーリーが生まれるぐらい、あの世とこの世の、なにか三途の川の向こう側とこちら側をゆらゆらしているような、そういうものがブルースのなかには必然的に含まれているのかと。
スガ:なんかすごいね、そう考えると面白い。
永積:さっきスガさんが言ってくれていた、大きな音じゃなくて小さな音で弾くやつなんですが。
スガ:ライブでね。
永積:イメージをするときに、本番前にこういう人たちの小さく弾いている音を聴くんです。
スガ:あー。
永積:じゃないと、僕も会場の雰囲気に(のまれて)ついつい大きくなっちゃうんです。なので(ステージに)上がるときにこういう曲とかをちょっと聴いておくと、ニュアンスを思い出せる感じはあるんです。
スガ:なるほどね。基本的にブルースシンガーの人たちは、ギターの音と声のバランスは自分で作らないといけないんだよね、マイク(の本数)がないから。
永積:いまと違ってマイク1本だけでボーカルもギターも拾っていたと思うんです。だから生音の時点で両方のバランスがとれているという意識はたぶんすごく強い。
スガ:しかもフィンガースタイルのギターだったらメッチャ音小さいもんね。ピックギターはデカいけどね。
永積:そうでしょうね。
スガ:かなり音が小さいなかでちょうどいいバランスがしていたんだなって気がするよね。
変わった楽器も見つかる個人店の魅力
永積はドライブの最初の目的地に、東京の町田にある馴染みの楽器店「ミリメーターズ ミュージック」を選んだ。宝探しのように心躍るエピソードを聞かせてくれた。永積:古いマンションの階段をトントントンと上がっていった3階にあるんです。僕が好きな感じの楽器屋って、ビザールと言われるちょっと安いギターと……。
スガ:はいはい、ちょっとオモチャ(っぽい要素)が入っているような、変わったデザインのね。
永積:そうですね。そのギターと、いわゆるビンテージと言われるギターとかが同じところに並べられているというのがけっこう好きなんです。あとはキレイに並んでなくて……こんなこと言ったらお店の人に怒られちゃうかもしれないけど(笑)。
スガ:(笑)。
永積:店長ごめんね(笑)。キレイに並べすぎてないというんですかね、アンプの後ろ側を探っていくと、小っちゃい古いアンプとかがこっそり隠れてたりして「これ、ちょっと引っ張り出して見ていいですか?」って聞いて「いいですよー」みたいな。
スガ:「売り物ですか?」みたいな(笑)。
永積:そうそう(笑)。
雑然とした商品の並べ方に魅力を感じると語る永積は、ネットでも見つけられないようなメーカーのギターを発掘すると興奮するのだとか。
永積:「こんな形のロシアのエレキギターがあるんだ」とか。
スガ:わかるわかる。
永積:土偶みたいな形をしているロシアの謎のギターとかありますよね(笑)。
スガ:(笑)。それを見ちゃうとさ「ここで離れちゃうと二度と見られないんじゃないか」と思っちゃうよね。それで変な魅力があったりして。
永積:だから(財布の)紐がすぐに緩んじゃう。
スガ:それでどんどんギターが増えていく。
永積:どんどんどんどん(笑)。買うんだけどなかなか出番がないんですよね。
ハナレグミの最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。
スガが空想ドライブをナビゲートする『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』のオンエアは、毎週日曜21時から。
radikoで聴く
2021年2月7日28時59分まで
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番組情報
- Mercedes-Benz THE EXPERIENCE
-
毎週日曜21:00-21:54